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保育園でのお昼寝(午睡)について(2019年9月・一般質問)

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◆藤田裕喜議員 議長のお許しをいただきましたので、通告の順に従い質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、保育園における午睡についてお伺いいたします。以下、わかりやすくするため午睡をお昼寝と置きかえて進めさせていただきます。
 まず、現状についてです。
 私自身も小さな子供を育てている身ですが、小さな子供にとっては、夜の睡眠だけでなく日中のお昼寝も大変重要な時間です。お昼寝は、成長の機会であるだけでなく、体を休める大切な機会でもあります。市内の保育園でもお昼寝の時間をとっていただいていると思うのですが、まずは現状についてお伺いいたします。
 市内の保育園におけるお昼寝の状況はどのようになっているのでしょうか。

○伊藤勝美議長 子育て支援監。

◎岡田隆志子育て支援監 保育園におけますお昼寝の状況につきましては、公立保育園ではゼロ歳から2歳児は年間を通して、3歳から5歳児は5月中旬から9月中旬まで実施しておりますが、始まりと終了の時期等、細かい日程は各園で決めております。
 また、私立の園では、ゼロ歳から2歳児は公立同様に年間を通して実施しており、3歳から5歳児は3歳児のみ4月から9月第1週まで実施し、四、五歳児は、7月、8月のプールの時期に実施している園、それから、3歳から5歳児ともに、7月、8月のプールの時期に実施している園があります。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 続いて、お昼寝の必要性と安全管理についてお伺いいたします。
 小さな子供と言っても、その子の月齢や年齢など成長の段階によって、あるいは生活習慣や生活環境によっても、お昼寝の必要なタイミングや必要な長さは異なってくるものと思います。
 そこでまず、お昼寝の必要性についてお伺いします。
 2歳以下の小さなお子さんについてはその必要性に異論はないと思うのですが、反対に、保育園の年中以上、3歳以上の大きなお子さんについては、お昼寝をすることが夜ふかしの原因になっているのではないかという声もあるようです。私も、実際に保育園に子供を通わせている親御さんから同じような意見を聞きました。
 この点について、蒲郡市ではどのように考えているのでしょうか。何か、決まりやガイドライン、基準のようなものはあるのでしょうか。

○伊藤勝美議長 子育て支援監。

◎岡田隆志子育て支援監 乳幼児にとって、お昼寝は生活リズムを構成する重要な要素であると言われています。
 保育園で長時間過ごす子供は、就寝時間が遅くなりがちになることが懸念されています。子供の発育を支える上で、必要な食事や適度な休息をとる観点から、お昼寝は、子供の年齢、発達、家庭での生活、保育時間を考慮し、必要に応じてとるようにすることが大切であるとされています。
 年中児以降の年齢では必要がないと思われるお子さんもおりますが、逆に、年長児でも特に保育時間が長い子など、必要な子もいます。このように個人差がありますので、一概に言えることではないと考えております。
 厚生労働省の保育所保育指針の中では、お昼寝の必要性については、午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保するとともに、在園時間が異なることや、睡眠時間は子供の発達の状況や個人によって差があることから一律とならないよう配慮することとされ、保育の計画を立てる際に配慮することとして書かれています。
 3歳以上児については、保育時間によってお昼寝の必要な子と必要でない子が混在している場合がありますが、眠ることだけではなく、横になって体を休めることも体調を整えることにつながります。お昼寝の時間は、子供にとって適切な休息の時間として捉えております。
 以上です。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 子供の年齢、発達の段階や家庭での生活などを踏まえる必要があるとのことでしたが、保育園の現場では、子供や家庭の事情に合わせて柔軟に対応していただいているということでよろしいのでしょうか。

○伊藤勝美議長 子育て支援監。

◎岡田隆志子育て支援監 集団保育という一定のルールのもとでありますので、個々の御要望全てに応えるということはできませんが、普段の保育中のお子さんの様子や保護者の方からの御要望の意図をお聞きした上で、可能な対応についてはできる限りさせていただいております。
 一例を申し上げますと、うちの子は何分くらい寝たら起こしてほしいという要望を受け、その時間で起こすように配慮したり、また、まだお昼寝を始める時期ではないが寝かせてほしいという御要望にはお昼寝のできる環境を用意したりするような対応をさせていただいております。
 以上です。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 ほかの自治体では、お昼寝の時間を廃止している事例や、自由な時間としてお昼寝が必要な子はお昼寝をするが、必要でない子は外遊びの時間としている、そういう事例もあるようです。
 蒲郡市において、お昼寝の時間を廃止する、あるいは自由時間にするといったお考えはないでしょうか。

○伊藤勝美議長 子育て支援監。

◎岡田隆志子育て支援監 先ほどの答弁にも重なりますが、お昼寝は子供にとって生活リズムを構成する上で重要な要素とされています。
 現在でも、眠ることができない子供がいれば、保育士が様子を見ながら部屋の一角に子供をそっと集めて、絵本を見ながら過ごすというような環境を整えたりしています。
 こうした一定の配慮をしながら、夏の暑い時期の体力の消耗等を考慮した休息のための時間として継続したいと考えております。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 ところで、成長や体を休める機会であるはずのお昼寝の時間にも、事故が起きてしまっているケースがあります。特に、うつ伏せのままで寝てしまったことで窒息をしてしまい、命を落としてしまうという例が多いようです。
 たかがうつ伏せで寝ただけで命の危険があるだろうかとお感じになる方もあるかもしれませんが、小さなお子さんは、寝ているときに自分で自分の体を自由に動かすことがなかなかできません。小さければ小さいほど自由に動かせず、例えば、寝返りができてももとに戻れないというときも多いのです。
 また、うつ伏せで布団や枕などが口を塞ぎ息ができなくなってしまうという場合や、飲んだミルクをうまく吐き出せず喉に詰まらせてしまうという場合もあります。すやすや寝ていても実際には目が離せないというのが、小さなお子さんのお昼寝の実情ではないかと思います。私も、親の立場として、このお昼寝のリスクは大変よく認識しているところです。
 そこで、保育園におけるお昼寝の時間の安全管理についてお伺いします。
 蒲郡市では、どのような体制で子供たちの安全を確保しているのでしょうか。

○伊藤勝美議長 子育て支援監。

◎岡田隆志子育て支援監 お昼寝の時間における死亡事故の事例につきましては、内閣府子ども子育て本部から令和元年8月6日に公表されました平成30年教育保育施設等における事故報告書集計によりますと、平成30年の1年間における保育中の死亡事故9件のうち8件が睡眠中となっています。
 保育園では、お昼寝時の事故を防止するため、午睡チェックリストによりまして、うつ伏せの体位を変えたり、顔色を見たり、呼吸の確認をして、保育士が意識的に見守り、記録をしています。
 また、ゼロ歳から2歳児の発達が未熟な子供たちへの安全なお昼寝環境の確保や、乳幼児の窒息リスクの除去等の配慮について保育士間で共有し、適切な保育を行っております。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 お昼寝の時間は、保育所の先生が事務仕事を済ませるために欠かせない重要な時間であるという声もあるようですが、蒲郡市においてもこのような現実があるのでしょうか。

○伊藤勝美議長 子育て支援監。

◎岡田隆志子育て支援監 お昼寝をしている子供たちの見守りも保育の一部であり、保育士は、先ほどの記録等、子供たちから目を離すことのないようにしています。
 事務の時間につきましては、お昼寝の有無にかかわらず事務時間のための交代保育士にかわった上で基本的に事務室で行うこととしています。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 もう1点お伺いいたします。
 お昼寝中の事故は、保育士の先生方の人手不足に根本的な原因があるという指摘もあります。人手が足りないために1人当たりの仕事量が多くなり、子供たちへの目が行き届かないのではないかという指摘です。
 保育士の先生方の仕事量が多くなり過ぎていないでしょうか。仕事量の管理はどのように行われているのでしょうか。

○伊藤勝美議長 子育て支援監。

◎岡田隆志子育て支援監 保育士の必要数は、児童福祉法に基づき、厚生労働省令に定められておりますので、保育を実施する上で不足しているようなことはありません。
 保育士の仕事量は、保育時間の拡大や低年齢児の増加により確実に増加をしておりますが、必要な人員を確保し、事務作業の見直しなど、保育の質を保ったままで負担が少しでも軽減できるように努力をしているところです。
 大変だからという理由で保育の質を低下させることは、あってはならないことと考えております。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 最後に、今後の対応についてお伺いしたします。
 年中以降のお昼寝は廃止してほしいという声を、ある保護者の方から聞きました。市にも同じ声が寄せられていると聞いております。
 しかし、一方で、きちんとお昼寝をさせて欲しいという声があることも事実です。私も、実際に双方の立場から要望をいただいております。
 お昼寝は夜ふかしにつながるという側面もありますし、事故のリスクもあります。しかしながら、成長の機会、体を休める機会でもあるので、寝かさないわけにもいかないというのが現場として難しいところかなと感じております。
 さまざまな考え方、御意見がある中で、蒲郡市としては今後どのように対応していくお考えでしょうか。

○伊藤勝美議長 子育て支援監。

◎岡田隆志子育て支援監 お昼寝に関しましては、今年度、先ほど藤田議員がおっしゃられたように、保護者の方から、お昼寝をすると夜になかなか寝ないので困る、5歳児はもう寝られないのではないか、子供が苦痛だという声が寄せられました。
 御意見をいただいた保護者の方には、保育園でのお昼寝の現状や必要性について御説明をいたしましたが、こうした御意見を受け、各園の園長が集まります園長会議におきまして、今後のお昼寝のあり方を議題とし、検討いたしております。
 検討の結果といたしましては、公立保育園のお昼寝につきましては、ゼロ歳から2歳児は今までどおり年間を通して、3歳児は一人一人の子供に合わせて9月中旬まで、4歳、5歳児はプールの開始時期から8月末までをお昼寝の実施期間とすることといたしました。
 しかし、これはあくまでも標準的な実施時期を決めたものであり、お昼寝が必要のない子や早く目を覚ましてしまった子などにつきましては、これまでどおり、それぞれの児童の状況に応じて必要な対応をとっていくこととしております。
 今後も、子供一人一人の健康で安全な保育の提供を目指してまいります。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 現状が大変よくわかりました。ありがとうございました。
 今回御意見をいただいた親御さんの中には、3人の子供を順番に1つの保育園に通わせていたという方がいらっしゃったのですが、子供たちに対するお昼寝のルールがその時々で異なっていたため、家での過ごし方に影響して困ってしまったといった声もありました。
 保育園の現場も、あるいは親御さんたちにも混乱を招くことにならないよう、しっかりと情報提供、説明をしていただいて進めていただくようお願いしたいと思います。

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