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ICT機器の学校への導入をめぐる現状と諸課題について(2019年9月・一般質問)

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◆藤田裕喜議員 続いて、ICT機器の学校への導入をめぐる現状と諸課題についてお伺いいたします。
 ICT機器と一言に言っても、実際には多種多様な機器がありますが、今回の質問においては、主に、この8月に新たに導入をされましたタブレット端末に焦点を当ててお伺いしてまいりたいと思います。
 まず、学校におけるICT機器の整備状況についてお伺いします。
 タブレット端末は、端末それ自体を導入するだけでも学校の授業に大きな変化をもたらすことができますが、プロジェクターやモニター、またプリンターやクラウドのシステムなど、タブレットを取り巻く周辺機器、周辺環境を充実させることによって、より一層タブレット端末の活用の幅が広がり、いろいろな新しい授業の可能性を広げることができるようになります。
 そこでまず、各学校のICT機器について、特にタブレット端末と連動して使う機器の整備状況についてお伺いいたします。
 学校には、どのような機器がどのくらい導入されているのでしょうか。また、学校の校舎や教室の設備面における対応はどの程度進んでいるのでしょうか。

○伊藤勝美議長 教育委員会事務長。

◎嶋田丈裕教育委員会事務長 学校のICTの整備状況についてお答えいたします。
 平成30年度に中学校7校、令和元年度に小学校13校に電子黒板機能つきのプロジェクターを導入いたしました。また、令和元年度、今年度ですが、夏休みにはタブレットの導入と、図書室にWi-Fi の機器を整備いたしました。なお、モデル校の西浦小学校と中部中学校には、図書室とは別に、追加でそれぞれWi-Fi機器を1カ所整備しております。
 タブレットの導入台数につきましては、小学校は、西部小学校では14台、教師用1台と生徒用13台、ほかの12の小学校は21台、教師用1台と生徒用20台の、合計で266台になります。中学校は、41台、教師用1台と生徒用40台の合計287台でございます。
 電子黒板機能つきプロジェクターは、インターネットの環境がないところでもタブレットとプロジェクターの間で無線でデータを送受信できるようになっております。
 以上でございます。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 続いて、タブレット端末の機種につきまして、その選定理由をお伺いいたします。
 現在でも、多くのメーカーがいろいろなタブレット端末を出しており、その機能も実にさまざまです。
 このたび、蒲郡市議会において導入されましたiPadが学校で使われているという事例もありますし、ほかにも、例えばグーグル社のクロームブックという機種は、特に学校で多く使われていると聞いております。
 今回、蒲郡市では富士通の端末を導入すると聞いておりますが、なぜこの機種をお選びになったのでしょうか。

○伊藤勝美議長 教育委員会事務長。

◎嶋田丈裕教育委員会事務長 富士通のタブレットにつきましては、最初から富士通のものがありきではなく、競争業者4社には富士通のタブレットのある機種のスペックを示しまして、その同等性能以上のものであれば、事前に教育委員会に御相談いただきまして、問題がないと判断すれば他のメーカーでもよく、価格が最も低い業者にタブレットを導入していただくと仕様書の方には記載しておりました。
 仕様書にはそのように記載しましたが、競争の結果、富士通のタブレットになったというわけでございます。
 以上でございます。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 次に、タブレット端末のセキュリティー、安全性についてお伺いします。
 まず、インターネットからのダウンロードに関するセキュリティーですが、ダウンロードについてどのような手順になっていて、また、どのような制限がかけられているのでしょうか。特に、子供たちが自由に何でもダウンロードできるような設定になっていないでしょうか。

○伊藤勝美議長 教育委員会事務長。

◎嶋田丈裕教育委員会事務長 セキュリティーの面ですが、まず、勝手にインストールができないように管理者のIDとパスワードを入力しなければ、生徒、児童等がインストールできないようになっております。
 以上でございます。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 授業で作成したファイルを保存する場合ですが、どのような方法で保存し、また管理するということになっているのでしょうか。

○伊藤勝美議長 教育委員会事務長。

◎嶋田丈裕教育委員会事務長 インターネット接続環境では、生徒がつくったデータは、NASというネットワーク上のハードディスクですが、その中に個人ファイルに格納されます。
 NASはセキュリティーソフトによって見守られておりますので、セキュリティーは大丈夫と考えております。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 続いてタブレットの保管についてですけれども、高温多湿にならないということはもちろん、盗難のリスクについてもしっかりと安全が確保されている必要があると思うのですが、どのような対策をとっていらっしゃるのでしょうか。

○伊藤勝美議長 教育委員会事務長。

◎嶋田丈裕教育委員会事務長 タブレットにつきましては、パソコン教室に保管されております。
 校舎の廊下、またパソコン教室の中に警備会社のセキュリティーセンサーを設置しまして、盗難防止を図っております。
 以上でございます。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 続いて、タブレット端末の導入にかかわる環境整備についてお伺いしてまいります。
 まず、先生方への研修についてお伺いします。
 タブレット端末を学校に導入するに当たっては、教える側の先生方がしっかりと活用できるような体制を準備しておくということが、とても大事であると思います。
 そして、そのためのサポートが欠かせないと思うのですが、とりわけ最初が肝心で、先生方に使ってもらえるような環境をあらかじめつくっておかないと何も始まらない、始められないのではないかとすら私は思います。
 タブレット端末に関する研修は、どのような形で行われる予定でしょうか。

○伊藤勝美議長 教育委員会事務長。

◎嶋田丈裕教育委員会事務長 教師に対する研修についてですが、本年度、ICT機器活用推進校としまして西浦小学校と中部中学校の2校を指定し、ICT機器の活用の仕方について研究を進めております。
 例えば、西浦小学校では、プログラミング教育を取り上げ研究を進めており、総合的な学習や算数科の授業の中で、ICT機器を使って実践に取り組んでおります。中部中学校では、教科ごとにタブレットの効果的な活用方法を研究しております。本年度、これらの成果をまとめ、来年度全小中学校に広げてまいります。
 また、9月から10月の約2カ月間に、タブレット納入業者のインストラクターによります教員向けタブレット活用講習会を全教職員が受講します。写真撮影の仕方や授業中の有効な資料提示の仕方など、実践場面に即した活用の仕方を研修します。
 このようにしてICT機器を活用し、教育効果が上げられるよう、人的な環境整備を進めてまいります。
 以上でございます。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 最後に、今後の展望についてお伺いします。
 今後、このタブレット端末の利用は、各学校において拡大をしていく予定でお考えでしょうか。また、今後、現在のものよりもさらに使える、あるいはもっと使いやすい教材、より機能のよい端末などが開発されるということもあろうかと思いますが、そうした場合、どのように対応していくお考えでしょうか。

○伊藤勝美議長 教育委員会事務長。

◎嶋田丈裕教育委員会事務長 学校のICT環境の整備ですが、タブレットや無線LAN環境の整備などは、文部科学省の方針など踏まえながら、予算や情勢を踏まえながら慎重に検討してまいりたいと思います。
 なお、ICT機器を導入することにより、児童生徒が課題に対して視覚的に捉えることができ、理解も深まると思います。また、プログラミング学習にも活用できます。
 ただし、ICTのメリットを最大限に引き出すためには、教師のICTへの理解が一層必要となってくることから、教師へのスキルアップを図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 さまざまお答えいただきましてありがとうございました。状況について大変よくわかりました。
 タブレット端末の導入が子供たちの将来の可能性を切り開く大きな手がかりとなるよう、まずはしっかりとした環境の整備からお願いできればと思います。
 特に、せっかくタブレット端末を導入したのに、学校の現場では全然利用されることがないとか、導入したとしても制限ばかりでうまく使いこなせない、反対に子供たちがタブレット嫌いになってしまうと、そういったことにならないよう、ぜひ御配慮をお願いしたいと思います。

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