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子どもたちの足の健康と靴をめぐる課題について(2024年6月・一般質問)

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◆藤田裕喜議員 議長の許可をいただきましたので、通告の順に従い一般質問をいたします。
 まず、1、子どもたちの足の健康と靴をめぐる課題についてお伺いします。
 私自身も子育てをする中で、子どもの靴は本当によく買い替える機会が多いなと感じます。靴が壊れたり痛んだりする前に足が大きくなって靴が履けなくなってしまうということばかり頻繁に起きていると感じます。子どもの靴をめぐっては交換、子どもの足にぴったりの靴がよいとか、数ミリ程度の余裕があるほうがよいとか、1センチ以上余裕があるほうがいいとか、様々な説が流布されていますが、正しい知識や認識が共有されているとは言い難いのが現状ではないかと思います。私自身もこれまではいま一つどのように考えたらよいかわからないまま、どうせ半年もしないうちに買い替えることも分かっているので、子どもが気に入るデザインで手頃な値段で、かつ少し大きめの靴を適当に用意するという感じで済ませておりました。サイズが合わない靴をそのまま履かせておくのも問題であろうと感じながらも、一方で私自身がそうであったように、それ以上の特段の強い関心を払っていないという親御さんも多いのではないかというような印象を持っております。
 子どもの足の健康と靴をめぐっては、このような子どもの成長に合わせた靴を履かせること。時には数か月単位の早いサイクルで靴を替えていかなければならないこと。サイズの合わない靴を履いているとけがの原因になることなどは、よく知られていると思います。しかしながら、実際にどのような靴であれば足の健康を損なわないのか。靴の選び方を誤るとどのような影響があるのか。具体的にどのような疾患を引き起こしているのかといった点、また、そもそも子どもの足は年齢とともにどのように成長していくのかといった点については余り知られていないというのが現状ではないでしょうか。
 そこで今回は、子どもたちの足の健康と靴をめぐる課題について、整形外科をはじめとする専門家の先生方の取組を参照しながら、とりわけ学校における靴などの指定が子どもたちの足の健康に大きな悪影響を及ぼしているという現状に焦点を当て議論を進めていきたいと思います。
 議長の許可をいただき、今回参考にさせていただいた文献を御紹介いたします。「小児靴の手引き書2023」です。これは一般社団法人日本フットケア・足病医学会という足に関するあらゆる疾患に携わる専門職と業界によって構成される学会が作成した冊子です。医学的にも、学術的にも正確な知識を基にして小児靴をどのように選んでいくべきか、分かりやすくまとめられています。私も拝読いたしまして、新しく知る内容ばかりで大変よい勉強になりました。本日の議論の中でも参考として、随時御紹介させていただきたいと思います。
 この「小児靴の手引き書2023」によれば、子どもの足は未完成の足ともいえ、特別な配慮が必要で、大人の足とは違い、足の骨や関節は未熟であるということ。しかし一方で急速に成長し発達し、とても柔らかく、また外的な刺激を受けやすいという特徴があると指摘されています。そして子どもの頃に特に注意しなければならない大切なこととして2つのポイントが紹介されています。
 1つ目は前足部、足の前方の部分の変形の原因が子ども時代につられるという点です。履物で前足部が圧迫され続けると母趾、足の親指や小趾、足の小指が内側に曲がり、外反母趾などの指の変形や陥入爪などの爪の変形の原因となるということです。
 2つ目に中足部、足の真ん中の部分と後足部、足の後方の部分の変形は大人になってからも残ってしまう可能性があるという点です。特に中足部は足のアーチを形成しますが、そのアーチが十分に育っていないと、運動時に疲れやすくなったり、けがの誘因となったりする可能性があるということです。いずれの指摘も子どもの頃の足の成長が妨げられると、大人になってからも、その影響が残ってしまう。疾患の原因となってしまうことを明らかにしています。ここでまずお伺いします。
 (1)子どもたちの足の健康を取り巻く課題と現状の取組について、学校や保育園ではどのように考えているでしょうか。市内の小中学校、保育園では足の健康や靴について授業で取り上げたり、保健指導の中で取り上げたりするなど、何か取り組んでいることがあるでしょうか、お伺いします。

○青山義明議長 教育長。

◎壁谷幹朗教育長 小中学校の養護教諭に確認したところ、骨の成長や体幹を鍛えるという観点で、足の健康に目を向けた学校はありましたが、ここ数年で子どもたちの足の健康に関わる課題に焦点を当てた取組はありませんでした。歯や目など、他の健康課題に対する意識が高いと感じています。
 授業等につきましては、以前、小学校において、日本学校保健会刊行「子どもの足の健康のしおり」ですとか日本学校体育研究連合会刊行「足育指導資料」を参考に保健指導を実施したことがございます。また、ジャンプをしたり、踏みしめたりすることが骨の成長に効果的なことを受け、保健指導で体操を取り入れて取り組んだこともございます。
 現在は、バランスの取れた食事と適度な運動で、骨の成長を助ける取組に重点が置かれています。
 以上です。

○青山義明議長 こども健康部長。

◎平野敦義こども健康部長 保育園につきましては、こども健康部長からお答えをさせていただきます。
 保育園に通う園児の靴につきましては、保護者が足のサイズ、履きやすさ、値段、デザインなどを考慮し、保護者が園児に合ったものを用意しております。雨の日などにつきましては長靴で来たよと傘とおそろいの長靴を履いて喜んで登園する園児もいます。
 足の健康と靴をめぐる課題ということですが、保育園で特に課題と感じているところはございません。ただ、靴のかかとを踏んで歩いている場合は、ちゃんと履こうねと声かけをし、また、靴のサイズが明らかに合っていないような場合は、保護者にそのことをお伝えさせていただいております。足の健康や靴について保護者や園児に何かしら話をするなどの具体的な取組は行っておりません。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 保育園の様子が大変よくイメージされる御答弁で、よく分かりました。ありがとうございました。
 次に、(2)学校や保育園における靴等の指定についてお伺いします。
 足の健康とは切っても切り離せない関係にあり、非常に重要な役割を果たしているのが靴です。大人でも子どもでも、どのような靴を選んで履くかということに足の健康が大きく影響します。靴を変えるだけで足の不調、心身の不調が改善するという事例も見られるほどです。今回は特に子どもたちの足の健康をテーマとしていますので、子どもたちの足の健康と靴の関係について詳しくお伺いしていきたいと思います。
 「小児靴の手引き書2023」によれば、子どものための靴の役割には、保護・補助・支持の3点があります。1点目の保護とは、足を外的要因から守り健全な発達を妨げず疲れや痛みを緩和すること。2点目の補助とは、皮膚感覚を育て、歩行経験を上げ、運動能力を上げること、3点目の支持は、支えて持つという漢字で書く支持ですが、これは医学用語で言うところのアライメント、すなわち関節や骨の位置ですが、これを整えること。そして歩行運動動作を支え、精神や社会性を高めることをそれぞれ意味します。靴を選ぶときには、この保護・補助・支持の3点の役割が果たせるかどうか考える必要があります。そして適切な靴を選びきちんと履く習慣を身につけることが大切です。
 また、靴にも年代別の役割があるということも指摘されております。1歳から3歳までの歩けるようになる頃には、きちんと立って歩けるようになるための準備期間、練習の期間です。この頃は足が柔らかく、足としての機能が未熟ですので、足を保護、固定する機能が必要で、安定して歩けるような靴が必要です。3歳から7歳の頃は足としての機能が発達していく時期で、きちんと立って歩けるようになる期間です。骨もそろってきて動き出す時期であるため、アライメントを整え、後足部を支える機能のある支持性の高い靴が必要です。7歳以降は足としての機能が完成していく時期で骨も完成され形も大人に近づきます。成長もしますので、成長に合わせることはもちろん、体格や運動量、生活スタイルに合わせていくことも重要です。ただし、中学生になる頃には成長が止まってしまい、この時期に足に合わない靴を使っていると足の変形を助長するという結果につながります。矯正して直していくということも困難ですので、足に合った靴を履くということは、この頃においても極めて重要なこととなります。
 その上で、小児靴に最も重要で必要な機能として、3つの機能が挙げられています。まず第一が支持性です。かかと部分が固く潰れず、履き口が締っていること。それによってかかとを支えることができる強度があるということです。第2は固定性です。ベルトやひもで足がしっかりと固定でき、運動をするときなどにも足の動作が靴で邪魔されないこと。靴が脱げないことが重要です。第3は屈曲性で足と靴の屈曲位置、曲がる位置が合うということです。指の付け根と靴の曲がる位置が一致しているということが重要です。固すぎて曲がらない靴や柔らかすぎる靴、関節の位置とは違うところで曲がってしまう靴は適切ではありません。
 しかしながら、現状ではこうした靴の役割や機能について必ずしも正しく認識されておらず、私たち保護者も含めて子どもの靴を適切に選ぶことができていないという現状があると感じます。また、とりわけ私が問題であると感じているのが、学校や保育園で使用されている靴、特に学校や保育園で指定された靴がある場合です。学校や保育園でよく使用される白い簡易なつくりの上靴、中学校で指定されているスリッパが子どもたちの足の健康を損なっているおそれがあるという事実です。これらの履物は先ほど述べたような支持性、固定性、屈曲性という3つの重要な機能を十分に果たしているとは言えず、むしろ足の痛みや変形などの症状が出て、医療機関を受診する必要性が出てくるほどの症状になる場合もあります。
 ここで問題として考えたいのは、学校や保育園で靴が指定されている場合、その靴が子どもたちの成長に必要な役割や機能を果たすことができていないのではないかという点です。そこでお伺いします。
 市内の小中学校と保育園について、校内で使用するスリッパ、サンダル、上履きや中履き、また通学用の靴や運動用の靴、主に体育館で使う靴、体育館シューズなどについて、学校や園、また市からの指定などがあるでしょうか。

○青山義明議長 教育長。

◎壁谷幹朗教育長 市内小中学校の学校生活に関わる靴等の指定につきましては、各学校で検討・実施をされています。最近では、上履きや体育館シューズについては学校指定のものを使用している場合がございますが、通学用の靴については中学校でも自由化され、生徒及び保護者の判断で選択できるようになっています。
 以上です。

○青山義明議長 こども健康部長。

◎平野敦義こども健康部長 保育園についてお答えをさせていただきます。
 保育園では登園時や外遊びをするときに履く屋外用の靴と、室内用の上履きを使っております。どちらの靴も保育園からの銘柄指定はしておりません。上履きは同じようなものになる傾向がございますが、特に保育園から指定しているものではございません。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 保育園には指定がなく、学校ごとに指定がある場合があるということでしたが、指定がある理由は何でしょうか。また、子どもたちの使う靴を指定とすることができる根拠は何かあるでしょうか、お伺いします。

○青山義明議長 教育長。

◎壁谷幹朗教育長 学校が制服や体操服を指定するのと同様に、上靴や体育館シューズも指定してきたと考えられますが、指定当初の詳細については把握しておりません。理由としましては、購入の際に悩まなくてもよいとか、みんな同じで個人差がないとか、経済面のメリットといったことがあったのではないかと思われます。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 次に、指定されていない靴を使うことについてですが、指定がある学校において、指定されていない靴を履いてはいけないのでしょうか。履いた場合、何らかの指導や処分などがあるのでしょうか。また、何らかの理由で、指定靴が履けないという子がいることも当然考えられますが、その場合はどうしたらよいのでしょうか。お伺いします。

○青山義明議長 教育長。

◎壁谷幹朗教育長 病気やけがなどで、指定されている靴を履けない何らかの理由があり、学校に相談していただければ、当然臨機応変に対応しておりますし、指導や処分をされることはありません。
 また、靴等の指定については、生活のきまりにも示されています。生活のきまりについては、学校が教育目的を達成するために、必要かつ合理的範囲内において設定するもので、その権限は校長にありますので、必要があれば校長の判断で変更が可能であると考えております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 先ほど御紹介したとおり、靴の指定が子どもたちの足の健康を損なっている可能性がありますが、この点についてはどう考えているでしょうか。学校が指定する靴を使用していて、足の健康や機能を損なった場合、私は靴を指定した側に対して因果関係が証明できれば損害賠償を求めることができるのではないかとすら思えます。お考えをお聞かせください。

○青山義明議長 教育長。

◎壁谷幹朗教育長 教育委員会としましては、各学校が指定している靴等が児童生徒の足の健康に悪影響があるかどうかを判断するのは難しく、個別の対応を丁寧に行うように指導・助言していきたいと考えおります。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 個別の対応を丁寧に行うという点は大変重要なポイントだと思います。「小児靴の手引き書2023」においても指摘されておりますが、重要なことは足の形は一人一人異なっているという点です。足の親指が一番長いというタイプの足型の人もいれば、人さし指が一番長いという人もいますし、足の指の長さはどれも変わらないという方もいらっしゃいます。足の指の長さで爪先の形も変わりますが、爪先の形に合わせた靴選びが重要であると指摘されています。また、成長に伴い足の形も変化していきますが、足の長さが大きくなっても、実はかかと幅は大きくなりません。しかしながら日本のJIS規格においては足長という足の長さと足囲という足の甲の周囲の長さのみが定められており、かかとの幅に関しては定めがありません。したがって、足の長さが大きくなったということに合わせて大きな靴を選ぶと、かかと周りは実際には緩くなってしまうということが起きています。足の長さも大事ですが、足全体がどのような形をしているかという点に合わせた靴の選び型が重要であるということです。ぜひとも御答弁をいただきましたように、個別の対応を丁寧に行うということをお願いしたいと思います。
 これまで申し上げた点を踏まえて考えるのであれば、少なくとも学校から靴の指定はやめるべきではないでしょうか。かねてから学校ごとに靴の種類が統一されているとか、色が白でなければならないとか、学年によって色が違うといったことが話題にされてきましたが、靴を指定することよりも、子どもたちの個別の足の状況に合った靴を履いていただくことが重要ではないでしょうか。子どもたちの足の健康を損なってでも、靴を指定するメリットが何かあるのでしょうか。お考えをお聞かせください。

○青山義明議長 教育長。

◎壁谷幹朗教育長 藤田議員からお話しをいただいた足の健康に関する内容につきましては、校長会でも周知をさせていただきたいと思います。藤田議員がおっしゃるとおり、靴を指定することが足の健康を損なうことはあってはならないと考えております。児童生徒の実態や家庭のニーズ等を踏まえまして、学校における靴等の指定について検討・判断すべきと考えております。
 以上でございます。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 ぜひ先生方への周知もお願いしたいと思います。まさに靴と足の健康については、子どもたち向けの教育はもちろん必要ですが、学校や保育園の先生方向け、保護者向け、また、市民向けの啓発も必要であると感じます。靴と足の健康をあまりにおろそかにしているのが現在の状況ではないかと感じられるからです。
 そこで(3)足の健康と靴をめぐる課題に関して、啓発を進めることについてお伺いします。
 保護者向けの啓発において、とりわけ子どもが小さい頃に大きな役割を果たすのが母子健康手帳です。出産の前から母子の健康に関して様々な観点から記録を残すというだけではなく、出産後も子育てに関する情報を提供するという役割も担っています。母子健康手帳に記載する内容は記録部分と情報部分に分かれており、記録部分については内閣府こども家庭庁の府令に沿った様式で全国統一となっています。具体的には妊婦の健康状態から妊娠中の記録、検査の結果、歯の状態も記載事項にありますし、出産の状況、産後ケアの記録、新生児期の経過や検査の結果、便の色、その後の健診の結果、成長曲線や予防接種の記録など大変細かい内容まで網羅して記録ができるようになっています。
 一方の情報部分については自治体の任意記載事項ですが、既往症、歯の検査、学齢期以降の記録、相談窓口や災害時・緊急時の対応など、通知の別紙にある様式において参考と示されています。情報部分についてはあくまで参考であって、市町村が任意に記載事項を検討して決定することができます。足や足の健康に関する内容については、現在の母子健康手帳を確認すると、記載する内容としてはかなり限られているのが現状です。具体的には乳幼児健診の結果の1つとして、例えば、伝い歩きができるかどうか、一人歩きができるかどうか、また、走るかどうか、階段を登れるか、片足で立つことができるかなどなど、主に運動面での状況について記録することとなっています。足の健康という観点は全くありません。例えば、足の大きさすら記録する箇所がありません。先ほどの項目は全て「はい」か「いいえ」で答えることになっていますので、具体的な状況を記録するスペースもありません。歩き方はもちろんのこと、足の形はどうなっているか。足や指に傷やけががないかなど、項目も何もないので気にすることもできないし、後から振り返ることも何もできないという状況になっています。
 このような状況では、保護者が子どもたちの足の健康に関心を持つきっかけすら与えられていないと言わざるを得ない状況であると思います。靴ジャーナリストの大谷知子さんも令和3年、2021年の日本靴医学界におけるシンポジウムでの報告「子ども靴の優先順位はなぜ低いのか」において、この点を指摘されています。母子健康手帳に足型が掲載され、「足の健康状態をチェックするページができれば、保護者の足の健康に対する意識も高まるだろう。子ども靴の優先順位は確実に上がるに違いない」と述べています。私もそう思います。
 そこでお伺いします。母子健康手帳に足の健康に関する記載を追加できないでしょうか、お考えをお聞かせください。

○青山義明議長 健康推進監。

◎石黒美佳子健康推進監 母子健康手帳につきましては、母子保健法第16条に基づき、妊娠の届出をした方に対して市町村が交付するもので、内容といたしましては、厚生労働省令で定める、これは全国統一の内容ですが、必須事項として妊産婦、乳幼児の健康診査、保健指導に関するものと、通知事項で定める任意記載事項として妊産婦の健康管理、乳幼児の養育に当たり必要な情報等として厚生労働省令で記載事項のみを定めるもののほか、自治体独自の制度などに関する記載も可能となっております。
 現在、本市で発行しております母子健康手帳には、足の健康状態をチェックできるページはございませんが、足形につきましては、健康状態のチェックというより思い出の記録という形ではございますが、冒頭のページにお子さんの手形と足形を記録するページがございます。
 藤田議員御提案の母子健康手帳に独自の足の健康状態をチェックするページを追加するという方法もございますが、啓発ということであれば、母子健康手帳への記載という形にとらわれず、例えば、歩き始めである1歳頃のお子さんを対象として実施しております1歳児教室の際に、保護者にリーフレットなどで情報提供をしたり、ホームページや、うーみんなびなどを活用して周知啓発する方法もあるのではないかと考えており、今後検討をしてまいります。
 また、足の健康状態につきましては、1歳8か月及び3歳児健診の診察の時に、歩き方やO脚・X脚など足の状態の確認を行っており、必要に応じ紹介状をお渡しし、整形外科への受診や相談につなげております。令和5年度の実績では、1歳8か月児健診では歩き方が気になるお子さんが2件、転びやすいが1件、3歳児健診ではO脚の相談が1件ございました。靴に関する相談といったものはほとんどございませんでしたが、「転びやすい」、「足を引きずって歩く」といった相談などもございますので、引き続き相談に応じてまいりたいと考えております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 小児靴の手引き書2023には、子どもの足のトラブル予防として足のトレーニングが紹介されています。爪先やかかと歩き、足指でペンやタオルなどをつかんで箱に入れる、足の裏でボールを転がす、バランスディスクに乗るなど、家の中でも簡単にできるようなことが紹介されております。このように遊びながら、楽しみながら足の筋肉と腱を強くすることに役立つ足のトレーニングをすることができるということです。ぜひこうした事例も参考にしていただきまして、例えば、乳幼児教室や乳幼児健診の中に取り入れていただくということや、パパママ講座などの機会で御紹介いただくことも含めて、ぜひ御検討をいただければと思います。
 もう1点、保護者向け、市民向けの啓発として、ぜひとも御検討いただきたいのは足の健康と靴をめぐる課題に関する講演会の開催です。実は足の健康と靴をめぐる課題に関して、日本でトップランナーを走っているのが豊橋市の整形外科、塩之谷整形外科の塩之谷香先生です。先生が25年以上前からこの問題に関心を持って診療に当たっておられ、データや症例を多く集めており、非常に高い知見を有していらっしゃいます。先生は医療機関向け、専門家向けの御講演をされているというだけでなく、一般向けの御講演もされていらっしゃいます。例えば、靴の脱ぎ履きについて、塩之谷先生は、本来はある程度の時間と手間をかけることが必要であるとおっしゃっています。「早く履けることよりもきちんと履くことが大事であって、必ず手を使ってファスナーや留め具をきちんと手で締めて固定をするということ。そして脱ぐときもきちんと手を使って靴を脱ぐという動作を習得する必要があるということです。手を使ってベルトを引っ張ったり、ひもを結んだりするなどの動作が習慣づくと、足のトラブルはかなり解消できるのではないか」と先生はおっしゃっています。こうした小さい頃の靴の脱ぎ履きの動作が、今後の人生における靴の履き方の習慣にもつながっていくということでした。私自身も、よく子どもに対して、特に急いでいるときなどは早く靴を履くように言ってしまっていたのですが、それよりもしっかりと時間の余裕を持ってきちんと靴を履くということを子どもにもしっかり伝えて、子どもが靴を履く時間は必ず待って出かけるようにしていきたいと感じています。
 このような手を使って靴を脱ぎ履きするという点はもちろん、かかとを踏まないこと、足に合った靴を選ぶこと、壊れた靴は履かずに買い替えることなど、実際にはどれも基本的なことでありますが、いま一度、その重要性を認識していただくということが重要で必要ではないかと感じます。塩之谷先生は靴1つ変えるだけで足の痛みの症状が軽くなったり、またはなくなったりすることがあると指摘されています。こうした内容をはじめ足と靴の健康をめぐる課題について問題提起をするだけでなく、情報提供をし、啓発を進める機会として、蒲郡市においても講演会を開催することについて検討をいただけないかと思いますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。

○青山義明議長 健康推進監。

◎石黒美佳子健康推進監 藤田議員御指摘のとおり、足の健康と靴の関係は様々な研究や報告がなされており、御紹介いただきました塩之谷整形外科の塩之谷香先生の靴に関する研究や実際の取組についても承知をしております。これまで本市におきましても、ひとねる祭などのイベントの際、足形測定器により足裏アーチのチェックを行い、歩き方の指導や靴の履き方などを伝えるなどの周知啓発を行ってまいりました。
 近年、さまざまな健康ニーズがある中で、足の健康と靴の選び方についても一つの要素だと認識しており、また、これは子どもだけに限られるものではなく、高齢者などにも大きく影響するものだと考えております。講演会の開催ということでございますが、今後は講演会も含めた中で、足の健康と靴とについて、市民の皆様に適切に周知啓発できる機会や方法について考えてまいりたいと思っております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 ぜひとも前向きな御検討をお願いしたいと思います。本日は足の健康と靴をめぐる課題について、特に学校における靴などの指定について焦点を当てて取り上げてまいりました。子どもの靴には子どもの足の成長と発達を阻害しない機能が求められます。毎日使う靴ですから、子どもたちの健康を損なうことがないということを大前提として、自分の足に合った靴をきちんと履ける環境を実現すべきであると思います。こうした観点からの取組をいま一度強く求めたいと思います。よろしくお願いします。この件については以上で終わります。

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