◆藤田裕喜議員 続いて3、蒲郡市における子育てや教育を取り巻く諸課題についてお伺いしていきます。
初めに(1)送迎保育ステーションの導入についてです。保育園の入園入所に当たっては、毎年必ずといっていいほど、「自宅に近い希望の保育園に入れなかった」、「自宅や職場から遠い保育園しか空いていなかった」、「兄弟姉妹で別々の保育園になってしまった」といったお話を保護者の方々からいただきます。これらの課題については、これまでの議会でも何度も話題になってまいりました。しかしながら、解決に向かっているとは現在もなかなか言えないような状況にあると感じております。
こうした問題を解決するための1つの方策として、今回御提案したいのは送迎保育ステーションという仕組みです。送迎保育ステーションとは、一言で言うならば、子供たちを保育園まで送迎する役割と、これに伴う保育を担う場のことです。送迎保育ステーションを設置すると、保護者の子育て環境が大きく変わります。具体的な流れを御紹介したいと思います。
まず、保護者が朝、送迎保育ステーションまで子供を連れていきます。子供たちは送迎保育ステーションでバスの出発時間まで待ち、出発時間が来ると市内各地の保育園保育所まで移動します。子供たちは通っている保育園で日中を過ごします。保育園での保育時間が終わると、再び送迎保育ステーションにバスが帰ってきます。そして送迎保育ステーションで保護者の迎えを待ちます。送迎保育ステーションでは延長保育も受け入れていただけます。保護者は各保育園に迎えに行くのではなく、送迎保育ステーションにお迎えに行き、保護者とともに子供が帰宅するという流れになります。
このように保護者は送迎保育ステーションまでの送り迎えをすればよいので、すなわち市内のどこの保育園に入園していても、自宅や職場から遠い保育園でも保護者の負担は変わらないということになります。兄弟姉妹で別々の保育園であっても、送迎保育ステーションを利用すれば1か所に送迎に行くだけでよいということになります。大変便利で合理的な仕組みではないでしょうか。冒頭申し上げたように課題を完全に解決できる仕組みであると思います。この送迎保育ステーションを蒲郡市でも導入してはどうでしょうか。
送迎保育ステーションは、もともとは電車など公共交通機関で都市部に通勤する保護者向けに考えられた仕組みで、時間的な都合によって保育園まで直接送迎ができないという方向けの制度ですが、蒲郡市においても保護者の負担を軽減する取組として十分に検討に値すると思います。近隣では、例えば、愛知県内では岩倉市において、既に2016年から導入をされています。岩倉市では公立の保育園だけでなく私立の保育園、小規模保育事業所、認定こども園もバスによる送迎の対象となっています。また、岐阜県下呂市においても送迎保育ステーションが設置されています。児童館や学校にステーションを設ける場合や、保育施設を併設する場合など、いろいろな事例がございます。いずれも保護者の送迎がしやすいよう十分なスペースがあること。さらに待ち時間、空き時間も子供たちが難なく過ごせるように遊べる場所があることが重要なポイントです。また、多くの場合、自治体の中心的な駅の近くに送迎保育ステーションがつくられていますが、蒲郡市の場合は必ずしも電車通勤の方が多いとは言えないと思いますので、市内の真ん中あたりに1か所とか、東西に分けるとか、いろいろな形が考えられると思います。そして国が送迎保育ステーションの運営費や施設整備費を補助するという制度もあります。ぜひ蒲郡市でも導入していただけないかと思います。お考えをお聞かせください。
○青山義明議長 こども健康部長。
◎平野敦義こども健康部長 送迎保育ステーションにつきましては、自宅から離れた園への入園も可能となることから、蒲郡市中心部の保育園への入所希望集中の解消にもつながるのではないかと思います。また、車通勤の経路にステーションがあれば、仕事の行き帰りにステーションに寄るだけでよいので、保育園への送迎の負担も減るなどのメリットがあると思います。
一方で、子供にとって今以上に保育時間が長くなったり、送迎ルートによっては長時間バスに乗車することも想定されるため、親にとっては便利になるが、子供にとって果たしてこれがよいのかという意見もございます。また、保護者が通園している園の保育士と顔を合わせ、子供の体調や様子を伝え合うような機会もかなり減ってしまうと思われます。
ステーションで子供を受け取る保育士、バスで各園に送迎する際に同乗する保育士の確保など様々な課題も考えられますが、子育て支援策の1つとして実施事例等を研究してまいりたいと思っております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ぜひとも研究、検討をお願いしたいと思います。実現が少し先になってしまいますが、蒲郡駅前の新しい複合施設に設置するというのも、1つのよい案だと思います。保育園をめぐる課題を解決するため、保護者の負担を減らすためにも必要で重要な仕組みであると思います。どうぞよろしくお願いします。
次に(2)児童館の祝日開館についてお伺いします。児童館の祝日開館については、令和元年、2019年10月から実施をしていただいており、市内の各館をローテーションする形で現在まで継続していただいていると思います。児童館の祝日開館は市民の皆さんに、とりわけ子育て世代の皆さんにすっかり定着してきているのではないかと私は感じているのですが、これまでの経過や現状を踏まえて、まずはどのような認識でいらっしゃるかお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 こども健康部長。
◎平野敦義こども健康部長 児童館の祝日開館についてですが、児童館はこどもの日以外の祝日は休館日という運営を長く続けてきましたが、藤田議員のおっしゃるとおり令和元年10月からは、こどもの日以外の祝日につきましても、ローテーションでどこか1つの児童館を開館することとしております。今では、祝日開館している児童館には、様々な地区から子供、親子連れが来館するようなっております。子供、保護者の方にとっては普段利用しない児童館を体験でき、遊び場や子供の居場所の確保ということを考えたときに、安心感や満足感につながるものと認識しております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、実際に開いている日についてですが、これは祝日のみが対象であるという理解でよいでしょうか。具体的には振替休日についてお伺いしたいのですが、振替休日は厳密には祝日ではありませんが、児童館の開館日になっているでしょうか。今年度で言いますと5月6日、こどもの日の振替休日、8月12日、山の日の振替休日、9月23日、秋分の日の振替休日、11月4日、文化の日の振替休日、2月24日の天皇誕生日の振替休日が該当します。これらの日は、児童館は開いているのでしょうか。
○青山義明議長 こども健康部長。
◎平野敦義こども健康部長 児童館の休館曜日につきましては、蒲郡市児童館管理規則で規定されております。そこには、おおつか、しおつ、かたはら児童館は月曜休館、がまごおり児童館は火曜休館、みや、にしうら、ちゅうぶ児童館は日曜休館となっております。そのほかにも、休館曜日と祝日が重なった児童館はその翌日も休館日となる等の規定がされております。藤田議員が示された日は全て月曜日になりますので、火曜日が休館日である、がまごおり児童館のみが開館することとなります。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 市のホームページには、祝日開館の日程は年度単位で公開をされていますが、この祝日の中には振替休日は含まれておらず、先ほど挙げた本年度の振替休日のいずれの日も掲載されておりません。保護者からすれば祝日も振替休日も同じ休みの日です。休みになっているその日が祝日なのか、振替休日なのか、意識するようなことは少ないのではないかと思います。振替休日の日も通常どおり児童館を開けていただいているのであれば、祝日開館の日程の中に振替休日の日程も追加していただきたいと思います。保護者の方により分かりやすく、探しやすくしていただくための工夫として御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。
○青山義明議長 こども健康部長。
◎平野敦義こども健康部長 祝日開館につきましては広報がまごおり、児童館だより、ホームページでお知らせをしておりますが、振替休日の開館につきましては、特に周知を行っておりませんでした。今後ホームページなどで、振替休日の開館情報の周知も行ってまいりたいと考えております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ぜひお願いします。
続いて(3)児童クラブについてお伺いします。まず、児童クラブにおける学年の区分についてです。市内の児童クラブについては、それぞれのクラブによって入ることができる対象の学年が決まっています。1、2年生のみであったり、特定の学年のみであったり、1年生から6年生まで全ての学年が受入れ可能であったり、様々なのですが、この学年の区分というのは必ず守られているものなのでしょうか。それともある程度は柔軟に対応できるのでしょうか。例えば、1年生から3年生となっていても、実際には4年生も入れるといったようなことがあるのでしょうか。まずは、この点についてお知らせいただければと思います。
○青山義明議長 こども健康部長。
◎平野敦義こども健康部長 利用希望者の学年ごとの人数は毎年度変動いたします。受け入れる学年の区分けは、学年ごとの利用希望人数やクラブ室の収容人数などを勘案し、学区内の児童クラブの中で毎年見直しをしますので、前年度と同じ学年区分になるとは限りません。また、当該年度に1年生から3年生を受け入れるクラブ室があるとした場合、そこに1年を通して利用する通年利用児童、夏休みなどの長期休暇のみを利用する児童とともに、4年生以上の児童を受け入れることはございません。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、夏休みなど長期休業中の児童クラブについてお伺いします。通常の授業期間中については、児童クラブへは学校が終わってからそのまま移動することとなっております。このため通っている小学校の学区内の児童クラブに登録することとなっており、原則として学区外の児童クラブに入ることはできません。では、夏休みなど長期休業中期間はどうなるでしょうか。夏休みの期間中も学区内の児童クラブにしか通わせることができないのでしょうか。
○青山義明議長 こども健康部長。
◎平野敦義こども健康部長 夏休みなどの長期休業中の利用につきましても原則として学区内の児童クラブを利用していただいております。しかし、学区内の児童クラブが定員を超えてしまって利用ができない場合は、ほかの学区の児童クラブに空きがあれば、利用は可能となっております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 では、長期休業中の児童クラブの利用状況について、お知らせいただけますでしょうか。定員にはどのくらいの余裕があるのか。また、学区外の児童クラブに通っている子はどのぐらいいるのかという点も併せてお願いいたします。また、定員を超えている場合は、低学年の子供を優先することになると思うのですが、長期休業中は4年生以上の高学年の子供たちが児童クラブに全く入れないという状況もあり得るのでしょうか。
○青山義明議長 こども健康部長。
◎平野敦義こども健康部長 夏休み期間である令和6年8月1日時点では、市内全児童クラブで63名の空きがございました。今年ほかの学区の児童クラブに通った児童は6名でございました。
定員を超えている場合の優先順位といたしましては、前年度の10月に行う当初申込みをされた方を優先とし、その中でも低学年を優先としております。その後の随時申込みの方につきましては、原則申込み順に入所の御案内をしております。その中で待機となってしまった児童については、他学区の児童クラブへの入所希望調査を行っております。希望する児童クラブに空きがあれば4年生以上の児童も長期休業中のみ他学区の児童クラブへ入所することは可能でございます。そのため、長期休業中は4年生以上の高学年の子供たちが児童クラブに全く入れないというわけではございません。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。続いて、長期休業中の児童クラブにおけるお弁当についてです。夏休み中、児童クラブでは子供たちにお弁当を持たせることとなっていると思います。これが保護者にとっては大変な負担になっております。当然のことながら食中毒のリスクも高くなります。なぜ、お弁当を持たせることとなっているのでしょうか。お弁当の代わりに児童クラブでも夏休み期間中は給食を導入することができないでしょうか。あるいは民間のお弁当業者も利用できるようにすることなど、検討してもよいのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
○青山義明議長 こども健康部長。
◎平野敦義こども健康部長 夏休みなどの長期休業中は、児童クラブ開所時間は最長で午前7時30から午後7時までとなっております。お昼をまたいで利用する場合には昼食が必要となってきます。昼食として給食を提供することにつきましては、学校給食センターの人員の確保、搬送用トラックのルートの変更など多くの課題がございますので、今のところ考えておりません。
弁当の配達につきましては、児童クラブの職員を介さずに、弁当配達業者が用意するスマホアプリで保護者間の注文や決済等のやり取りを実施できることが導入の前提条件となってくるかと現段階では考えております。その上で、児童クラブ利用者のニーズ、衛生面などの対応も考え、導入については研究してまいりたいと考えております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ぜひ研究をお願いしたいと思います。
続いて、今後の児童クラブの運営についてお伺いします。蒲郡市においては、現在児童クラブは全て市が設置しておりますが、自治体によっては民間が設置して運営する児童クラブもあると思います。近隣でも豊川市や豊橋市において事例がございます。蒲郡市においても、民間の設置・運営する児童クラブについて、開設したい旨の相談や情報などがあるでしょうか。把握されていることがあれば、お知らせいただければと思います。
○青山義明議長 こども健康部長。
◎平野敦義こども健康部長 現時点で民間児童クラブの設置についての相談情報はございません。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 今後の児童クラブの設置運営についてですが、引き続き蒲郡市が担っていくという考えでしょうか。それとも民設民営と共存する可能性があるか。公設民営になる可能性があるかなど、現時点での考えをお聞かせください。
○青山義明議長 こども健康部長。
◎平野敦義こども健康部長 現時点で具体的な計画はございません。しかし、利用人数の増加に伴い職員や実施場所の確保が難しくなっている今般の事情を考えると、民間事業者の活用も含めて児童クラブの在り方を検討する必要があるのではないかというように思っております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。また何か動きがあればお知らせいただければと思います。
次に(4)新入学児に対する情報提供の在り方についてお伺いします。小学校へ入学する前の子供たち及び保護者と学校や学校の先生とが接触する機会というのは大変限られていると感じており、小学校に入学するに当たって必要な準備や情報が保護者に対してきちんと伝えられていないのではないかと感じています。そこでまず、現状についてお伺います。
未就学児のお子さんとその保護者が、保育園や幼稚園に在園中に、自分自身が入学する小学校と接する機会には、どのような場が、どのくらいあるでしょうか。また、学校の先生と直接お話ができ、質問ができる機会というのはどのくらいあるでしょうか。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 教育長から答弁させていただきます。
未就学児のお子さんとその保護者が直接、小学校の先生と話ができる機会としましては、就学児健診と入学説明会があります。
まず、就学児健診では、多くの小学校で健診後に希望者される保護者の方を対象に相談の機会を設けています。そこでは学校生活全般はもちろん、お子さんに関わる様々な相談もできます。
次に、入学説明会です。保護者とお子さんを体育館に集めて、1年生の主任から入学に向けての様々な説明やお願いをしています。説明後には、全体はもちろん個別でも質問や相談できる機会があります。コロナ禍を経て、入学説明会を紙面で行い、提出書類だけを受け取る学校もありますが、その場合は受付の職員に質問や相談をお申出いただくことで、その機会を設けています。
ほかにも、お子様の発達に不安がある保護者については、7月から教育相談が実施されていますので、その際に聞くことができます。また、実施する学校が減ってきましたが、運動会の折に、新入学児のかけっこを行っている学校もありますので、その機会も活用できると考えております。
以上でございます。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 年長さんの1年間で2回から4回の機会があり得るとのことでしたが、教育相談は任意ということもありますので、多くの子供たちと保護者が学校と接触する初めての機会は、やはり就学児健診ではないかと思います。就学児健診の説明や質疑応答を通じて学校生活に関する情報を得られるという流れになっていると考えられます。しかし、就学児健診は主に9月から10月に実施されていると思いますが、このタイミングでは私は遅すぎるのではないかと考えています。ここでは特にランドセルをめぐる情報提供の在り方について取り上げながら議論を進めていきたいと思います。
今の子供たちがランドセルをいつ頃準備し始めるか御存じでしょうか。答えは保育園の年中さんです。保育園の年中さんの秋とか冬から、いわゆるラン活、ランドセルのための活動が始まって、情報を集めるなど準備を始めることになります。そして年が明けて春先、2月から3月の間にランドセルの業者が行う展示会などに出かけて実物をチェックして、4月から5月までの間に多くの方は決めてしまい注文をしてしまいます。早期購入特典というのがついている場合もあります。
このように最近では、小学校に入る直前に買うのではなく、1年半以上も前から準備をしてランドセルを決めているという現状があります。そして、その頃に注文したランドセルが年長さんの冬頃に届くという流れになっています。遅い子でも年長さんの夏頃には注文します。そうすると、小学校の入学の直前、2月とか3月頃にランドセルが届くという形になっています。昔のようにランドセルをお店で選んで買って持って帰るといったことはほとんどなくなっているというのが現状です。ランドセルは小学校の6年間ずっと使われるといいますが、実際には気温が上がって暑くなる5、6月頃から10月から11月頃まではランドセルではなくリュックサックでもよいということになっており、私たちの頃の経験とは異なって、ずっと6年間毎日ランドセルで通学するということもなくなっています。
また、学校によっては通年で、1年間を通してランドセルではなくリュックサックでもよいとしているところもあると聞いています。ある学校では、年長さんの9月から10月に行われた就学児健診の際に、学校の校務主任や教務主任の先生から学校の紹介や説明があり、同時に質疑応答がありました。その際に、ランドセルについても説明があり、夏の期間はリュックサックでもよいということにしているだけでなく、その学校では1年を通じて通年でランドセルを使わなくてもよいとしているというお話があったとのことです。この話を聞いた保護者の方は大変憤慨をしていらっしゃいました。つまり先ほど紹介したランドセルのための活動の状況を踏まえると、市内の各校で就学児健診を実施する年長さんの9月から10月の頃には、大半の子供たちは、もうランドセルの注文を終えてしまっているわけです。しかしながら、その段階で「実はランドセルなくても大丈夫ですなどと言われても困る」という話なのです。その頃には注文も済ませていてキャンセルもできないという状況になっています。保護者の方から「ランドセルをもう買ってしまったよ」と、「ランドセルを使わなくもいいなら、早く教えてほしかった」、「ランドセル必要なかったじゃん」といった声が聞かれたということでした。
ちなみに、ランドセルには幾らぐらいお金がかかるか御存じでしょうか。ランドセルの平均購入価格は5万9,138円です。しかも37.6%の人が6万5,000円以上のランドセルを購入しています。これは2024年のランドセル工業界によるランドセル購入に関する調査の結果です。6年間使うと言われても決して安い買い物ではありません。このような高額な買い物を済ませたタイミングで、実際には「ランドセルを使わなくてもいい」などと学校で言われてしまっては、とても許せないし看過できない。そんな思いを持ってしまう状況にあると思います。保護者の子供を無視した対応であるといっても過言ではありません。恐らく、学校の先生方はこうした実態を御存じないのではないかと思います。
このような状況を踏まえると、保護者や子供たち向けの情報提供の機会は、就学児健診のある年長さんの9月や10月ではなく、もっともっと早い段階で年少さんや年中さんの頃などに設けられているべきではないかと思います。例えば、学校公開日や授業公開日で直接先生方と相談できる場や機会を設けること。新入学児向けの説明会を年長さんの入学直前ではないタイミングで設けることなどが検討できると思います。もし、直接お話しする機会をつくるのが難しいのであれば、保育園を通じてプリントを配るということもできると思います。プリントに「質問がある場合は、お気軽に電話してください」などと、一言書き添えておくだけでも保護者の印象は全く違うと思いますし、実際に相談をされる保護者の方もいらっしゃると思います。それも難しいのであれば、教育委員会のホームページ、もしくは各学校のホームページに新入学児向けの情報提供の欄を設けていただき、例えば、「夏の間は、ランドセルは不要です」と明記していただくとか、「1年を通じてランドセルでなくても大丈夫です」と明記していただく。ほかにも学校行事の予定を載せていただくとか、指定の体操服や靴があるなら、その情報を出していただく。また、通学の方法や時間帯など、必要と思われる情報を掲載しておいていただくだけでもいいと思います。これまで何も情報提供がなかったという状況を踏まえるのであれば、これだけでも大変大きな変化であると思います。とにかく早い段階で情報が得られるよう工夫をしていただきたいと思います。
以上、申し上げたような対応策を検討できないでしょうか。お考えをお聞かせください。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 新入学児の保護者の皆様に、学校の方針が十分に伝わらない状況は改善すべきと考えます。藤田議員が御指摘の通り、大きな変更につきましては、紙面をもって周知すべきと考えます。また、最近では幼保小の連携が積極的に行われるようになってきております。学校が保護者参加型の企画を実施することで、小学校にお越しいただく機会を設けることができますので、今後、検討していきたいと考えます。さらに、各小学校のホームページの充実も働きかけていきたいと思っております。
また、ランドセルの使用につきましては、各学校が判断をしています。近年、「ランドリュック」と呼ばれる比較的リーズナブルなリュックサックタイプの物を希望される保護者がいます。学校としましては、もちろん許可をしていますが、大判の教科書やノート、大きめの筆箱、そしてタブレット端末の持ち帰りなどを考えますと、機能的で収納しやすいランドセルを推奨している学校が多いと考えます。夏の暑い時期は熱中対策としてリュックサック、過ごしやすい時期はランドセルと、使い分けていただくとよいと考えます。
以上でございます。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 新入学時は不安ばかりですので、何でも情報は提供していただく必要があると思います。積極的な情報提供、また、丁寧な御説明をお願いしたいと思います。
また、ランドセルについては、既にランドセルを使わなくてもよいという学校があるのであれば、この際、市としてのランドセルの必要性、それ自体をきちんと考え直し、一律に不要としてしまってもよいのではないでしょうか。ある学校はランドセルが必須で、ある学校ではランドセルでなくてもよいという状況、学校ごとに対応が異なっているという点も、私にはいま一つ理解できません。実際に1年の半分は多くの子がランドセルを使っていないわけですから、ランドセルで通学する意義や必要性というのは限りなく薄くなっている。なくなっていると考えることができます。しかもそんなかばんに平均して6万円もお金がかかっているわけです。通学時のかばんについても自由化すればよいのではないでしょうか。私としては、もはやランドセルの必要性、それ自体を考えるべき段階に入っていると感じます。こちらもぜひ御検討をお願いできればと思います。
続いて(5)市内の中学校における制服についてお伺いします。令和5年、2023年9月の文教委員会でも御報告をいただきましたが、蒲郡市では小学校における制服については、令和7年度、2025年度から年間を通じて制服着用を義務づけず自由化されることとなりました。
一方で、中学校における制服の見直しについては検討委員会で話題にしており、はっきりした方向性は出ていないというお話でございました。こうした中、中学校の制服について市内の小中学校でアンケートが実施されたと伺いました。まずは、このアンケートについてお聞きします。アンケートはいつ頃、誰を対象として、またどのような内容、どのような趣旨で実施されたのかお知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 アンケートにつきましては9月に実施し、対象者は中学1年生から3年生までの生徒及び保護者と、小学校4年生から6年生までの児童及び保護者であります。小学校につきましては、保護者と児童が相談して回答しました。
内容については、現在の制服のよい点と改善点、制服を改善する必要性、制服を改善する際に重視する点をお答えいただきました。
趣旨としましては、現在の制服に対する認識を保護者と児童生徒の両面から把握し、今後の制服の在り方を考える参考にするための調査であります。
以上でございます。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 このアンケートを受けて、私のところにも保護者の方から御連絡がありました。「小学校は制服を自由化したのだから、中学校でも制服を自由化できないか」という御意見でした。確かに小学校では制服を自由化しておいて、中学校でのみ制服を自由化しないという点は、いささか理解が難しい気がいたします。小学校も中学校も制服を自由化するという方向で検討することもできるのではないか。また、そうしてはどうかと思います。少なくとも制服を継続するというだけが選択肢ではない。自由化することも選択肢の1つとして検討内容に入っているべきであると思います。現在までの検討の進捗状況も含めて、お考えをお聞かせください。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 今後、アンケート結果を基に検討委員会を立ち上げ、対応していく予定でございます。藤田議員が御指摘のように、「制服を廃止した方がよい」という意見がある一方で、「制服が必要である」と答える保護者もいます。検討委員会には、保護者の代表の方にも入っていただきながら、各中学校からの代表生徒も加え、実際に制服を着用している生の声や、今後を見据えた意見も踏まえ、これからの制服の在り方について慎重に検討を進めてきたいと考えております。
以上でございます。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 どのような方向性で進めるとしても、丁寧な合意形成が欠かせないと思いますので、ぜひ慎重に進めていただくようお願いしたいと思います。
蒲郡市における子育てや教育を取り巻く諸課題についてということで、送迎保育ステーション、児童館、児童クラブについて、また、学校における新入学児への対応、中学校の制服についてお伺いしてまいりました。いずれも市民の皆様からいただいたお声をきっかけに、今回取り上げた内容です。ぜひしっかりと重く受け止めていただき、御対応いただきますようお願いしたいと思います。この件については以上です。ありがとうございました。