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蒲郡市における救急車について(2024年12月・一般質問)

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◆藤田裕喜議員 続いて2、蒲郡市における救急車についてお伺いしていきたいと思います。
 私もこれまでの人生の中で3回ほど救急車に乗ったことがございます。このうち特によく覚えているのは、交通事故で搬送されたときのことで、今から10年以上も前のことになります。交通事故でしたが、意識はあったのでよく覚えているのですけれども、12月末の冬で救急車の車内がすごく寒かったということ、また、がったん、がったんと路面が悪かったせいなのか、ひどく揺れたということをよく覚えております。事故現場の近隣住民の方が119番の通報をしてくださって、また、救急隊の方の御尽力のおかげで今があるわけですので、本当に感謝は尽きません。
 さて、これまでの議会でも救急車の出動回数や利用の在り方、また救急体制について多く話題になってまいりました。しかしながら、救急車そのものの装備や設備、安全対策などについては余り話題になることがありませんでした。そこで今回は、蒲郡市における救急車の体制だけでなく、救急車がどのように使われていて、どのような装備や設備を有しているのか。どのような課題があるのか明らかにしていきたいと思います。また、今回この質問に先立って、消防本部の救急車を見せていただきました。お忙しいところ御対応をいただきましてありがとうございました。
 まず(1)救急車の現状についてお伺いします。本市では救急車は現状5台体制になっていると思いますが、それぞれいつ配備されたのか。また、どこに何台配備されているか、併せてお知らせいただけますでしょうか。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 救急車の配備状況につきまして、消防署本署には平成23年度と平成28年度に配備された車両が2台、東部出張所には平成24年度に配備された車両が1台、西部出張所には平成25年度と平成30年度に配備された車両が2台あり、合計5台体制となっております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 次に、救急車そのものの耐用年数についてですが、これはどれぐらいの年数が使えるものなのでしょうか。また、走行距離について、おおむねどのくらいの距離が目安となっているのでしょうか。併せてお知らせいただければと思います。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 耐用年数に相当する基準といたしまして、車両更新計画では、救急車はおおむね12年ごとを更新時期の目安としております。
 また、車両走行距離の目安につきましては基準としているものはございませんが、過去に廃車した救急車の走行距離は、概ね15万キロ前後となっております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 続いて、救急車の使用範囲についてです。本市の救急車はどのような範囲で使われているでしょうか。市内での市民の救急搬送のほかに市外の病院への搬送や市外、市民でない方の救急搬送に出るといったこともあるのでしょうか。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 救急出動につきましては市内を出動範囲とし、市民、市外の方の区別なく救急搬送をしております。病院搬送につきましては、約9割を蒲郡市民病院へ搬送しておりますが、搬送者の状態やかかりつけ医の状況などを考慮し、市外の病院へ搬送することもございます。
 また、近隣市町で救急車の出動が重なったり、大規模災害が発生し救急車が不足した場合などには、近隣消防応援協定に基づき本市の救急車が市外へ応援出動することもございます。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 救急車の車両整備の状況についてもお伺いします。救急車の車両整備に当たっては、どのような状況の場合に、どのような頻度で整備を実施しているかお知らせいただけますでしょうか。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 救急車の車両整備の状況につきましては、法定点検として定めのある6か月点検及び12か月点検並びに車検時に行う24か月点検を実施しております。
 また、突発的な故障などがあった場合には、随時、点検整備を実施しております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 これまでに蒲郡市の救急車が交通事故に遭ったこと、また、交通事故に巻き込まれたことなどはないでしょうか。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 直近では令和6年1月26日、蒲郡市内から岡崎市内の医療機関へ救急搬送中に、岡崎市内において片側3車線の交差点内で追い越しをする際、救急車の助手席側サイドミラーを停車中のトラックに接触させる物損事故が発生しております。救急車は走行不能となったため、直ちに岡崎市消防本部に救急車の出動を要請し、医療機関へ救急搬送を依頼いたしました。なお、この交通事故による医療機関到着時間が20分程度遅れましたが、搬送者の容態に影響はございませんでした。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 救急車に関する意見や苦情などを市民の方から聞いていることはあるでしょうか。冒頭申し上げたとおり、私の数少ない体験の中でも車内がとても寒かったこと、救急車が大変揺れたことは緊急事態の中にあっても、よく覚えているほどでした。10年以上前の事例ではありますが、現在の救急車の利用者に同じような体験をさせていないかお伺いしたいと思います。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 救急車に対する意見や苦情につきまして、直接いただいてはおりません。車内の寒さ対策につきましては、消防署で出動待機中に車内で暖房器具を使用し、保温をするなどの対応をしております。また、車両の振動につきましては、救急車の走行訓練などを実施し、路面の状況が悪く揺れやすい道路を事前に調査し、救急搬送時には徐行するなどの振動を軽減させる対応を取っております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 次に(2)救急車の装備についてお伺いします。本市に配備されている救急車はいずれも高規格救急車と呼ばれている種類の救急車であると思います。この高規格救急車とはどのような定義でしょうか。法令で定められた基準や規格、要件などがあるのでしょうか。また、ほかの救急車とはどのように違うのか。高規格だからこそ備え付けられている装備や積載品などがあるのでしょうか、お伺いします。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 高規格救急車につきましては、平成3年8月に救急救命士法が施行され、救急救命士の資格を持っている隊員が車内で気管挿管や薬剤投与などの特定の処置を実施するためのスペース及び装備を有する救急車とされております。それまでの搬送するためだけの救急車とは異なり、高規格救急車の装備といたしましては、気管挿管用のチューブやアドレナリンなどの薬剤を積載しております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 次に、現在の救急車において、標準の仕様とは別に、蒲郡市の注文で独自に追加したり、カスタマイズした装備があればお知らせいただけますでしょうか。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 救急車内に設置しております棚の配置などにつきましては、標準仕様ではなく、本市独自の仕様となっており、基本的に5台の救急車は同じ配置、レイアウトになっております。
 また、車両外回りでは車外作業灯や点滅灯を追加し、安全性や視認性の確保に努めております。車体の前部、後部、側面及び天井部には、消防本部名やロゴマークを入れた仕様となっております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 続いて、装備面の課題についてお伺いします。救急車を利用する私たち市民にとって、治療や処置に支障がないということはもちろん重要ですが、現場で働く救急隊の皆様が支障も負担もなく目の前の仕事に集中できることが何より重要であると感じます。そのための環境を整えることも重要であると思います。現状の装備で何らかの支障が生じていないかどうか。また、救急隊員の皆様にとって負荷が大きいことや負担になっていること、無理が生じていることなどはないでしょうか。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 救急隊は通常、隊員3名で構成されておりますが、活動するために多くの救急資機材を現場へ運ぶ必要があります。場合によっては道路が狭く救急車が近くまで進入できないことがあり、徒歩で救急資機材を抱え傷病者のもとへ向かうこともあり、一刻も早く現場へ行こうとする隊員の負担になっております。このような負担を軽減するために、救急隊に加え消防隊を同時出動させることにより現場での活動支援を行っております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 続いて(3)救急車の今後についてお伺いしていきます。まず、救急車の今後の更新の予定についてです。先ほど、一番古い救急車は平成23年、2011年に導入された車両であると御答弁がありました。この車両については13年経過したという状況ですが、いつ頃更新の予定となっているか、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 藤田議員御指摘のとおり、平成23年度に配備した救急車につきましては、間もなく13年が経過し、経年劣化による故障等が発生する可能性が高くなってきておりますので、できる限り早く更新したいと考えております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 次に、先ほどの御答弁で、耐用年数が12年程度で、現在5台あるということが分かりましたが、平成20年代に導入した救急車は、いずれも今後数年おきに更新を続けていくということになるかと思います。そこで今後導入していく救急車の装備についてお伺いします。
 まず、現状で予定している新たな整備や積載品などはあるでしょうか。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 近年の救急件数の増加や女性職員の採用など、隊員の負担軽減に対応するため、電動で移動することができる電動ストレッチャーや、心肺停止状態の傷病者に対して自動で心臓マッサージを行う自動心臓マッサージ機などを救急車に積載している他市の事例がございますので、救急車の更新に際しまして参考にしてまいりたいと考えております。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 今の2点については、ぜひ重要な設備だと思いますので、採用していただくようお願いしたいと思います。
 次に、私からぜひ御検討をいただきたい整備について、2点御提案させていただきたいと思います。
 1点目は、乗り心地改善のためのサスペンションもしくはアブソーバーの取付けです。冒頭から申し上げているように、私自身の体験からも乗り心地の改善は必要な課題であると思います。また、サスペンションもしくはアブソーバーの取付けは単に乗り心地の改善という意味合いだけでなく、例えば、災害時に道路が損壊している場合や舗装がされていないような悪い道を通る場合にも駆けつけられるようにしておくという観点からも必要な対策ではないかと思います。業者によっては、後付けでの対応もできる場合があるようです。ぜひ御検討をいただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 藤田議員に御提案いただきましたサスペンションや振動を抑え乗り心地を向上させる衝撃吸収装置、いわゆるアブソーバーを取り付けることにつきましては、車両に対するメーカー保証や緊急時の対応など、救急車の安定的な運用に対する懸念事項もございますので、今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 ぜひ、研究、検討をお願いします。
 2点目は、救急車に気づかないという事例をなくすため、救急車の車両自体をより目立つようするためのマーキングです。普段の生活の中でも車を運転していると、遠くから緊急車両のサイレンが聞こえてくる場合があります。そのようなときには道を譲ることになっていますが、何らかの事情で緊急車両にも道を譲らないという方が時々いらっしゃいます。嫌がらせというよりは、例えば、車内で音楽を聞いているなどといった感じで、単に気づいていなくて道を譲らないということが起きているのではないかと思います。サイレンの音を大きくするということも1つの考えですが、近年ではサイレンの音が大きすぎるという苦情もあるようですので、やはり少しでも目立つようにするためのマーキングで対処するということが適当ではないかと思います。
 また、救急車が目立たないがために発生していると思われる事故が全国的にも枚挙にいとまがないと言える頻度で発生しております。例えば、救急搬送中の救急車と車が衝突するという事故や、救急活動中に停車している救急車に車が衝突するという事故も起きています。もちろん、このような事故には様々な原因が考えられるわけですが、原因の1つには、やはり救急車が目立たない。目で見て救急車と分からない。すなわち救急車の視認性が低いという問題があるのではないかと思います。現状、市の救急車のマーキングは、白い車体に赤い線が一本のみですが、これをより派手なものとして、例えば、赤のマーキングを増やして、いわゆる切り子模様のようなマーキングにするなどの対応が可能と考えられます。実際に長野県の北アルプス広域消防本部や埼玉県川口市の消防本部で採用されております。これらはバッテンバーグ・マーキングと呼ばれ、もともとはイギリスの警察車両に導入されたカラーリングです。従来、車両への反射材の使用は道路運送車両の保安基準により、大型車両に限られていると考えられてきましたが、平成27年、2015年には国土交通省から反射材を活用したマーキングについては、現行の法令に抵触しない旨の通知が出されています。現状、市の救急車においては、これらの対応はされていないと思いますので、ぜひ参考に検討をしていただければと思います。お考えをお聞かせください。

○青山義明議長 消防長。

◎小田竹利消防長 御提案いただきました救急車に目立たせるマーキングをすることにつきましては、現在の救急車には、前部、後部、側面に赤色または白色の反射材を使用し、救急車が目立つように艤装を施しております。コスト面などの懸念事項もございますので、こちらも今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 ぜひ研究をお願いします。なお、目立つように工夫するという観点からは、全国の消防本部で様々な趣向を凝らした取組が見られます。例えば、名古屋市消防本部の救急車両には、救急の文字が反転された形で表示されております。これは鏡文字といってルームミラーから後続車を見ると、正しく普通の文字として読めるようになっている表示の仕方です。ミラーから緊急車両であることが正しく分かるようになっているということです。また、先ほど御紹介した川口市消防本部では、LEDのライトのテープを車両の広報部やタイヤの周辺に張りつけています。LEDのライトのテープを発光させることで、より安全に走行できるようになったということです。ぜひ御参考にしていただければと思います。
 今回は救急車について、救急体制だけでなく救急車そのものの装備とその課題、また、今後に向けての提案をさせていただきました。市民の皆さんがより安心して、安全に利用できるようにすることはもちろんですが、現場で働く皆さんにとっても負担や負荷を感じることなく業務に没頭できるような環境を整えることは大変重要であると思います。ぜひ今後もこうした配慮を、特に車両の更新時においては御検討をいただければと思います。この件については以上です。ありがとうございました。

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