◆藤田裕喜議員 議長の許可をいただきましたので、通告の順に従い一般質問をいたします。
初めに、1、新型コロナウイルス感染症への対応についてお伺いします。
本年の第3回定例会での一般質問においてお聞きできなかった内容である新型コロナウイルス感染症の罹患後症状、いわゆる後遺症を取り巻く問題についてと、10月から始まっているワクチンの定期接種についてお伺いしていきたいと思います。
まず(1)後遺症(罹患後症状)の状況についてです。新型コロナウイルス感染症にかかってから症状が改善せず長引いてしまうことがあり、これがいわゆる後遺症(罹患後症状)として知られています。代表的な後遺症として倦怠感、呼吸困難、筋力低下、集中力低下、脱毛、睡眠障害などがあることが知られており、厚生労働省の研究によれば、入院時の重症度が高かった方、治療中に人工呼吸器管理を使用した方、女性41歳から64歳の中年者において後遺症を訴える割合が多かったと報告されています。
私の身近でも新型コロナウイルス感染症に感染後、嗅覚や味覚を失ってしまった方、また、倦怠感がずっと続いているという方や、しばらく咳が続いていたという方、また、筋通性脳脊髄炎を発症し寝たきりとなり、24時間の介助がなければ生活できなくなってしまった方など、重篤な症状の方も含め様々な症状のある方が見られます。新型コロナウイルス感染症との厳密な因果関係については、個々のケースで様々であって、医学的に証明できるかどうかは未知数というところもありますが、いずれの方も新型コロナウイルス感染症にかかったことを契機として、解熱後も一定の症状が続いているという点が共通していると言える状況にあります。後遺症の影響は日常生活にも及び、これまでどおり働くことが困難になっている人たちもいらっしゃいます。岡山大学病院の調査によれば、54%の人が休職や退職などを余儀なくされていたという結果が出ています。また、厚生労働省の研究班が実施した調査によれば、感染から1年半以上も症状が続いている人に仕事への影響を尋ねたところ、「休みがちになった」と回答した人が、症状がない人よりも多いという結果が出ています。市内の民生委員を務める方からも複数の訪問先の方々に新型コロナウイルス感染症の後遺症と見られる症状が出ているとのことで、同様のお話を伺ったことがあり、市内でも身近なところで苦しんでいる方がいらっしゃると考えられ、決して見過ごすことはできない状況にあると感じています。そこでまずお伺いします。
蒲郡市内における新型コロナウイルス感染症の後遺症(罹患後症状)について、市内での実例を調査などはされているでしょうか。また、現状についてどのくらい把握しているでしょうか。
○青山義明議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 本市では後遺症や罹患後症状の実例についての調査は行っておりません。
また、現状の把握状況でございますが、本市に直接御相談があった場合につきましては、症状や経 過など状況をお伺いし対応させていただいておりますが、多くは医療機関に相談されるため、相談があった以外の後遺症等の状況については把握しておりません。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 では、後遺症について、相談や問合せなど受け付けた内容があればお知らせいただければと思います。
○青山義明議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 後遺症の相談内容は様々でございますが、嗅覚や味覚障害、咳、頭痛などの相談が多くございました。症状が現れる時期も、罹患してすぐの時期から持続する症状や、回復した後に新たに出現する症状、また、症状が消失した後に再び生じる場合など様々な状況でございます。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 続いて(2)後遺症(罹患後症状)への対応策や支援策についてお伺いします。
現状、新型コロナウイルス感染症の後遺症については、特に何も把握をしていないし、調査もしていないということでしたが、市内でも実際に困っている方がいらっしゃるわけですから、このまま放置しておくということにも問題があるのではないかと感じますし、何らかの対応策、何らかの支援策を検討していくべきではないかと思います。この点、厚生労働省のホームページには動画やチラシ、Q&Aなども掲載されております。また、後遺症と仕事の両立についても、仕事と治療の両立支援ナビというホームページが開設されており、ガイドラインやチラシが掲載されています。私も確認いたしましたが、大変参考になる内容ばかりでした。後遺症に関する情報提供は、後遺症に苦しむ御本人だけでなく、御家族の方や在席している勤務先の方々にも対応策、解決策を提供する機会となり得、非常に有益であると思います。市のホームページにおいても、もう少し情報提供を充実させてもよいのではないかと思いますが、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 本市のホームページにおける後遺症についての情報提供につきましては、後遺症とはどういうものか、後遺症に関する相談先、後遺症の診療をしている医療機関の紹介を記載しているほか、厚生労働省や愛知県のホームページにつなげて最新の情報提供をしております。他の予防接種と比較しても詳細に情報提供をしていると認識しておりますが、ホームページで分からないことにつきましては、電話やメールなどで相談に応じており、相談があった場合には、感染症認定看護師等がその方の状況をお聞きし、個別に相談に応じております。今後も市民の皆様の後遺症に対する不安を解消できるよう、引き続き情報提供に努めるとともに、丁寧な相談に努めてまいります。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 支援策についてもお伺いします。独自の支援策を実施していくことはなかなか難しいと感じますが、現状でも利用できる制度について紹介することは可能ではないかと思います。全ての人が利用できる制度ではありませんが、仕事や通勤が原因で感染した場合には労災保険を利用できる場合がありますし、健康保険の制度を利用して傷病手当金を受けることができる可能性もあります。また、重篤な症状が続いている場合には障害年金を受け取ることができる場合もあると考えられます。このような場合には、障害者手帳の取得について行政から支援をすることもできると思います。また、生活に困難を来している場合については、生活困窮者自立支援制度に頼ることも可能です。こうした既存の制度の活用を周知するだけでも十分ではないかもしれませんが、一定の支援にはなり得ると思います。市のホームページにおける情報提供については、以上のような支援の内容も追加していただければと思いますが、お考えをお聞かせください。
○青山義明議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 今、藤田議員から御披瀝がありましたとおり、新型コロナの後遺症の支援策につきましては、社会保障制度による支援として、個人の状況により労災保険、傷病手当金、障害年金の対象となるほか、生活にお困りの方には、生活困窮者自立支援制度において相談支援等がございます。
こうした情報は、後遺症に悩まれている方への一定の支援になり得ると考えておりますので、今後、市のホームページ等において分かりやすく紹介してまいりたいと思います。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ぜひお願いしたいと思います。新型コロナウイルス感染症の後遺症については、まだ現在進行形で、先の見えない長い対応、長い対策が求められていると思います。ぜひとも症状に苦しむ一人一人の市民の皆さんを取り残さず、見捨てることなく丁寧な対応をお願いしたいと思います。
次に、(3)ワクチンの定期接種についてお伺いします。
新型コロナウイルスのワクチンについては、本年の10月から定期接種が開始されています。これまでとは異なり、個人の重症化予防を主眼とした定期接種で、65歳以上の方もしくは60歳以上65歳未満の方で一定の疾患や障害を有する方が対象です。まず、ワクチン接種の現状についてお伺いします。10月の定期接種開始以降の対象者総数のうち、どのくらいの方がワクチン接種をされているかお知らせいただけますでしょうか。また、市内の医療機関では5種類のワクチンが使用されていると思いますが、どの種類がどのくらい使われているでしょうか。併せてお知らせいただければと思います。
○青山義明議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 10月1日から10月31日までの1か月間で、合計2,806人が接種しており、10月31日時点の接種率は11.8%となっております。
また、現在定期接種で使用するワクチンとして承認されているものは、ファイザー社の「コミナティ」、モデルナ社の「スパイスバックス」、第一三共社の「ダイチロナ」、武田薬品工業社の「ヌバキソビット」及びMeiji Seikaファルマ社の「コスタイベ」の5種類がございます。10月1か月間でワクチンの種類別の接種割合につきましては、ファイザー社のものが88%、第一三共社のものが全体の10%、武田薬品工業社のものが全体の2%となっており、モデルナ社とMeiji Seikaファルマ社のワクチンを接種した市民はございませんでした。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 新型コロナウイルスワクチンについて、特に副反応をめぐる問題については、さきの本年9月定例会においても問題提起をさせていただきました。その後、ホームページにおいて厚生労働省のQ&Aを掲載するだけでなく、大変丁寧な情報提供や説明、開設をしていただき大変分かりやすくなったと思います。ありがとうございました。しかしながらワクチン接種について引き続き不安の声が寄せられているということも事実です。とりわけmRNAワクチンのうちMeiji Seikaファルマ社の「コスタイベ筋注用」、いわゆるレプリコンワクチンについては非常に不安が大きいように感じており、私のところにも何人もの方々から不安の声が寄せられております。このワクチンについては、様々な情報が出ているところですが、厚生労働省のQ&Aを見ても、結局のところ「安全です」とか「問題ありません」といった内容しか書かれておらず、多面的・多角的な情報が得られません。説明自体はそれなりに詳しく書かれているのですが、不安を解消することにはつながっていないのではないかと感じています。市民の皆さんが感じていらっしゃる不安に応えることが必要ではないか。また、応えることができないかと思います。そこでお伺いします。
ワクチン接種に関する市民の不安や疑問に応えるために、現状はどのような相談体制となっているでしょうか。誰がどのように相談を受け付けているか。また、実際にどのような相談がどれぐらい寄せられているでしょうか。実績も併せてお知らせいただければと思います。
○青山義明議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 新型コロナワクチン接種は、昨年度までの特例臨時接種から、今年度はB類疾病の定期接種に位置づけが変わり、インフルエンザ予防接種と同じ位置づけになっております。相談体制につきましては、昨年度まではコールセンターを設け、市民からの相談に対応してまいりましたが、今年度からはコールセンターは廃止し、健康推進課の職員で対応しております。予防接種の担当者には、感染症認定看護師もおりますので、ワクチン接種に関する相談やワクチンの種類、起こり得る副反応についての説明なども専門的知見からしっかりと対応できるよう体制を確保しております。また、副反応を疑う症状の受診の相談については、愛知県新型コロナワクチン副反応相談窓口の連絡先を紹介しております。
どれくらいの相談があるかということですが、インフルエンザとの同時接種の可否や接種できるワクチンの種類などといった簡単な問合わせについてはカウントしておりませんが、相談件数としては、現状では1日に1、2件ほどで、その中には副反応を心配されて、「接種をしたほうがよいか」という相談も2件ございました。そのほか、「健康被害が発生している中で市が接種を実施することに対し疑問を持っている」という意見が文書で1件、「乳幼児が接種しやすい環境を整えるべきだ」とする意見が文書で1件、レプリコンワクチンへの危険性を主張する御意見が電話で2件、文書で4件ございました。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、ホームページを通じた情報提供についてもお伺いします。蒲郡市のホームページには「ワクチンで予防できる感染症とワクチンのメリット、デメリット、副反応の3つを理解と納得して予防接種を受けましょう」との記載がございます。しかしながら、先ほど御紹介したとおり、厚生労働省のQ&Aにおいては安全性が強調されるばかりで、実際のデメリットに関する情報提供が限られているのが現状ではないかと感じています。メリットや安全性だけでなく、デメリットや懸念も含めた情報提供が必要ではないでしょうか。
例えば、大阪府泉大津市のホームページにおいては、接種に関する手続的な情報に加えて、接種に努力義務はなく希望者のみであること。また、安全性等に懸念があることを明記しています。さらに副反応については新たなページを設けて、副反応として心筋炎や心膜炎の疑い事例があることだけでなく、これまでには明らかになっていない症状が出る可能性があるとまで明記しております。また、具体的に国内の副反応疑いの報告件数や重篤な副反応の数、死亡数についても詳しく書かれております。
なお、この数値に関する情報は泉大津市が独自で調査したものではなく、全て国の厚生科学審議会で報告された資料に基づいている内容です。例えば、ファイザーのワクチンを接種した方のうち、副反応疑いの報告頻度は0.01%です。これは1万人に1人という数ですが、これを多いと見るか少ないと見るか、それは人それぞれだと思いますが、まさにそれがワクチンを接種するか、しないかという1つの判断基準になると思います。接種を考えている人の判断に資する情報提供というのは、このような在り方を言うのではないかと思います。
蒲郡市においてもホームページを通じた情報提供の在り方については、私は見直す余地があるのではないかと思います。不安を感じている方の不安に応えるような内容、接種を待っていらっしゃる方の判断に資するような、役立つような情報を加える形でホームページの在り方を見直していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
○青山義明議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 今、藤田議員のほうから御紹介のありました泉大津市のホームページにつきましては、詳細に懸念事項が掲載されており、市長からのメッセージ動画や、国の審議会で発表された副反応の実績数など様々な心配事が掲載されていることは承知をしております。
本市のホームページにつきましても、ワクチンの効果や安全性のほか、ワクチン接種による重大な副反応としてショック、アナフィラキシー、心筋炎、心膜炎等が起こり得ることや、ワクチンの種類ごとの副反応症状の発現割合なども掲載しており、安全性を強調して周知しているという認識はございません。定期接種という位置づけの中、ワクチン接種を希望する方に安心安全に接種していただくよう不安の軽減に努めており、ホームページだけでは接種の判断ができない方につきましては、直接御連絡をいただければ対応しております。
今後も引き続き国からの情報を踏まえ、市民が接種を判断しやすい、分かりやすい情報発信に努めてまいります。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 新型コロナウイルスやワクチンの接種をめぐっては実に様々な情報が飛び交っているのが現状で、何が正しいのか分からないというまでの状況になってしまっているように私は感じております。接する情報の審議も含め大変判断が難しいと感じます。こうした中ですので、少しでも市民の皆様の役に立てるような体制づくり、情報提供をお願いしたいと思います。どうか御配慮をいただければと思います。この件については以上です。ありがとうございました。