◆藤田裕喜議員 では、議長の許可をいただきましたので、通告の順に従い一般質問をいたします。
初めに、1、市民病院についてお伺いします。
今回の質問の前提といたしまして、まず、私からの市民病院への期待について少しだけお話をさせていただきます。
私も、これまでの人生の中で何度となく市民病院にはお世話になってまいりました。それこそ小さいころには昔の市民病院に私自身がかかったこともありましたし、入院している同級生のお見舞いに行ったこともありました。新しい市民病院になってからも、あるときは足の大けがでお世話になりましたし、折に触れて入院している方のお見舞いに伺うこともありました。最近では必ず毎年、人間ドックでお世話になっています。
市民の皆さんの中には市民病院に日常的にかかっているという方もいらっしゃると思いますし、私のように機会があるときだけかかるという方もいらっしゃると思います。いつ行っても混み合っているという状況は昔から変わらないように思うのですが、それは、それだけ市民病院が蒲郡市民のよりどころになっているということの証左ではないかと思います。まさに市民病院が蒲郡市民の砦として市民の健康を守り、地域の医療を守っていく、そんな役割をきちんと果たすことができているからこそいつも混み合っているのではないかと、私は前向きに評価をしているところです。
そんな市民病院だからこそ、市民の皆さんにしっかりと信頼をしていただき、安心してかかっていただきたいですし、市民の皆さんにもその価値と重要性をきちんと御理解、御認識をいただき、正しく評価されるようになってもらいたいと思います。
そして、市民病院には、その期待と信頼にぜひとも応えていただきたいと思います。そのために大学との連携を深め、最善の医療を提供してもらいたいですし、最新のよい機器も導入していただきたい。また、市民病院で働いている全ての皆さんに安心して業務に集中していただきたいですし、そのための環境もしっかりと整えていただきたいと思います。
そして、やはり収益を上げることにもこだわってほしいと思います。そして、何よりこれからも末永く市民病院が蒲郡に残ってほしい。これまでも、これからも、市民病院が蒲郡市民のよりどころとして健康と医療を守る砦として存続してもらいたい、そう心から願っております。そんな市民病院が実現できるよう、私からの提案も含めて議論をさせていただきたいと思います。
まず、(1)経営強化プランについてお伺いします。
現在の蒲郡市民病院経営強化プランは、2022年度、令和4年度から2027年度、令和9年度までの経営計画として2023年、令和5年6月に策定されました。市民病院の経営について、網羅的にその課題と対応策が記述されています。
初めに、市民病院の基本的な方向性についてお伺いします。
蒲郡市民病院は、高度急性期の医療や三次救急を担う岡崎市民病院と豊橋市民病院が近くにあり、両者に挟まれているというだけでなく、蒲郡市民病院よりも規模も機能も充実している豊川市民病院とも近接しています。
こうした地理的条件の下、蒲郡市民病院はどのような病院を目指しているのか、どのような方向性を目指しているのか、改めてお伺いできればと思います。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 令和5年6月に策定した経営強化プランでは、当院の基本理念である「患者さんに対して最善の医療を行うこと」を第一に掲げ、持続可能な地域医療体制を確保することを目指しています。
また、急性期医療の充実を中核としたこれまでの取組の継続、新棟による更なる機能の拡充、地域の住民の生命を守るための機能の強化、大学等との連携強化や地域での機能分化、新たな環境変化に対応できる病院運営・経営のさらなる進化の5つの方向性を示しております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 経営強化プランには、ほかの急性期病院とは診療科や得意とする診療領域の相互補完を目指し機能分野や役割分担を進めていくとありますが、相互補完とは具体的にどのような意味でしょうか。また、機能分化や役割分担を進めていくというのは具体的にはどのような内容を指しているのでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 医療が、より専門的、細分化されている中で、全ての診療科を当院のみで提供することは現実的には困難でございます。病床の融通や人材を含めた資源の確保、効率的な活用で連携を図ることで相互に経営面での底上げを図り、医療圏における持続可能で質の高い、効率的で効果的な医療提供体制に貢献することを考えています。
具体例としては、三次医療機関である豊川市民病院の心臓血管外科の医師に当院で手術を実施していただいております。また、当院からも眼科などの医師が他院へ赴き、地域医療を全体で支えています。公立病院同士だけでなく、一次医療機関である開業医の先生方と機器の共同利用も含め機能分化や役割分担を進めております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 続いて具体的な内容についてお伺いしていきたいと思います。
まず、紹介率及び逆紹介率についてです。初めに、ここ3年間の紹介率と逆紹介率の推移についてお知らせいただけますでしょうか。
また、紹介率と逆紹介率を向上させていくために具体的にどのような取組を実施しているかお知らせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 開業医の先生方から当院に紹介いただく紹介率は、令和3年度が47.1%、4年度が47.8%、5年度が49.6%でした。当院から開業医の先生方に逆紹介する逆紹介率は、3年度が45.7%、4年度が41.2%、5年度が42.1%です。
紹介率・逆紹介率の向上への取組については、当院で新たに実施可能となった検査や治療といった当院の強みを開業医訪問や病院広報誌等で周知をしております。また、地域医療連携会議や連携交流会を開催し、開業医の先生方との顔の見える関係づくりに努めております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 紹介率と逆紹介率が高いということは、地域のかかりつけ医との連携、役割分担がよくできているということを意味していますので、これを向上させていくという大きな方針に私も異論はございませんが、紹介率と逆紹介率を向上させることによって何を目指していくのか、何のために紹介率と逆紹介率を向上させていくのかという点についてお伺いしたいと思います。
具体的には、紹介受診重点医療機関についてです。
現状、蒲郡市民病院は紹介受診重点医療機関としての基準、重点外来基準は満たしている状況にはありますが、紹介受診重点医療機関となる意向がないということで指定は受けていないという状況です。紹介受診重点医療機関になると紹介受診重点医療機関としての加算を取得することができますが、選定療養費として患者に特別な負担を強いることになりますし、それが受診控えにもつながりかねず、市民病院と市民との距離がますます大きくなる、ひいては市民病院の収益の状況にも悪影響を与えかねないのではないかと思われ、私は、大きな懸念を抱いております。
また、蒲郡市民病院は特定機能病院でもなければ地域医療支援病院でもないため、紹介受診重点医療機関となる必然性は、私は、ないと思います。紹介率と逆紹介率を向上させていくことは必要だと思いますが、これは何を目指していくための数字なのか。
また、経営強化プランにおいては紹介受診重点医療機関としての届出を検討するとありますが、お考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 外来機能の明確化や地域医療の連携強化により、患者さんの病状に合った医療を適切にいち早くつなげるためにも紹介率を向上していくことが重要だと考えております。このため、経営強化プラン作成時においても紹介受診重点医療機関の届出を検討するとしておりました。
紹介受診重点医療機関として届出を行うことで選定療養費として患者さんに特別な負担をお願いすることなりますが、検討を進める中で、制度の要件上、本市独自で行っている子ども医療費助成制度などの対象患者さんが受診された場合にも初診時選定療養費の負担が新たに発生することが分かりました。経済的な面や市民の受診に対する心理的な負担から受診控えにつながることが心配されたことや、市の施策の方向性等も考慮して、当院では紹介受診重点医療機関としての届出は行わないことを決定しております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 安心いたしました。続いて、病床稼働率についてお伺いいたします。
病床稼働率については、病棟ごとに異なっていると思いますが、まずは全体としての稼働率の数字の状況についてお伺いいたします。ここ5年の稼働率の推移についてお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 令和元年以降の病床稼働率は、令和元年度が81.6%、2年度が71.2%、3年度が73.1%、4年度が73.6%、5年度が76.5%、6年度は、1月末現在で77.6%です。途中、コロナ禍における病床の空床確保等もありましたが、382床ベースで70%以上を維持しております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 経営強化プランにおいては、病床稼働率は80%を超える水準を維持していくことが目標とされています。このプランでは新棟の建設が前提とされていますが、新棟が完成する前の年度においても80%を超えていくという計画になっています。すなわち新棟がなくても80%は超える見通しになっているということですが、その具体的な道筋についてどのように考えているかお伺いします。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 医師確保による各診療科の安定稼働、手術件数の増加、外来機能の強化といった、これまでの取組を継続し、急性期医療の充実を図ることで病床稼働率80%を超える水準を維持できる経営体制を目指すことが経営強化プランの方向性です。
これに加え、新棟建設に伴う既存棟を含めた病院の機能強化を図ることでさらなる病床稼働率の向上を図りながら収益性を高め、安定経営を目指していくものと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、経営強化プランの進捗状況の管理についてお伺いします。
経営強化プランに対する取組として、どのように進捗の管理をしているのか。例えば、いわゆるPDCAのサイクルの利用などしているのかどうか、状況をお聞かせいただければと思います。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 当院では、公認会計士より病院事業に関する会計指導、助言を随時受けております。また、平成24年度からは自治体病院の経営全般に関するコンサルタント業者とアドバイザリー業務契約を結んでおります。その他にも名古屋市立大学の現副理事長や元副理事長で現都市政策研究センター長にも月1回程度、経営全般の相談をさせていただいており、加えて名古屋市立大学病院の元看護部長や元薬剤部長、大学事務経験者にも定期的に訪問いただいています。
このように多職種から、随時、直面する課題について助言いただき、解決につなげております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 経営強化プランの後半には、プランの進行管理として、毎年、自己点検・評価を行うこと、評価については有識者や地域の関係機関なども参加すること、そして、自己点検・評価の結果をホームページで公表することとされております。
しかしながら、私が確認した範囲では、ホームページには経営強化プランの自己点検・評価について掲載されていないようです。これでは自己点検・評価をしているかどうかすら分からない状況です。どのような状況になっているかお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 契約しているコンサルタント業者とは、基本的には毎月1回、対面で経営状況を相談し助言を受けています。経営強化プランの策定につきましても支援をいただきましたので、医療業界全体の動きを念頭に当院の置かれている状況や課題について的確に把握していただいております。全てを詳細に報告することはできませんが、決算報告書という形で分析も含めて御覧をいただけるように、分かりづらい、探しづらいということですが、現状ではホームページ上でも公表をさせていただいております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。
次に、病院経営の根幹をなす診療報酬についてです。診療報酬は、2年に1回改定されており、直近では2024年、令和6年に改定があり、次回の改定は2026年、令和8年に行われるという状況になっています。蒲郡市民病院の収益の主体も保険診療ですので、診療報酬の改定内容に合わせて経営の方針や組織の体制などを見直していくべきであると思います。
例えば、後ほど触れる地域包括医療病棟の新設についても現在の経営強化プランには明記されていない内容です。確かに地域包括ケアシステムの構築に向けて果たす役割の中で似たような趣旨のことは述べられていますが、具体的に急性期の高齢者を受け入れて早期の退院を目指したリハビリテーション、栄養管理などの対応を進めていくとまでは述べられていません。この経営強化プランが策定された時点では地域包括医療病棟の加算は存在していなかったわけですので、当然に想定されていなかったと言えると思います。
プランに明記されていなくても迅速に対応できることは大変素晴らしいことですが、一方で、計画にないことを実行してもよいのかという問題も生ずるように感じられます。少なくともその内容についてはきちんと公表して、市民に知らせていくべきであると思います。
ちなみに、地域包括医療病棟については、まだ市民病院のホームページのどこにも記載がない状況です。2年に1回診療報酬が改定されることは決まっているわけですので、経営強化プランについても診療報酬の改定に合わせて、2年に1回の見直しを行うべきではないかと考えますが、お考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 病院の経営は、議員がおっしゃられるとおり診療報酬改定内容に合わせて柔軟に変革させていくものであります。しかしながら、経営強化プランは基本的には5年間を見通して安定経営を目指すこととして策定していますので、2年に1回の短期間で改定をする予定は今のところございません。
なお、地域包括医療病棟のことも含めて当院の様々な取組につきましては、病院のホームページ上でもできるだけお知らせしていくよう心がけたいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ぜひお願いしたいと思います。現在の経営強化プランは、全体を通じて新棟の建設を前提として機能強化を図っていくこととなっており、しかも、その新棟建設は2025年度、令和7年度には完了しているという前提となっています。しかしながら、後ほど触れるように、2025年度にはせいぜい実施設計ができるかどうかというペースですし、今後の入札や発注自体が順調に進むかどうかも分からない。経営強化プランの最終年度である2027年度、令和9年度までに新棟の建設が完了する見込みは極めて厳しいというよりも、まず不可能であろうと思われます。プランの全体に重大な変更が生じているという状況です。そうした状況ですから、新棟を前提とした経営強化プランを達成していくことも同時に不可能であると言え、必然的にこの経営強化プランそれ自体も見直さなければならないのではないかと思います。
総務省において公表されている持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドラインにおいても、経営強化プランに掲げた数値目標の達成が著しく困難である場合には抜本的な見直しも含め経営強化プランの改定を速やかに行うべきであると述べられています。現在の新棟建設の状況は、まさに経営強化プランに掲げた数値目標の達成が著しく困難である場合に該当すると私は考えます。経営強化プランの改定をすべきではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 新棟等整備を取り巻く状況の大きな変化を受けまして、その点では経営強化プランの見直しは必要であると認識をしております。新棟等建設及び既存棟改修の事業規模、スケジュール等の見直しの方向性が定まった段階で、収支計画、経営指標の見直しを進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 今後の経営計画についてお伺いします。
現在の経営強化プランは、さきにも御紹介したとおり2027年度、令和9年度までとなっていますが、これ以降の経営計画についてはどのようなお考えでしょうか。新たなプランを策定していくとすれば、そろそろ準備に取りかかるべきであると思います。現在の検討状況についてお伺いします。
また、新たな経営計画については2年に一度の見直しを行うべきだと思いますが、お考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 先ほどの答弁と重複をいたしますが、令和10年度からの経営計画につきましても新棟等建設及び既存棟改修の事業規模、スケジュール等の見直しの方向性が定まった後、医療を取り巻く環境の変化や医療需要等を考慮し、検討していくものと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。また定まりましたらぜひお知らせいただきたいと思います。
続いて、(2)医療と介護の連携についてお伺いします。特に高齢者の入退院に伴う介護施設との関わりについて、また、このたび新しく市民病院が届け出た地域医療包括病棟の現状を見ながらお伺いしていきたいと思います。
2024年の診療報酬改定によって新設された地域包括医療病棟は、増加する高齢者の救急搬送に対応することを手段として、急性期の患者を集中的に治療することに併せて、急性期を離脱した患者に対して早期の退院に向けたリハビリテーションや栄養管理の体制を提供することで、早期の在宅復帰、在宅医療、介護との連携を図っていくことを評価する基準です。
具体的には、施設基準において理学療法士や作業療法士、管理栄養士の配置が求められていること、平均在院日数が21日以内であること、また、在宅等に退院する割合が8割以上であることなどが定められています。
これは、単に入院を短期化することに目的があるのではなく、高齢者の入院が長期化することでADL、日常生活動作のレベルが低下し在宅復帰が遅くなることや、在宅復帰ができずに新規の施設の入所につながってしまうなど、要介護度の悪化を引き起こす要因となっていることから、入院を短期化すると同時に必要かつ十分なリハビリテーションや在宅復帰の支援体制を提供していくことに主眼があります。
蒲郡市民病院においても2024年11月に地域包括医療病棟の届出をされていると思います。まずは、この経緯と理由についてお伺いします。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 人生100年時代を迎え、万が一病気になっても住み慣れた地域でその人らしく生活できるように、患者さんの病状等を考慮して、適切な病床機能を活用し、治し、支える医療を提供することが重要と考えております。
そのため、急性期の医療・看護を提供しつつ、従来の急性期病棟よりも栄養指導及びリハビリテーション等を強化することができる病床機能は、高齢化が進む本市においても重要な機能であると考え、昨年6月から地域包括医療病棟の要件整理や病床運営のシミュレーションを行ってまいりました。
同時に病院の安定経営を視野に入れた適切な病棟編成についても検討し、地域包括ケア病棟1病棟を地域包括医療病棟に転換をしております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 地域包括医療病棟には、現状、どのような流れ、どのような経緯で患者さんが入院してきているかお知らせいただけますでしょうか。
また、介護施設から直接入院してこられる方がどのくらいいらっしゃるか、把握しているようであればお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 地域包括医療病棟の主な対象患者は、高齢者の方となります。病状としては、中等症以下の急性期疾患、治す医療に加え支える医療、リハビリを提供する方が入院されます。
地域包括医療病棟に入院する方の8割弱は自宅から、残りの2割強が介護保険施設やサービス付き高齢者住宅等の施設から入院をされています。
緩和ケアなどの予定入院、肺炎等の救急搬送による緊急入院など、入院する経緯は様々となっています。届出を開始した令和6年11月から令和7年1月までの実績では、新規入院患者211人のうち緊急搬送の患者数は76人、割合としては約36%となっております。
現在、当院は、急性期一般病棟入院料1、地域包括ケア病棟入院料2を届出しておりますので、施設基準に定められた重症度、医療・看護必要度などの基準や救急実績や在宅復帰率などを患者支援センターで常に把握しながら適切な病棟への入院をコントロールしております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 施設基準において要件とされている在宅等への退院について、実態をお伺いします。
在宅等への退院の「在宅等」には、自宅はもちろん、居住系の介護施設、介護老人保健施設、回復期リハビリテーション病棟と一部の有床診療所が含まれます。退院後の行き先について、それぞれの割合をお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 地域包括医療病棟における在宅復帰率は、直近6か月の値となります。施設基準としての届出をするための実績取り期間である令和6年8月から令和7年1月までの退院実績を御報告させていただきます。
自宅及び居住系の介護施設272人、介護老人保健施設のうち在宅強化型及び基本型8人、一部の有床診療所1人、回復期病棟1人であり、在宅復帰率は90.4%となっております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 今後も地域包括医療病棟を維持できる状況にあるのか、また、どのように基準を満たしていく考えなのかお伺いします。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 例年12月から2月は、インフルエンザの流行や脳梗塞、骨折などの患者さんが多くなり、稼働率が高くなる時期でございます。今年度は地域包括医療病棟を導入して初めての感染症流行時期を迎えましたが、医師をはじめ病院職員の病棟機能への理解もあり、適切な運用を保ちながら全ての病棟入院料の施設基準をクリアすることができてございます。
患者さんの重症度、医療・看護必要度や在宅復帰率の把握のために必要な情報はリアルタイムで把握できる体制が取れておりますので、引き続き地域包括医療病棟を維持してまいります。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、1棟となった地域包括ケア病棟についてですが、今後も地域包括ケア病棟を引き続き維持していく考えなのか、あるいは地域包括医療病棟を拡大していく、充実していく方向性なのか、お考えをお伺いします。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 地域包括ケア病棟は、急性期の治療を終えられ、住み慣れた在宅へ帰るための支援をする病棟でございます。心筋梗塞後などの心大血管障害など、ハイリスクかつ地域連携パス適応外となる患者さんなども多くいらっしゃる中で機能の継続が必要な病床と考えております。当院としては、地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟、それぞれ1病棟を維持していきたいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 さきにも御紹介したように地域包括医療病棟においては介護施設や回復期リハビリテーションとの連携が強く求められており、地元の施設、地元の病院と役割分担を進めていくことが今後一層必要になると考えられます。
その場合、現在の地域包括ケア病棟が担っている役割を必ずしも市民病院が担う必要がないことも考えられます。そうであるならば、地域包括ケア病棟を市民病院としては返上して、地域包括医療病棟を充実させていくということも選択肢に入ってくるのではないかと思います。その上で収益を向上させるための一つの方策として、今後、総合入院体制加算3の取得を目指してはどうでしょうか。
総合入院体制加算3を取得する場合には、地域包括ケア病棟入院料と地域包括ケア入院医療管理料の届出を行っていないことが要件となっていますが、先ほど述べたような機能分化と役割分担を進めていくことで対応ができるのではないかと思います。
また、ハイリスク患者をはじめ入院が長期にわたってしまうような患者への対応についても地域包括医療病棟の施設基準では平均在院日数が21日以内という制約があるもの、在院日数が90日を超えなければ算定が可能ですので、やはり地域包括ケア病棟でなくても対応が可能なのではないかと考えられます。
現状において総合入院体制加算3の施設基準をどの程度満たしているか、総合入院体制加算3を取得することはどのくらい現実的であるのか、また、総合入院体制加算3を取得した場合、収益はどの程度改善されるのかお示しいただけますでしょうか。
また、今後、地域包括ケア病棟を地域医療病棟に転換し、総合入院体制加算3の取得を目指す可能性はあるのかどうか、お考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 総合入院体制加算3を届出した場合、急性期病床の入院料に対しDPC係数が上がります。令和5年度の実績ベースで試算すると月平均400万円ほどの増収となります。
総合入院体制加算3の施設基準としては、全身麻酔の実績要件や二次医療機関などの要件は満たしております。しかしながら、精神科を標榜し入院できる施設であることや、精神科リエゾンチーム加算、または認知症ケア加算1の届出など、精神科要件を満たしておりません。精神科領域の医療体制の充実は、名古屋市立大学をはじめとする関係医局にもお願いをさせていただいておりますが、現時点で総合入院体制加算3の届出は難しいと考えております。
以上です。
◆藤田裕喜議員 続いて、(3)人材確保についてお伺いします。
高齢者の人口が今後も増加していくことを踏まえると、医療の需要も今よりも増大していくことが予想され、現状の医療の体制を維持していくだけでも多くの人材が必要となってくることは明らかです。医療・福祉の人材確保は喫緊の課題であるとともに、今後も継続し課題となってまいります。現時点での取組と今後の方策についてお伺いしていきたいと思います。
まず、医師の人材確保についてです。
人材確保の前提となるのが医療人材の長期的な推計です。現在の状況については、日本医師会の提供する地域医療情報システム、JMAPで確認をすることができます。JMAPによると、蒲郡市における人口10万人当たりの医師の数は216.29で、全国平均の306.88を大きく下回っています。この数値は、既に蒲郡市における医師数が十分ではないという状況を示していると考えることができます。
市民病院における医師の数、とりわけ必要とされる数については地域の医師の数と密接に関わっていますので、今後の蒲郡市において必要とされる医療人材の規模や数について長期推計をすることによって具体的に人材確保のための計画を立てることができるのではないかと考えます。医療人材の長期推計についてのお考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 医師数につきましては、地域の医療ニーズ、課題に応じた確保が必要であり、人数のみで図ることが難しいと考えております。本市において当院の医師数が占める割合は小さくないと思いますが、開業医の先生方の診療状況も考慮していく必要がありますので、現時点において市の医師数についての妥当性や長期推計を立てることは難しいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、市民病院における医師の体制についてお伺いします。
経営強化プランには、常勤医師60名体制の堅持、将来的には80名体制も見据え取り組むと明記されています。今年の4月には医師の先生方は75名になるという状況ですが、さらに増員していくことについて、具体的にどのように取り組んでいるのかお伺いします。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 議員の言われる常勤医師60名、将来的には80名体制とは、研修医を除いた数字であり、令和7年4月の研修医12名を除いた常勤医師数は63名を予定しております。
医師数の増加につきましては、大学医局とのつながり及び初期研修2年が終わった後の後期研修医への採用、医師紹介会社の活用等での増員を考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 続いて、現在の市民病院が医師にとって魅力的な職場となっているのか、市民病院に勤務する強い動機を持つことができる体制になっているのかをお伺いしていきたいと思います。
まず、蒲郡市民病院に勤務し、一定の実績を積むことによって、どのような専門医資格を取得することができるのか、現在の状況をお伺いします。
全部で19領域ある専門医の資格について、今後、内科専門医以外の領域において専門医資格の取得を目指すことができるようになるのか、その予定や見込みなどがあるかお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 現在、当院では内科専門医の資格のみ取得できます。今後につきましては、指導医や連携機関との協力が必要でありますが、他の領域につきましても研究してまいります。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、医師の負担について。特に夜間及び時間外の診療についてお伺いします。
厚生労働省が発表している病床機能報告によると、蒲郡市民病院では2020年度、令和4年度における夜間・時間外に受診した延べ患者数は6,946名、2023年度、令和5年度では5851名と、大変多くなっています。月によってばらつきはあるものの、毎月の平均では500名から600名の患者が夜間・時間外に受診しているという状況です。
夜間や時間外に受診ができるという体制は確かに重要ですが、一方で、現場を支える医師の負担は大変大きいものがあると言わざるを得ず、現場の医師の皆様から不満の声が出ているのではないかと懸念します。
また、市民の皆さんに対して市民病院の受診を抑制するよう呼び掛けたりすることは必ずしも好ましいとは思いませんが、しかし、現場の医師の負担を考えるのであれば、安易な受診を控え、適正な受診を促すことも場合によっては必要かもしれないと感じます。少なくとも夜間及び時間外の診療が大変な状況にある、厳しい状況にあるという現状は知っていただいてもよいのではないかと感じます。夜間及び時間外の診療について、また、市民の皆さんに対して現状を知っていただくことについて、お考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 市内唯一の二次医療機関である市民病院には、時間外・夜間にも多くの方が緊急だと思われる症状と判断され受診されています。なかなか自分で判断することは難しいため、「こども医療電話相談事業#8000」など、病院の受診について迷ったときの電話相談サービスなども周知させていただくなど、救急車、救急外来の適正な利用について周知をしてまいりたいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 必要な受診を抑制する結果にはつながってはいけないと思いますので、ぜひ上手な啓発を進めていただきたいと思います。
次に、医師事務作業補助者についてお伺いします。
医師事務作業補助者とは、医師の指示の下、診断書の文書作成補助、診療記録への代行入力、データ整理やカンファレンスのための準備など、医師の事務作業を補助する役割を担っています。勤務医の負担軽減を図ることが目的で、医師事務作業補助者を配置することは診療報酬上の加算の対象ともなっています。
そこでお伺いします。医師事務作業補助者の現在の採用状況をお知らせいただけますでしょうか。特に3年以上の勤務経験を有する医師事務作業補助者がどのくらいいるのか、併せてお知らせいただければと思います。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 現在、医師事務作業補助者は、会計年度任用職員12名、派遣職員1名の計13名を配置し、医師事務作業補助者体制加算1を届出しております。このうち3年以上当院での医師事務作業補助者としての勤務を有する者は、常勤換算で10.2名となってございます。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 今後も医師事務作業補助者の加算が取得できる体制を維持していくお考えか、また、その見込みはあるかお伺いします。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 当院の医師事務作業補助者は、医師からの信頼も厚く、外来診療をスムーズに展開する上でなくてはならない存在となっております。産休や育休などから復帰している職員も多くおり、医師からのニーズも高いため、引き続き加算が取れる体制を維持してまいりたいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、看護師の人材確保についてお伺いします。
まず、現状についてです。直近3年間の看護師の採用数と退職者数について、傾向も含めてそれぞれお知らせいただけますでしょうか。また、退職の要因や主な理由についても併せてお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 まず、助産師を含めた看護師等の採用数です。令和4年度が33名、5年度が26名、6年度が24名で、7年度は32名を採用する予定です。
また、退職者数は、4年度が31名、5年度が19名、6年度は2月1日現在で7名となっております。採用者数はばらつきがありますが、退職者数は減少傾向にあります。退職理由としては、結婚による引っ越し、他院への転職、病気などの理由を聞いております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 蒲郡市の経営強化プランには、看護師の確保について、人材補充が最優先事項であると延べられています。その方策の一つとして、医療機関とのコメディカルの相互派遣による特別交付税措置の活用が挙げられていますが、これはどのような仕組みになっているのか、また、蒲郡市民病院にはどのようなメリットがあるのかお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 限られた医師、看護師等の医療資源を地域全体で最大限活用するため、地域の基幹的な病院から医療従事者の確保が困難である過疎地域等に所在する、または救急医療を担う公立病院等に対する医師、看護師等の派遣に要する経費に対して特別交付税が措置されます。
現状、医師、看護師、技師等の派遣等に係る特別交付税措置を受けておりませんが、今後、新興感染症の感染拡大時に備え、連携体制の整備のためにこの財政措置を活用できるのではないかと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。
次に、看護師の資格についてお伺いしていきたいと思います。
現在では看護師にも専門看護師、認定看護師、特定行為看護師、また、認定看護管理者というように、様々な資格がございます。これをまずお伺いします。蒲郡市民病院にはこのような資格を有している看護師がそれぞれ何名いるかお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 専門看護師はおりませんが、認定看護師は10名、特定行為看護師は4名、認定看護管理者は2名おります。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 このうち認定看護師の専門分野についてお伺いします。
専門分野は、全部で19ありますが、どの分野の認定看護師がそれぞれ何名いるかお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 感染管理1名、救急看護2名、皮膚排せつケア1名、緩和ケア1名、認知症看護2名、摂食嚥下障害看護1名、脳卒中リハビリテーション1名、糖尿病看護1名です。
特定行為看護師は4名で、全員が認定看護師の有資格者となります。また、その他として診療看護師の資格を取得するために、1名、大学院に就学中でございます。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 これらの看護師の資格を得るため市民病院では支援や研修などを実施しているでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 認定看護師、特定行為看護師の取得につきましては、職務としての資格取得のため、給与や現地までの交通費に加え、授業料や住宅に係る費用についても公費で支給をしております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 資格を得た看護師に対して特別な手当や奨励金のような施策はあるでしょうか。資格を取得するに当たっての動機づけとなるような施策が何かあるべきではないかと思います。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 資格取得に係る費用につきましては公費で支給をしているため、資格取得後の特別な手当は現在のところ支給してございません。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 資格を有する看護師の存在は、診療報酬の算定に必要な場合はもちろんのこと、より質の高い医療体制を提供していくこと、医師の負担を減らしていくことにもつながっていきます。したがって、病院として資格取得の支援に取り組んでいくことも重要であると思います。今後も支援に取り組んでいくお考えがあるかお伺いします。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 他の病院の状況も参考にさせていただきながら、病院にとって必要な資格の取得につきましては、引き続き支援していきたいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 続いて、認定看護管理者についてもお伺いします。
認定看護管理者の資格を得るための支援について、どのような方策があるかお聞かせていただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 愛知県看護協会が実施する認定看護管理者研修を受講しております。認定看護管理者研修には3段階のレベルがあり、看護師経験や役職に応じてステップアップを図りながら受講しております。これらの受講料などは公費で支援をさせていただいております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 看護師の資格取得と同様、認定看護管理者の認定を取得するに当たっての動機づけとなるような施策があるべきではないかと思いますが、認定看護管理者の資格を得た看護師に対して特別な手当や奨励金のような施策はあるでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 認定看護師等と同様に特別な手当等は支給しておりませんが、今後、研究をしてまいりたいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ぜひお願いしたいと思います。
次に、看護補助者についてお伺いします。
看護補助者の現在の状況について、何名いるか、特に3年以上の勤務経験を有する看護補助者が何名いるか、また、介護福祉士の資格を有する看護補助者が何名いるかお伺いします。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 令和7年2月1日現在、看護補助者は36名、うち3年以上の経験を有する者は35名となっております。介護福祉士の資格を有する看護補助者の採用はございません。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 看護補助体制充実加算についてお伺いします。
3年以上の勤務経験を有する看護補助者が看護補助者の5割以上を占めている場合、また、介護福祉士の資格を有する看護補助者が直接患者に対して療養上の生活の世話を行う場合など、ほかにも施設基準は細かく定められていますが、市民病院において看護補助体制充実加算を取得しているかどうかお聞かせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 看護補助者に対する必要な研修を実施し、現在、急性期病棟では看護補助体制充実加算2を、地域包括医療病棟では看護補助体制充実加算3を届出しております。
地域包括ケア病棟につきましては、令和7年1月時点で看護補助者5名を配置していますが、病床稼働率が高く、人員配置の施設基準が満たせていないため、看護補助者配置加算の届出をしていない状況でございます。病棟看護師業務の負担軽減の観点から、人員体制が整い次第、届出していきたいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。
では、最後に(4)今後の方針についてお伺いします。
まず、新棟の建設についてです。
新棟の建設については、2022年、令和4年に機能強化基本計画が策定され、建設のための準備が進められてきました。しかしながら、二度にわたって公募型プロポーザルが不調となり、現状、大変難しい局面を迎えていると思います。
これまでコンストラクションマネジャーとともに準備を進めてきたところであったと思いますが、コンストラクションマネジャーがいるにもかかわらず公募型プロポーザルが不調となってしまった原因についてどのように考えているかお聞かせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 新棟等整備事業は、議員御説明のコンストラクションマネジャーの支援の下、公募型プロポーザルで施工予定者を選定し、進める計画としておりました。
一方、近年は、建設物価及び人件費の上昇による工事費の高騰、加えて、昨年4月からの働き方改革による時間外労働上限規制の適用もあり、人材不足がさらに深刻化し、建設の需給と供給のバランスが大きく崩れている状況となっています。
このたびの公募型プロポーザルにおいて、参加者がなく不調となった要因は、こうした建設業界を取り巻く、これまで経験のないほどの厳しい環境によるものであり、今後もこの状況はしばらく続くものと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 後から言うのは簡単な話かもしれないですが、私は、やはり総工事費の参考金額の設定が少し低かったのではないかと感じています。狭い敷地に既存棟を接続するという難しい建築物であることに加え、5階建てという規模、さらに昨今の建設需要の逼迫と人手不足、資材価格の高騰なども踏まえると、とても75億円で収まるような規模ではなく、100億円を超えて、120億円、150億円に達しても不思議ではないような、そんな規模の建築物ではなかったのかなというように思えてしまいます。
今後については、規模を縮小するというお話もありましたが、縮小してまで多額の費用をかけて3階建ての新棟を建設する意味があるのでしょうか。病院の機能強化が目的であったはずなので、やはり5階での建設にこだわっていくべきではないでしょうか。加えて、まだ先ですが、既存棟の建て替えも、10年先か20年先か分かりませんが、いずれ必要になってくることを踏まえて今回の新棟建設を考えるべきではないかと思います。建て替えも見越した新棟にしていくべきであると思います。
また、先ほども指摘したとおり、既に新棟の建設が予定どおり進んでいないという中で、新棟の建設が前提となっている経営強化プランの数字にこだわっていく必要があるのでしょうか。新棟の建設ができないことが分かっている時点で経営強化プランについても見直しの必要がありますし、新たな経営強化プランの中で二度も不調になってしまった現状を踏まえて新棟の建設を位置づけていくべきではないかと思います。新棟の今後について、また、新棟と経営強化プランの今後についてお考えをお聞かせいただければと思います。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 新棟につきましては、1階から3階までは病院機能の強化として外来の拡張や医局及び研修医室の整備等を図り、4階及び5階は新たな連携の創出の場、拠点として計画を進めてまいりました。
このたび新棟の規模を3階建てに計画の変更を検討していく中で新棟等整備の最大の目的である院内狭隘化の解消と病院機能の強化を図るため、1階から3階までの配置は原則基本設計に沿って進めていくことを考えています。
経営強化プランの今後につきましては、先ほどの答弁と重なりますが、新棟等整備の事業規模やスケジュール等の見直しの方向性がはっきりと定まった段階で収支計画、経営指標の見直しを進めてまいりたいと考えています。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、アドバイザーの活用についてお伺いします。
自治体病院は、地方公営企業法という枠組みの中で総務省が所管していますが、総務省と地方公共団体金融機構の共同事業として地方公共団体の経営財務マネジメント強化事業が実施されています。
具体的には、経営財務マネジメントの専門知識を有するアドバイザーを派遣するという事業で、水道や病院などの公営企業をはじめ地方公会計の整備や公共施設マネジメント、地方公共団体のDX、GXなど、様々な専門分野が挙げられています。
病院に関しては、公立病院の経営強化プランの改定や経営強化の取組が対象となっています。アドバイザーは、自治体に直接派遣され、個別の課題に対して具体的・専門的なアドバイスをしていただけるという内容です。アドバイザーの経費は地方公共団体金融機構が負担してくれるため、自治体の負担はありません。蒲郡市民病院においても、このアドバイザーをぜひとも活用すべきではないかと思います。お考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 当院では公立病院の経営という専門性の高い分野において幅広い知見を有し、長年に渡り当院の事情に精通した方々からの指導、支援等を受ける体制を有していることから、これまで地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業を活用することはありませんでしたが、今後、新たな課題解決に向けての知識やノウハウが必要になったときには、この事業の活用も検討していきたいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、地方公営企業法の全部適用についてお伺いします。
現状、蒲郡市民病院は地方公営企業法の財務規定のみを適用する一部適用ですが、自治体病院の中には地方公営企業法の全部適用に移行する病院が相次いでいるという現状があります。
蒲郡市民病院についても、これまでも全部適用については議論があったかと思います。経営強化プランにおいても、ほかの経営形態について研究していく旨が延べられています。私自身は、地方独立行政法人化することや指定管理者に任せることなどはよい選択肢だとは全く考えていませんが、地方公営企業法の全部適用についてはメリットやデメリットも含めて検討してもまだ結論が出せていないというところです。現状のように院長先生のほかに最高経営責任者、最高執行責任者を置いた一部適用のままでも問題はないのではないかと感じているところです。
市民病院における現在までの検討状況について、また、今後の方向性についてお知らせいただければと思います。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 経営形態につきましては、地方公営企業法の一部適用の継続を方針として示しており、現在の経営形態を早期に変更させるほどの課題が生じているとは認識をしていません。引き続き県内他医療機関の動向を参考にしながら研究をしてまいります。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、診療科の新設についてです。
経営強化プランにおいても、将来的には総合診療科、救急科の新設を目指すと明記されています。高齢者の多い市民病院においては、幅広い疾患に対応可能で、全人的な健康管理を担う総合診療科が求められているとも言えますし、総合診療科を通じて地域との連携も進めることができます。まさに時代の要請ではないかと私は感じます。
また、救急科についても、市民病院が救急医療を充実させていくことは市民の生命を守ることにまさに直結しますので、大変重要なことであると思います。救急科については、市民病院のホームページにおいても既に募集が出されております。それぞれの科について、医師の応募や問合せの状況、開設の見込みなど、現在の状況をお知らせいただければと思います。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 総合診療科や救急科医師からの応募や問合せはあるものの、条件が合わず、直接の採用にはこれまで至っておりません。総合診療科につきましては、現在の医師で対応可能な範囲での開設の準備を進めているところです。救急科につきましては、大学医局に相談しながら将来の開設を目指してまいります。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、小児科について、今後の方針をお伺いします。
小児科については、現状、小児入院医療管理料4の加算を届け出ており、4名の小児科医が常勤していると思います。しかし、小児科医の常勤が5名以上となると小児入院管理料は3の届出ができ、診療報酬の点数も上がります。今後、小児科医を増やしていくお考えがあるのかどうか、その可能性があるのかどうかお伺いします。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 小児科医につきましても、大学医局への相談や紹介会社を通じてさらなる採用を目指しております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、職員の体制についてお伺いします。
まず、病院全体での直近3年間の採用数と退職者数についてお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 まず、病院全体の採用者数ですが、令和4年度が63名、5年度が50名、6年度は46名です。
退職者数は、4年度が55名、5年度が39名、今年度は2月1日現在で12名であります。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、市役所の職員定数計画との関係についてお伺いします。
診療報酬の体系は、公務員の職員定数計画とは大きく性格が異なっており、病院の体制を強化すること、すなわち医師や看護師をはじめとする人員を採用し、増やしていくことで、病院としての体制を充実させていくと様々な加算を届け出ることができるようになっています。そして、それが結果として病院の収益が上がることにつながっていくという構造になっています。
また、患者の側からも、人員体制が充実しているしっかりした病院にかかりたいと考えて、そうした体制がしっかりしている病院に患者が集まるというようになっていきます。
このことは、総務省が開催した地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会の報告書においても、病院事業の場合、人的投資の増で収益の増を得られる場合があり、必ずしも職員数の削減が妥当ではないとして指摘されている内容です。
こうした指摘を踏まえた上で今後の職員体制に関する考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 令和6年4月1日に本格運用が始まった医師の時間外労働上限規制への対応のため、多職種によるタスクシフト・タスクシェア、診療報酬改定への対応など、人員を確保する必要があり、今議会でも上程させていただいていますとおり市民病院の職員定数を480人から517人に改正させていただく予定でございます。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 もう1点、人材育成についてもお伺いいたします。特に病院の事務業務に関わる人材の育成についてお伺いします。
市民病院の事務局職員には、いわゆる本庁から異動してくる職員と市民病院に採用されたプロパーの職員の方と2種類いらっしゃると思います。まず、現状の人数について、それぞれ何名いらっしゃるかお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 事務職29名のうち本庁採用職員は17名、プロパー職員は12名でございます。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 病院の事務は、医療従事者ではない事務職員にとっても専門性が大変高く、難しい業務であると思います。そうした中、現在、医事事務の事務職員を募集されていると思います。これは、先ほどの区別でいうと正規のプロパー職員の募集という理解でよいか、会計年度任用職員ではなく、終身の雇用が前提とされているということでよいか、また、年齢制限を設けている理由についてお知らせいただけますでしょうか。併せて、応募や問合せがあったのかどうか、採用の見込みについてもお知らせいただければと思います。
◎中神典秀市民病院事務局長 医事事務につきましてはプロパー採用であります。雇用形態につきましては、常勤、会計年度任用職員、両方で現在も従事しており、募集も同様でございます。
年齢制限につきましては、現在の職員構成を加味しています。直近の応募は複数名あり、今後も計画的に採用してまいりたいと考えております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 医事事務の業務については大変専門性が高いですし、病院の経営にも大きな影響があると思いますので、外部に頼ることなく、内部でしっかりと育成していくことを今後もお願いしたいと思います。
最後に、市民との対話の機会についてお伺いします。
私たち議員のところにも市民病院に対する様々な御意見が寄せられます。その多くは苦情や不満に類するもので、例えば具体的には、「待ち時間が長い」、「診療日が限られている」、「リウマチや神経内科などの蒲郡では診てくれない病気があって困っている」などといった内容が多くを占めています。
しかし、中には必ずしも最近の市民病院の状況を踏まえていない昔のイメージ、以前の市民病院のままであるという思い込みによっていまだに不満を口にしているという方もいらっしゃいます。その代表は、「医師の数が少な過ぎる」、「質が悪い」、「出産を受け付けていない」といった内容で、いまだにこうしたことを言う人がいるんだなという印象です。
また、大変残念なことですが、名古屋市立大学との寄附講座の締結について、「知らない」という方も依然として多くいらっしゃいます。
蒲郡市の市民病院なのに、市民の皆さんに正しく理解されていない。それどころか、誤解されたままの状態が長く続いてしまっているという現状は、大変残念であると思います。身近に素晴らしい病院があるのにわざわざ市外に出掛けてしまっているという方も少なくないのではないかとすら感じられます。そして、その要因は市民病院と市民の皆さんとの接点が限られているからではないか、だからこそ情報が古いままになってしまい、このような苦情につながってしまっているのではないかと思います。
そこで、市民病院と市民との対話の機会の現状についてお伺いします。
まず、現状はどのような機会があるのかお知らせいただけますでしょうか。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 市民病院の地域での活動としましては、当院の医師をはじめとした職員が地域に出向き、当院の概要や提供している医療の内容及び病気の説明をする出前講座を開催しております。メニューとしては、市民向けで「脳卒中の治療と予防」、「お薬なんでも相談」など44メニュー、施設・事業者向けで「一時救命処置法」、「緩和ケアとは」など28メニューございます。用意されたメニュー以外にも御希望に応じて可能な範囲で出前講座を開催しています。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 私も幾つか市民病院の出前講座に参加させていただきましたが、いずれも一方通行であったというか、病院からの情報提供の機会となっていたように感じられ、必ずしも市民の皆さんとコミュニケーションを図るという機会にはなっていなかったように感じています。
少人数でもいいので市民との懇話会のような場を定期的に設けて、病院の現状や体制を知っていただくような取組が必要ではないかと思います。お考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 懇話会と言えるかは分かりませんが、現在の出前講座を基本として、少人数での開催を希望されることがあれば積極的に応じることができると思います。その内容につきましても、できる限り御要望にお応えしたいと思っております。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 現状の出前講座のメニューには健康に関するお話しかありませんが、これに市民病院の最新情報や最近の取組などを紹介するような講座を新たに追加してもよいのではないかと思います。お考えをお聞かせください。
○鈴木将浩副議長 市民病院事務局長。
◎中神典秀市民病院事務局長 議員御提案の新たな講座開設につきましては、市民病院の最新の情報や取組を紹介し、当院をより身近に感じ、評価していただくことは必要であると思います。今後、新たな講座メニューにつきましても検討してまいります。
以上です。
○鈴木将浩副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 冒頭にも申し上げましたとおり、市民病院の中を充実させていくということは、もちろん重要で必要なことですが、市民病院にかかっている皆さんはもちろん、普段からあまり接する機会がないという方々にも市民病院のことを正しく御理解いただき、しっかりと信頼をしていただくことが必要であると思います。市民の皆さんと直接対話する機会というのは、設営も運営も大変で簡単なことではないと思いますが、対話の機会、コミュニケーションの機会を通じてこそ市民の皆さんに蒲郡市に市民病院があることの価値と重要性をきちんと御認識をいただけるのではないかと思います。ぜひとも御検討をいただきたいと思います。
これからも蒲郡の市民病院が市民から必要とされ、その期待に応えられるようになること、末永く存続していくことを改めて期待して、この項目を終えたいと思います。ありがとうございました。