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市の基金の運用について(2022年9月・決算委員会)

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◆藤田裕喜委員 それではお願いします。33ページ、一般会計歳入の18款財産収入、1項財産運用収入の2目利子及び配当金のうち、1節の積立金利子収入6,323万3,598円についてお伺いします。いわゆる基金の運用益についてです。
 まず、運用の状況についてお伺いします。どのようなポートフォリオで資金運用をされているでしょうか。

○尾崎広道委員長 会計室長。

◎西浦実都伸会計室長 現在は、おおむね債券が6、定期預金が3、普通預金を1というポートフォリオにて運用しております。
 以上です。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 では、6割を占める債券による運用についてお伺いします。具体的にはどのような種類の債券かお知らせいただけますでしょうか。

○尾崎広道委員長 会計室長。

◎西浦実都伸会計室長 運用している債券ということですけれども、基本的には、いわゆる投資適格とされている債券はBBB以上というように言われています。ですが、蒲郡ではA以上のものを購入しておりまして、具体的なものでいきますと、国債、地方債、国立大学債、JFM債、財投機関債、一般担保付の社債を購入しております。
 以上です。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 株式や投資信託による運用はないということでよいでしょうか。

○尾崎広道委員長 会計室長。

◎西浦実都伸会計室長 委員のおっしゃるとおりでございまして、いわゆる公金については地方自治法におきまして確実かつ効率的に運用するということが原則で定められております。そのため、元本が毀損する可能性があるような商品というのは購入することができません。近隣とか県内など、地方公共団体もそうなのですが、株式であるとか投資信託といったものを運用として購入している市町村は今のところありません。
 蒲郡市におきましても要綱で定められているのは、各種預金のほかに債券の購入までとなっております。
 以上です。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 では、定期預金と普通預金をポートフォリオに加えている理由は何でしょうか。

○尾崎広道委員長 会計室長。

◎西浦実都伸会計室長 まず、債券と定期預金、普通預金の性質の違いから御説明いたしますと、債券は、やはり三つの中で一番利率が高く、中途解約しなければ、満期まで持っていれば必ず毎年決まった利息をもらうことができます。ただし、途中でもし売却してしまいますと、そのときの時価になりますので元本を毀損してしまう可能性が高くなります。
 次に、定期預金ですけれども、債券よりは利息は低くなるのですけれども、例えば途中で解約しても、利息は減額されますが、元本は保証されております。これが定期預金のメリットということになります。
 次に、普通預金といいますと定期預金よりも当然利率はかなり低くなりまして、あまり多くはポートフォリオに加えておく必要はないと考えております。ただ、急遽基金で取崩しが行われた場合に定期預金を中途解約しないでそのまま運用できるために、最小限の現金を普通預金にて保有しております。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 次に、資金の運用に関する情報収集についてですが、どなたかにアドバイザーをお願いしたり、助言を求めたり、あるいは有料の情報提供サービスを利用したりするなど、何かされているでしょうか。

○尾崎広道委員長 会計室長。

◎西浦実都伸会計室長 情報ということですけれども、毎朝、複数の証券会社と直接電話をして、当日の相場とアドバイス、どのように動くのかといった情報は得ております。
 あと、証券会社によって当然意見は異なりますので、そこら辺は複数を参考につつ、運用に生かしております。当初は、1社、N社に限定して証券会社からアドバイスをもらって債券購入をしていたのですけれども、非常に効率が悪いということが分かってきまして、その理由としましては、まず、希望する債券を、例えばその証券会社に限定すると1億までしか買えないものだったりとか抽選でしか買えない商品というのがあったりします。
 二つ目に、通常はリバランスといいまして、なるべく利率を高く年数を短くしていくのですけれども、それを行う際に一つの証券会社の在庫の中でしか運用ができないということ。三つ目に、結局証券会社というのは自分のところの債券の保有率を減らしたくないので、下げないようなリバランスしか基本的には推奨してきませんのであまり効率がよくないということ。あと、同じ債券であっても複数社で見積合わせをすると価格に上下が出てきますので、そこら辺は競合させたほうが有利であるということ。以上の四つから、現在は七つの証券会社で債券の購入をしております。
 アドバイザー契約ということなのですけれども、以前、証券会社のほうから提案がなされたこともありました。しかし、今の理由で実際効率的ではないということが分かりましたので、実際には提案を採用いたしませんでした。
 参考までに各市に問い合わせたところ、やっているところが特になかったものですから、特に今のところはいいのかなと。ただ、今後、債券管理に特化した、何かそういった確実に運用益の上げられるようなシステムというか事例等がもしあれば検討はしていきたいと考えております。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 今、管理運用を専門として確実に運用益が上げられる会社などがあれば検討したいというお話がございました。どこまで債券を専門にしているかというのは詳しく聞いてみないとちょっと難しいところだとは思いますが、アセットマネジメントあるいは投資顧問といったような会社の中から検討するのであれば、大手の大きいところから中小まで様々なレベル、また、幾つか様々な専門があるかと思います。コストは多少かかると思いますけれども、それを上回る収益を上げることができると思いますし、より確実な運用に向けて特に証券会社とはまた違った立場からアドバイスを頂けると思いますので、ぜひこれは検討をしていただければと思います。
 続いて、資金運用の方針についてお伺いします。運用に当たって定められている方針などはあるでしょうか。あるのであれば公開されているかどうかもお知らせいただければと思います。

○尾崎広道委員長 会計室長。

◎西浦実都伸会計室長 方針等ということなのですが、蒲郡市の資金管理及び運用要綱において定められております。これについてはフォーラム等には掲載しておりますが、これとはまた別に、実際の運用につきましてはもう少し細かく蒲郡市資金管理運用指針にて定めております。ただ、現在はホームページには公開しておりませんので、必要であると判断すれば公開するようにいたします。
 以上です。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 要綱及び指針が定められているということですが、公金の運用に関わることですから透明性の確保というのは非常に重要だと思います。公開することもぜひ検討していただきたいと思います。
 今後の資金運用についてお伺いします。先ほどもお話がございましたが、確実性と効率性というのは相互にトレードオフの関係にあるということで、より分かりやすく言えば、高いリターンを得るためには相応のリスクが生じるということも理解しなければならないと思います。その上で、どのような方針かお聞かせいただければと思います。

○尾崎広道委員長 会計室長。

◎西浦実都伸会計室長 先ほど問いの3番のほうでもお答えしたのですけれども、公金ということですので、やはり確実で安全であるということが大前提でして、その上で効率的に運用するのが当然のことであると考えております。したがいまして、元本が毀損するようなリスクを負ってまで運用する必要はないのかなと考えております。
 以上です。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 分かりました。私も全くそのように考えております。地方自治法の241条第2項には「基金に関して確実かつ効率的に運用しなければならない」とあり、また、地方財政法4条の3の第3項には積立金について「確実な方法により運用しなければならない」とあります。両者それぞれを踏まえると、安全性、確実性のほうが優先されていると解釈することができます。したがって、運用益を増やすためにもっともっと積極運用をしてもらいたいと言うつもりはなく、安全性、確実性を担保しながら運用益を最大化していく、さらなる運用利回りの向上を目指していくといった方向で考えていただきたいと思っております。両立することは、私は、十分に可能であると考えております。
 蒲郡市の資金の運用については、現状でもかなり進んでいるというか、先進的とまで言えるかは分かりませんが、近隣の自治体あるいは県内の自治体の中でもかなり先を行っているのではないかと感じております。今後の取組についても期待したいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

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