何をしているの?

井戸掘り助成金について(2022年9月・決算委員会)

  • LINEで送る

◆藤田裕喜委員 それではお伺いします。67ページ、一般会計歳出2款総務費、1項総務管理費、11目諸費のうち4の渇水に強いまちづくり事業費51万3,273円についてお伺いします。主要施策の成果に関する報告書39ページにも記載がございます。
 まず、本事業費の内訳についてお伺いします。

○尾崎広道委員長 行政課長。

◎肥田道雄行政課長 渇水に強いまちづくり事業費51万3,273円の内訳でございますが、雨水利用簡易貯水槽購入費助成金が6万8,400円、中央小学校、薮田公園に設置しております給水所のポンプ運転電気料が34万8,873円、井戸水水質検査手数料9万6,000円でございます。また、本事業費内に予算を計上しております井戸掘り事業助成金につきましては、交付実績はありませんでした。
 以上でございます。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 分かりました。今回は特にその井戸掘り事業助成金についてお伺いしたいと思います。主要施策の成果に関する報告書によりますと、先ほどもお話がありましたとおり、令和3年度の実績はゼロ件となっております。本事業は平成7年度から開始されていると思いますが、これまでの実績についてお知らせいただけますでしょうか。

○尾崎広道委員長 行政課長。

◎肥田道雄行政課長 井戸掘り事業助成金につきましては、平成7年4月1日に制度を創設し、これまでに33件の交付実績がございます。平成21年度までに30件の実績があり、その後、平成25年度、平成26年度、平成30年度に1件ずつ助成しております。実は昨年度1件申請がございましたが、水が出なかったため助成には至らなかったということでございます。
 以上です。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 本事業における助成額は6万5,000円となっております。この金額についてですが、何か根拠があるでしょうか。また、井戸掘りや設備の費用に要した金額に関わらず、一律で6万5,000円という理解でよいでしょうか。

○尾崎広道委員長 行政課長。

◎肥田道雄行政課長 こちらですが、工事費用の一部を定額で助成するということで、元の趣旨をそのように定めておりまして、1件につき6万5,000円の予算を計上しているものでございます。
 以上です。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 本事業が開始された平成7年、私は中学1年生でした。その頃、水不足や渇水、節水、断水という言葉を大変よく耳にしたと記憶しておりまして、学校でもよく話題になって、大きな問題になったということを覚えております。また、実際に夜間の断水があったということも記憶しております。その頃に自己水源の確保という目的のもと本事業が開始されたものと思いますし、当時としては課題に適合していた、時宜にかなったニーズのある合理的な解決策であったのではないかと感じます。
 しかしながら、先ほど実績の中でも御答弁をいただきましたが、ここ10年で3件ほどしか実績がなく、現在においては施策として有効なのか疑問を感じざるを得ません。水不足については、話題になることはよくあると感じていますが、しかしその解決策として、井戸を新しく掘るということは少なくなっているのではないか。減ってきているのではないかと思います。たまたま私も知り合いから井戸を掘ることについて相談を受けたということがございます。家を新築する予定だが、井戸を掘って家で使いたいと考えているというお話でした。この方の新築する土地の隣の家でも井戸を使っているので、自分の土地でも井戸水が出るのではないかというお話でした。しかし、いろいろと専門の方に確認すると、これがなかなか難しいということが分かりました。
 まず、井戸水は掘ってみないと水が出るかどうか分からない。隣地で出ていても同じように出るとは限らないし、水が出たとしても検査が必要で、それが使えるかどうか。例えば、飲めるかどうかは分からないし、水の成分によってはポンプだけでなく、追加の機械が必要になる場合もある。また、出た井戸水や洗濯機やお風呂、トイレに使えるかどうか、また、その他の家電製品に使えるかどうかは不明である上、井戸水を使うとした場合、メーカー保証の対象外になってしまう可能性もある。さらに将来にわたって井戸水が出続けるかどうかも分からない。そして井戸の深さや規模にもよりますが、どんなに少なく見積もっても数十万円はかかると思ったほうがいいと、大まかにはこういう話でした。掘っても出るか分からないし、出ても使えるかどうか分からないという状況である上に、かなりの投資になるので、そう簡単に決断できるものではないというように感じました。
 一定の世代以上の人にとっては、井戸水は恐らく身近で、多くの御家庭にも井戸があり、井戸水を日常的に使っていたと思います。私自身にとっても井戸水は身近ですが、今述べたような様々な難点を踏まえると、自分でも新しく井戸を掘って井戸水を使いたいとまで思えないのではないかというのが正直なところです。
 また、先ほど助成金額の根拠についてもお伺いしましたが、6万5,000円の補助では井戸を掘るという決断の後押しには到底ならないのではないかと感じます。実際に助成金の実績も少ないですし、私としては、この助成金については、もう役割を終えたのではないかと思っています。確かに25年前の当時はニーズもあったし、課題にも適合していたと思いますし、この助成金が不要だったとまでは思いません。しかし、時代は変化したのではないか。また、現状においては必要性が薄くなってきているのではないかと思います。この制度にかける人員と時間、お金があるならば、もっと別のことに使ったほうがよいのではないかと思います。お考えをお聞かせいただければと思います。

○尾崎広道委員長 行政課長。

◎肥田道雄行政課長 ただいま、御指摘をいろいろありがとうございます。この井戸掘り事業助成金ですが、水道用水の低減化及び渇水時または非常変災時における井戸水の弾力的な利用を図るため、その工事費用の一部を助成しているといった制度でございます。今、御指摘いただいたとおり、近年は交付実績がない年もありますし、近年減少傾向にあるといった状況にはございますけれども、こういった不測の事態に備えて制度を継続していくことも必要ではないかというようにも考えております。しかしながら、助成金としての効果検証というものは絶えず行っていく必要があるというように認識しております。ただいま御意見をいただいた部分を踏まえつつ、今後も検証してまいりたいというように考えております。
 以上です。

○尾崎広道委員長 藤田裕喜委員。

◆藤田裕喜委員 ありがとうございます。ぜひ検証、御検討をお願いできればと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

  • LINEで送る