◆藤田裕喜委員 続きまして、97ページ、一般会計歳出4款衛生費、1項1項2子育て世代包括支援センター事業費の(7)妊産婦等タクシー利用助成事業費34万3,160円についてお伺いします。本事業費については、令和5年3月の予算委員会にて質疑をいたしましたが、本日はその成果について主にお伺いしたいと思います。
まず、本事業費の内訳についてお伺いします。
○来本健作委員長 子育て支援課長。
◎高橋晃子育て支援課長 妊産婦等タクシー利用助成事業費は妊産婦等の移動に伴う心身の負担を軽減し、外出意欲を高めることにより孤立予防を図ること及び移動に伴う経済的負担を軽減することを目的に令和5年度から開始をいたしました。
34万3,160円の内訳としましては、タクシー会社などへの助成金が11万8,660円、これはタクシーチケットの使用代金と市外の医療機関受診時に利用したタクシー料金の助成金になります。それからタクシーチケットの印刷製本費が13万7,500円、そのほかにタクシー会社運転手に対する講習会の講師料や郵送費が8万7,000円でございます。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 次に、実績についてお伺いします。実際にタクシーの利用があったのは何件だったでしょうか。
○来本健作委員長 子育て支援課長。
◎高橋晃子育て支援課長 この事業では令和5年4月1日以降に母子健康手帳を交付した妊婦に対しまして1枚500円のタクシーチケットを10枚と、陣痛時に無料でタクシーを利用できるチケットを配布しております。チケットの有効期限は、出産予定日の2年後の月末までとなっております。
また、医師の判断で市外医療機関で出産する場合などでは、タクシー1回の利用につき上限5,000円の助成も行っております。タクシーチケットの利用実績でございますが、昨年度は年間42人が203枚のチケットを利用いたしました。利用目的としては、妊産婦健診で利用する方が多く、次いで買い物や病院受診が多かったです。陣痛時のタクシーチケットは97人が申請して、実際に2人が利用をいたしました。また、市外医療機関等利用時のタクシー利用助成は5人が申請をし、1人が利用しております。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 本事業の予算は187万円ほどであったと思うのですが、決算額としては34万円でした。差額が150万円近く生じているのですが、これはどのような理由や背景があるでしょうか。周知が足りなかったということはないでしょうか。
○来本健作委員長 子育て支援課長。
◎高橋晃子育て支援課長 この事業は令和5年度から開始した事業で、予算を計上するに当たりましては、妊娠届出時の情報で身近に支援者がいない方や里帰り出産をしない方、市外医療機関で出産する方が産後ケアを利用する可能性なども見込み予算を計上しました。4月以降に母子健康手帳を交付した方にチケットの配布を行い、その際に利用方法についても説明をさせていただいております。6月まではチケットの利用者はいませんでしたが、7月から月10枚前後の利用があり、令和6年2月には月40枚ほどの利用と、徐々に増加をしております。対象者には全員チケットを配布させていただいておりますが、「産後に取っておきたい」とか、「困ったときに使いたい」との声も聞いておりますので、利用者の出足がやや鈍かったのではないかというように考えております。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 次に、不安の解消についてお伺いします。この事業については2種類の不安があると感じております。まず、タクシー運転手の方々には妊娠や出産が身近でないという方が多くいらっしゃると思われ、いざというときにどうしたらいいか分からないという状況になってしまわないかという不安がまず考えられます。そしてもう一つの不安は、一方の妊産婦の皆さんの立場からの不安ですが、妊娠や出産が身近でないであろうタクシー運転手のような方々に、いざというときの移動を任せても大丈夫なのか、何かあったらどうするのかという不安も考えられるというところです。この両者の不安の解消のために、タクシー会社の運転手向けに研修を実施するということになっていたと思います。この研修の実施状況について、お知らせいただけますでしょうか。また、利用する妊産婦の方々には、こうした不安に対してどのように説明しているか、併せてお知らせいただければと思います。
○来本健作委員長 子育て支援課長。
◎高橋晃子育て支援課長 タクシーの運転手が妊娠や陣痛及び出産について知識を持っていただくことで安心して妊産婦を乗せていただけるよう、昨年度、タクシー運転手を対象に講習会を実施しております。また、講習会に参加できなかった運転手につきましては、講習会の内容を録画したDVDを配布し見ていただいております。事業が始まる前は、運転手から「妊産婦が乗車中に何かあっても対応できない」という不安の声もございましたが、講習会後については不安の声はありません。
また、陣痛時にタクシーを利用する可能性がある方は、事前にこども家庭センターに御連絡をいただき、タクシー会社に利用登録をしていただいております。これは妊婦さんやタクシー運転手が安心安全に利用できるよう、保健師や助産師が本人の状況や御希望、タクシー利用時のお子さんの預かり先への経由の有無などをお聞きし、タクシー会社へ連絡するようにしております。本人へは利用時の注意点なども御説明し、安心して出産に向き合えるよう御相談に応じております。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 利用者の方からトラブルや不満、改善点の提案など、何か御意見などはあったでしょうか。把握している内容がありましたらお知らせいただきたいと思います。
○来本健作委員長 子育て支援課長。
◎高橋晃子育て支援課長 妊産婦タクシーチケットの利用者からのトラブルや不満の声といたしましては、3つございました。1つ目は運転手の認識不足という点です。新しく運転手になった方へ事業の周知が徹底されず、利用者が運転手へチケットを提示したところ、理解してもらうのに時間がかかったということがございました。これは利用者からの連絡後、すぐにタクシー会社へ連絡し、事業の周知徹底に努めていただきました。
2つ目としましては、チケットの利用方法になります。チケットはタクシー1回の利用で何枚でも使用することができるのですが、1枚ずつしか利用できないと思い不便だということを言われたこともございます。
3つ目としましては、チケットをほかの妊婦に譲渡したと思われる件もございました。2点目と3点目につきましては、チケットを渡すときの説明の周知徹底と、今後新たにチケットを作成時には、チケットに利用時の注意点を明記して利用者が使用方法を理解した上で正しく使用していただけるよう改善をしていきたいというように思います。
今後は妊産婦さんにチケットをより有効に利用していただけるよう利用者への周知徹底、それからタクシー会社との連携に努めてまいりたいと思います。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 今後についてお伺いします。御説明をお伺いするところでは、おおむね期待どおり、想定どおりの利用であったというところだと思いますが、タクシーチケットの有効期限が出産予定日から2年後までとなっている点を踏まえると、今後さらに利用が増加していく可能性があるのかなと感じております。現時点までの利用状況と今後の見込みについてお知らせいただければと思います。
○来本健作委員長 子育て支援課長。
◎高橋晃子育て支援課長 本年度の利用回数でございますが、現時点で既に昨年度1年分と同じぐらいの利用をいただいております。令和5年4月から妊婦へタクシーチケットを配布した事業のため、これまでは妊娠中の方の利用が多かったですが、今後は産後に利用する方も多くなってくるのではないかというように考えております。
妊産婦は検診時などで医療機関へ行く期間も多いため、この事業は移動手段のない妊産婦が安心して出産に臨む体制の整備につながっていくと考えております。今後もこの事業を活用していただくよう周知に努めてまいります。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 大変重要ですばらしい事業であると思いますので、ぜひ関わる皆様が安心して利用できるよう丁寧な周知、説明に努めていただきたいと思います。この件については以上です。ありがとうございました。