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市民病院における産婦人科について(2025年3月・予算委員会)

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◆藤田裕喜委員 それでは、おはようございます。順次お伺いしてまいりたいと思います。
 予算説明書の398ページ、病院事業会計の収益的収入の1款1項1目の入院収益のところで、今回、産婦人科についてお伺いしてまいります。
 本年2月にオレンジベルクリニックが閉院するとの発表がございました。オレンジベルクリニックにおける分娩は6月末をもって終了し、8月末で閉院するというものでした。地域のお産を守るという役割をこれまで長年にわたって守ってこられたことには心から敬意を表するものですが、いよいよ市内において出産に対応できる病院は、市民病院のみとなってしまいました。今後が大変心配されるところです。そんな問題意識でお伺いしていきたいと思います。
 まず、直近3年間の市民病院における分娩の取扱数についてお知らせいただけますでしょうか。増加傾向にあるのか減少傾向にあるのか、また、その理由について、どう考えているか、併せてお知らせいただければと思います。

○来本健作委員長 医事課長。

◎清水一医事課長 当院における分娩件数でございます。令和3年が186名、4年が178名、5年が167名となっております。少子化の影響もございまして、当院の分娩件数は年々減少している傾向でございます。一方で、当院では新しい命を授かるための不妊治療、人工授精、タイミング法等にも取り組んでおります。今後、蒲郡市内で分娩ができる施設は当院のみとなりますので、妊娠かなと思った場合には、お気軽に当院の患者支援センターまで御連絡いただきましたら、産婦人科の予約を取らせていただくなど、初産に優しい病院として、新しい命を迎えるお手伝いをしていきたいと思っております。
 以上です。

○来本健作委員長 藤田委員。

◆藤田裕喜委員 現状市民病院では産婦人科医の先生は何名いらっしゃるでしょうか。また、今後増える見込みはあるのでしょうか。

○来本健作委員長 医事課長。

◎清水一医事課長 現在、常勤医師3名に加え、大学から2名の非常勤医師を派遣していただいており、お産の対応をさせていただいております。県内公立病院におきましても複数の病院がお産の受入れができない状況となっております。当院におきましては、大学医局、民間紹介会社等に相談をしながら、産婦人科医師の確保に努めてまいりたいと思っております。
 以上です。

○来本健作委員長 藤田委員。

◆藤田裕喜委員 オレンジベルクリニックから市民病院に転院されてこられた方々、また、受け入れた方々はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

○来本健作委員長 医事課長。

◎清水一医事課長 オレンジベルクリニックの分娩取扱いは本年6月末で終了となります。現時点ではまだ妊婦さんの受入れは発生しておりません。しかしながら、7月1日以降の分娩受入のほうが中止されております。こちらにつきましてはグループ施設様が遠いという理由から、当院のほうで分娩を希望された患者さんもおみえになります。こちらのほう、10名の方全てを受け入れしている状況となっております。
 以上です。

○来本健作委員長 藤田委員。

◆藤田裕喜委員 今後、市民病院が市内で唯一の出産ができる病院となることから、市民病院での出産が増えることを予測したいところですが、幾つか不安な点がございます。
 まず、無痛分娩についてです。オレンジベルクリニックでは無痛分娩を実施しており、無痛分娩を希望される方も受診をされていたことと思います。しかしながら、無痛分娩は市民病院では現状対応できないため、希望される方は全て市外の産科に転院をせざるを得なかったという状況になってしまっているのではないかと考えられます。厚生労働省の調査によると、無痛分娩の割合は増加傾向にあるため、いずれ市民病院でも対応していく必要が出てくるのではないかと感じます。市民病院でも今後は無痛分娩の受入れも考えていくべきであると思いますが、お考えをお聞かせください。

○来本健作委員長 医事課長。

◎清水一医事課長 無痛分娩に関しましては、当院のほうでも検討しております。導入施設にお伺いさせていただいて、他院の状況等を視察させていただいている状況でございます。加えて、現在、医療スタッフに対しては必要な研修なども進めている状況です。令和7年度中の運用開始を目指しながらも、安全なお産につながるように体制を担保しながら、方法の検討等も進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

○来本健作委員長 藤田委員。

◆藤田裕喜委員 分かりました。
 もう一点は、産科における入院中の食事、いわゆる産褥食についてです。インスタグラムを見てみますと、全国のいろいろな産科がきれいな写真で入院中の毎日の食事を紹介しています。民間の病院はもちろん、公立の病院でもインタスグラムを使って充実した産褥食を毎日アピールしています。蒲郡市民病院ではこうしたアピールは現状しておりませんが、妊娠・出産をする世代の皆さんはインスタグラムの利用者の多い層と重なるため、このような差別化の戦略は大変有効であると思います。
 そこでまず、産褥食の現状についてお伺いします。通常の院内の食事とは別に用意しているのでしょうか。別に用意しているのは出産後の最初の食事だけでしょうか。

○来本健作委員長 医事課長。

◎清水一医事課長 出産のために入院された妊婦さんへのお食事、産褥食につきましては、一般の入院患者さんの食事とは別の献立を御用意させていただいております。調理につきましては、一般の入院食と同じく、院内調理で温かい食事を提供させていただいております。
 入院中の食事につきましては、母体に対し適切な栄養管理が行われていることが非常に重要であります。管理栄養士によりまして管理された食事を提供している状況となっております。お食事代につきましては、御病気で入院されている患者さんの食事代と同額であり、自然分娩の場合は1食720円で御提供させていただいております。
 また、出産のために入院された場合でも、産前産後に貧血症などを発生した場合、その他内科系の疾患をお持ちの妊婦さんで管理が必要な場合、こちらにつきましては、医師の指示の下で産褥食以外の特別食、こちらを提供させていただいて、母体の安全も担保しているという状況となっております。令和5年3月から出産された妊婦さんに、サービスの向上として蒲郡クラシックホテル・波多野料理長監修の下に出産お祝い膳のメニューをリニューアルしました。お食事代は、産褥食と同額の720円として提供しており、毎週月、水、金、こちら出産後2日から4日の間をめどに御提供させていただいております。令和5年度に出産された妊婦さんには皆様全員に召し上がっていただいており、御好評をいただいております。
 以上です。

○来本健作委員長 藤田委員。

◆藤田裕喜委員 ほかの病院のように、入院期間中の全ての食事について充実をさせていただきたいと思いますがいかがでしょうか。そして、充実した食事をきれいな写真でSNSを通じて発信していただきたいとも思いますがいかがでしょうか。それぞれお考えをお聞かせください。

○来本健作委員長 医事課長。

◎清水一医事課長 出産のための入院生活の中で、食事は大切なエネルギー源であるとともに、大きな楽しみでもあると認識しております。栄養基準やアレルギーの対応なども考慮しながら、食事の内容のさらなる充実を行うためには、経費的にも、あと提供の工夫面でも検討が必要となっております。他院のよい事例、御紹介いただきましたので、こういったものを参照させていただきながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

○来本健作委員長 藤田委員。

◆藤田裕喜委員 最近、市民病院で出産された方々にアンケートを実施していると思いますが、どのような意見があったのでしょうか。お知らせいただければと思います。

○来本健作委員長 医事課長。

◎清水一医事課長 令和7年1月に当院で出産をされた方30名ほどに対してアンケート、それから聞き取りでの調査を行いました。当院の分娩体制に求められるものとして妊婦の皆様から御意見が多かったものとしては、順に、「入院環境の快適性」、お部屋の状況ですね。それから、「食事の内容」、「安全性」、「手厚いサポート」、「無痛分娩」といった状況となっております。「入院環境の快適性」につきましては、「個室の利用」や「家族部屋の新設」、「付添分娩の軟化」、こちらを求める御意見がございました。食事に関しましては、先ほど御紹介させていただいたクラシックホテルのお祝い膳、こちらには大変御好評の声をいただいておりますが、一方で、食事メニューの増加ですとか、コロナによって中止になってしまった夫婦でのお祝い膳の御提供、こちらについても望む声が出ております。
 そのほかにも、クリニックなどで行われておりますマタニティヨガですとか乳房マッサージ、骨盤ケアなどのサポートについての体制強化ですとか無痛分娩などを希望する声が挙げられております。現在、病院のほうではインスタグラム、もしくは看護局のインスタグラムのほうで出産や分娩に関する情報の紹介ができるサイトを準備しているところでございます。アンケートでいただきました御意見につきましても、院内で検討を重ねながら、安心して出産できる病院として選んでいただけるよう、情報発信にも力を入れてまいりたいと考えております。
 以上です。

○来本健作委員長 藤田委員。

◆藤田裕喜委員 さすがは出産された方々の御意見はどれも当事者からの目線で、大変重要で、すばらしい提案ばかりだと思います。ほかの病院をよく見ていらっしゃるなと感じますし、今、市民病院に足りないということを的確に捉えていらっしゃるようにも感じます。まさにこうした御意見に応えていくことが、市民病院の魅力を高めていくことにつながっていくのではないかと思います。
 市民病院での出産が減っている理由は、少子化だけではないと私は思います。ほかの産院との比較や競争力という観点もぜひ持っていただけたらと思いますし、今後の取組にあたっては、このアンケートの結果というものは非常に参考になると思います。オレンジベルクリニックの閉院によって、市内の産科を取り巻く状況は、今まさに大きな変化の中にあると思います。市民病院がその中で取り残されないよう、市民病院の産科が選ばれるようになっていくよう新たな取組を進められることを期待したいと思います。
 この件については以上です。

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