◆藤田裕喜委員 ではお伺いします。予算説明書の205ページ、9款4項6目2、生命の海科学館管理運営事業費のうち(10)登録博物館準備経費97万1,000円についてお伺いします。
まず、本事業費の内訳についてお伺いします。これは何のための費用でしょうか。
○来本健作委員長 生命の海科学館長。
◎山中敦子生命の海科学館長 ただいまの、生命の海科学館管理運営事業費の内訳についてお答えいたします。
令和5年4月に博物館法の一部を改正する法律が施行されたことを受けまして、生命の海科学館は現在、登録博物館認定を目指して準備を進めてまいります。登録博物館として認められるには、設備や活動内容などが一定の要件を満たしていることが求められます。本事業費、登録博物館準備経費につきましては、その要件を満たす設備や条件を整えるための費用です。具体的には令和6年9月の定例会提出の第56号議案で可決されました貸室廃止後の情報研修室を学芸員の研究室として活用していくため、必要な機材であります標本用の冷蔵庫、見積額としましては17万3,800円、そのほかに薬品庫21万4,467円、実験用作業机、化石を割ったりとか石を割ったりしますので、丈夫なものを16万2,296円、また、作業に粉じんが出たりしますのでドラフトチャンバー42万420円ということで、見積金額ではございますが合計97万983円を新調させていただく予定です。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 登録博物館となるメリットについてですが、例えば、交付税の措置を受けられることや補助金や助成金をはじめとする文化庁の施策に応募できることなどが考えられると思いますが、生命の海科学館としては具体的にどのようなメリットを見込んでいるのかお知らせいただけますでしょうか。
○来本健作委員長 生命の海科学館長。
◎山中敦子生命の海科学館長 登録博物館となるメリットにつきましては、今、藤田委員の仰せのとおりでございまして、まずは文化庁をはじめとする国や公の補助事業や助成事業といったものの活用の道が確保できるというのが大きな利点と考えております。
生命の海科学館は、これまでも全国科学博物館協議会などの助成金を受けまして活動の充実を図ってまいりましたが、今後はそれらを含む様々な補助事業や助成事業の応募要件に登録博物館であることというのが含まれる見込みです。
また、登録博物館の認定を受けるということは、ミュージアムとしての質の担保や信頼に直結いたしますので、今後、生命の海科学館がネットワークを駆使して企画展等展示を行っていくにも非常に重要となってくる大きなメリットだと思っております。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 登録博物館となるためには様々な基準が定められていると思うのですが、私も確認をさせていただいたところでは、既に生命の海科学館は多くの基準について満たしているのではないかと感じました。そこで現状どのあたりが課題となっているのか。また、基準のどの点を満たしていないと考えているのかお知らせいただけますでしょうか。
○来本健作委員長 生命の海科学館長。
◎山中敦子生命の海科学館長 ありがとうございます。県が公表しております博物館登録審査基準というのがございまして、そちらを御覧いただいたと思うのですけれども、そこに掲載されている様々な要件のうち、設置法人の適格性とか開館日数など基本的には問題は全くないと考えております。ただ、博物館の体制及び施設整備における博物館資料の収集、整理、保管、調査研究に関する要件につきましては現状では満たせていない部分があると考えております。例えば、生命の海科学館は当初は情報ネットワークセンターとして建てられた建築物でありますので、収蔵庫がなくて倉庫で代用しているということがあります。また、学芸員の作業室や研究室といったものもなくて、調査研究体制が貧弱であるということが挙げられると思います。こういった施設や設備については工夫と修繕で改善可能と考えておりますが、施設や設備だけの問題ではなく、博物館資料の収集及び管理の方針を定め、博物館資料を体系的に収集する体制を整えること、博物館資料に関する調査研究を行い、その成果を活用する体制を整えることといったことが求められていると考えております。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 今後のスケジュールについてお伺いします。特にいつ頃、登録博物館となる見込みであるのか、お知らせいただけますでしょうか。
○来本健作委員長 生命の海科学館長。
◎山中敦子生命の海科学館長 ありがとうございます。現在のところ来年度に登録申請を準備しまして、令和8年度に登録申請審査を受けまして、令和9年度に登録博物館認定という予定で考えております。現在、県と調整しながら必要条件の洗い出しをしたり、既に申請を済ませております近隣の博物館様に事務作業とか事務量の確認を図るなどの準備を進めているところです。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 登録博物館となった後についてですが、生命の海科学館が登録博物館となったことについて、市民向けに発表したりPRをしたりするのでしょうか。登録博物館という制度自体が余り知られていないという現状もあると思いますが、メリットを市民に知っていただくような機会を設けることについて、お考えをお聞かせください。
○来本健作委員長 生命の海科学館長。
◎山中敦子生命の海科学館長 おっしゃるとおりでして、生命の海科学館が無事に登録博物館認定を受けた暁には、市広報とか館のホームページを通じて、ぜひ市民の皆様にもその旨通知してPRしてまいりたいと思っております。
登録博物館のメリットというのを市民の方に知っていただきたいというのももちろんあるのですが、登録認定ということの周知自体を通して、ミュージアムとの意味とか価値といったものを広く周知していければという思いです。
なお、文化庁によりますと、新しい博物館制度の認知度の向上、館種を超えた一体感の醸成、各登録博物館・指定施設に対する信用向上を目的として、歴史博物館・美術館・科学館・動物園・水族館・植物園などの登録博物館に共通のマークを作成するということです。このマークにより国民の方々や海外観光客に対して、各館の活動の充実度や公益性が担保されていることを効果的に発信できると考えていますとのことです。登録博物館になりました暁にはマークが付与されるということですので、無事に認定を受けられましたら、それをぜひ活用して周知に努めたいと思っております。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 現状と課題について大変よく分かりました。生命の海科学館が登録博物館となって、一層魅力が高められることを期待したいと思います。楽しみにしております。この件については以上です。ありがとうございました。