◆藤田裕喜委員 続きまして、予算説明書の209ページ、9款5項2目の2、施設整備事業費のうち(1)浜町テニスコート改修事業費1億4,830万円についてお伺いします。浜町テニスコートの人工芝をめぐる課題について、令和3年12月の定例会で私の一般質問の中でも取り上げさせていただきました。今回、人工芝の張り替えをされるということですが、まず事業内容についてお伺いしたいと思います。また、大変多額の費用がかかるようですが、費用の内訳についてもお知らせいただけますでしょうか。
○来本健作委員長 スポーツ推進課長。
◎大岡雅道スポーツ推進課長 浜町テニスコート改修工事費1億4,830万円の内訳ですが、土木工事として1億1,700万円、8面のテニスコートの砂入り人工芝の張り替え及び練習用コートの砂入り人工芝化などでございます。
建築工事といたしまして2,900万円につきましては、管理棟のトイレ、屋根、外壁の改修や観覧席の改修などを行ってまいります。また電気工事といたしまして230万円につきましては放送設備の更新などを計画しており、工期につきましては令和7年9月から3月までを見込んでおります。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 競技用のコートも練習用のコートも同じ種類の人工芝に張り替えるという理解でよいでしょうか。
○来本健作委員長 スポーツ推進課長。
◎大岡雅道スポーツ推進課長 その予定でございます。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 主要新規事業の冊子には15ページに記載がございますが、こちらには環境に配慮した人工芝を使用するとあります。具体的にはどのような人工芝を考えているのでしょうか。
○来本健作委員長 スポーツ推進課長。
◎大岡雅道スポーツ推進課長 正式にどの製品を使用するか、まだ決定はしておりませんが、サトウキビやトウモロコシなどの植物を原料とする植物由来のプラスチックであるバイオポリエチレンを使用した環境配慮型の人工芝バイオターフの使用を想定しております。
以上です。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 私も調べてみたのですが、今御説明があったように植物由来のバイオポリエチレンを一部に使用した人工芝ということのようで、私が調べたサイトはサトウキビの廃糖蜜から作られたプラスチックということでした。廃糖蜜というのは砂糖を精製するときに発生する糖分以外の成分も含んだ液体のことでして、最近のビニール袋にはアルファベットでBPというマークがついていることが多いと思うのですが、これがバイオマスプラスチックの略で、多くの場合サトウキビの廃糖蜜がビニール袋の原料になっているということのようでした。比較的身近で利用も多い原料であると言えると思います。このバイオマスプラスチックですが、テニスコートの人工芝として使われることについて懸念されている点が2点あります。順にお伺いしたいと思います。
まず一点目は、人工芝が劣化して磨耗したり破損したりした場合、その破片が飛散してしまうのではないかという懸念です。以前から私が指摘してきたマイクロプラスチックの問題です。令和3年12月定例会の一般質問においては、「比較的大きな破片については巡回のときにできる限り回収しているが、磨耗した小さな破片や非常に小さな粒子は砂とともに雨で流れたり風で飛散しており、回収することは非常に困難である」という御答弁でした。
今回、人工芝の更新に当たって、劣化し磨耗した人工芝の破片や切れ端が排水口や雨水管に流れ出ないような施設に工夫することや、流れ出ないよう清掃、改修をすることなど、何か対策を検討されているでしょうか。
○来本健作委員長 スポーツ推進課長。
◎大岡雅道スポーツ推進課長 テニスコートにはハードコート、クレーコート、天然芝コートなど幾つかの種類があり、今回の改修に当たりコートの種類も検討いたしました。その際に、硬式テニス、軟式テニスの両協会に、どの種類のコートが望ましいかをお伺いしましたが、両協会ともオムニコートを希望されたこと、既存のコートも市内で唯一のオムニコートであることを勘案し、オムニコートを採用いたしました。しかしながら、令和3年12月議会で藤田議員から御指摘いただいたマイクロプラスチックの問題も無視することはできません。今回の工事では、環境への配慮を考慮したバイオポリエチレンを使用した人工芝を採用するとともに、マイクロプラスチックの自然環境への流出を防ぐため、フィルター付きの排水口を設けるなど、ハード面での対策を予定しております。
以上でございます。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 分かりました。2点目の懸念は、人工芝には人体だけでなく環境にも有害な有機フッ素化合物、いわゆるPFASが使われているのではないかという点です。アメリカでの事例になりますが、ジャーナリストの諸永裕司さんの御指摘によると、人工芝のグラウンドで長年プレーをしてきた大リーグの元選手が多く脳腫瘍を発症しているという事例があるとのことです。また、サッカーチームにも同様の問題が起きていることが分かっており、とりわけゴールキーパーには血液のがんの発症者が多く出ているということです。大リーグの球場の話はアメリカで大きく報道されたこと、また、サッカーチームの話についてはドキュメンタリー映画にもなっており、大きな話題になった結果として、アメリカでは州レベルや市レベルで人工芝の使用を禁止するというところも出てきております。
日本ではこの問題は余り指摘されていませんが、遅かれ早かれ同様の問題が発生し、大きくなってくる可能性が高いと私は考えています。あるいは既に発生しているが気づかれていない。分かっていないという可能性もあると感じます。
今回導入を検討されている人工芝について、有機フッ素化合物PFASが製造工程で使われているかどうか、確認はされていますでしょうか。
○来本健作委員長 スポーツ推進課長。
◎大岡雅道スポーツ推進課長 確認中でございますが、現時点では分かっておりません。
以上でございます。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 分かりました。有機フッ素化合物が使われていないことをPFASフリーと言いまして、既に界面活性剤やタイ油脂、コーティング剤など、いろいろな分野の製品においてPFASフリーの素材が開発されております。PFASによる汚染については最近話題になることも多いため、PFASが使われていない製品を開発していくことや、アピールをしていくということは差別化を図るための強力なポイントとなると考えられます。
しかしながら、今回の人工芝については何らのアピールもされていないことから、恐らくPFASフリーではないだろうないのだろうということが想像されます。なお、PFASフリーの人工芝は現状存在していないようで、人工芝の製造工程においてはPFASの使用が欠かせないと指摘している専門家もおります。今後このテニスコートの利用者から健康被害が生じないか大変心配です。
続いて人工芝の維持管理についてもお伺いします。令和3年12月定例会の一般質問において、人工芝の維持管理については、ガイドラインや基準を定めるなどのルールが必要ではないかと申し上げました。今回人工芝を更新するに当たって、維持管理のためのガイドラインや基準を定めるお考えはあるでしょうか。
○来本健作委員長 スポーツ推進課長。
◎大岡雅道スポーツ推進課長 今後、工事に着手した際には、施工業者やメーカーとも相談し、この施設に即した管理方法を整理し、改修後も適切に管理をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○来本健作委員長 藤田裕喜委員。
◆藤田裕喜委員 マイクロプラスチックの問題や海洋ごみの問題については、これまで再三議会の場で問題提起をさせていただいてまいりましたが、今回また人工芝が導入されるということで大変残念に感じております。環境負荷も高く、健康被害も出ている人工芝を導入することのメリットは、もはや存在しないと私は思います。ここはやはり再検討をお願いしたいと思います。この件については以上です。ありがとうございました。