◆藤田裕喜議員 それでは続いて、子育て施策についてお伺いしてまいります。
まず、子育てしやすいまちづくりに関する市の施策についてお伺いします。
私自身も、ゼロ歳の子供を抱えながら日々の生活を送り、また日々の議員活動に取り組んでおります。
子育て支援センターや児童館には、一利用者として通いながら、ママ友、パパ友たちと出会い、子育てに関するいろいろなアドバイスをいただくと同時に、悩みやお困りごともお伺いしてまいりました。本日の質問は、そんな子育ての現場でお伺いした御意見に基づいております。
蒲郡市は、周りの市町とも比べて子育て施策は充実しているほうだと言われます。長年の地道な取り組みの成果かとも思うのですが、まずは市の子育て施策の現状についてお聞かせいただけますか。
○伊藤勝美議長 子育て支援監。
◎岡田隆志子育て支援監 本市の子育て支援は、蒲郡市子ども・子育て支援事業計画を柱として取り組んでおります。
この計画は、保育園、認定こども園といった保育・教育の受け入れ体制や、児童クラブ、一時預かりなどの地域子ども・子育て支援事業等の提供体制につきまして、子育て世帯へのニーズ調査から算出した必要量に基づいて整備を進めるというものです。
これまで進めてきた施策といたしましては、毎年、保育の受け皿確保に努め、入所ニーズが増加する中でも待機児童ゼロを継続してきているほか、延長保育、一時預かり実施園の拡大、病児保育の実施、児童クラブの開設時間の延長、それから、クラブ施設の増加、子育てコンシェルジュの配置等の取り組みを進めてまいりました。
また、中学校区ごとに児童館を、市内3カ所に子育て支援センターを配置しており、この4月に保健医療センター内に子育て世代包括支援センター「うみのこ」、児童発達支援センター「にこりん」を開設するなど、地域で安心して子育てができるよう、子育て支援の充実に取り組んでいます。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 お伺いしました、今年度から始める新しい取り組み、特に子育て世代包括支援センター「うみのこ」についてお伺いしたいのですが、「うみのこ」では、これまでとは違った形の妊産婦のサポート、産前産後の支援を進めていくと聞きました。「うみのこ」の事業のうち、特に「うみのこ教室」についてお聞かせください。
○伊藤勝美議長 子育て支援監。
◎岡田隆志子育て支援監 「うみのこ教室」は、妊娠・出産・子育てに不安があったり、身近に相談できる人や育児協力者がいない妊婦・産婦の方を対象とした産前産後サポート事業でございます。
今年度、子育て世代包括支援センターの新規事業として開始いたしまして、毎月第4木曜日に実施しています。
教室の内容は、妊婦の方には、妊婦体操と、希望者に保健師や助産師の個別相談を実施し、産婦の方には、お子さんの体重測定と保健師の育児ミニ講座を行います。また、参加者同士がお話をすることで交流と仲間づくりを促し、孤立感や子育てのストレスを軽減するためにおしゃべりタイムを設けています。
5月は3人の参加があり、参加された方は初めは緊張も見られましたが、妊婦体操やグループワークをする中で緊張もほぐれ、楽しく教室に参加をされました。
今後も、この「うみのこ教室」を継続開催し、仲間づくりや交流をしていただき、保健師等が個別支援を継続することで安心して子育てができるよう努めてまいります。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 「うみのこ教室」については、私も実は大変期待をしております。私自身が児童館を利用する中で感じていた問題意識と重なるからです。それは、児童館にはやはり限られた方々しか来ていないのではないか、児童館に来られないような環境にある親子への支援、アプローチが必要なのではないかということです。
「うみのこ教室」を通じて生まれるであろう新たなつながり、新たなコミュニティが、児童館や子育て支援センターの利用者の裾野を広げていくこと、そうしてさらに多くの方に蒲郡市の子育て支援施策を利用してもらえるようになるのではないかと思います。今後の取り組みに期待したいと思います。
続きまして、児童館の祝日の開館についてお伺いします。
私も児童館を利用させていただく中で、よく蒲郡市の児童館はどこも祝日に閉まっていて困る、祝日に子供と気軽に室内で遊べる場がないという声を聞きます。
確かに、現在、蒲郡市の児童館は原則として祝日は開いていないと思うのですが、まずは児童館の開館状況についてお聞かせください。
○伊藤勝美議長 子育て支援監。
◎岡田隆志子育て支援監 蒲郡市の児童館は、各中学校区に1館ずつ、計7館設置しております。
定例の休館日に関しましては、できるだけ隣接館での休館日をずらしておりまして、みや、にしうらちゅうぶの3館が日曜日、かたはら、おおつか、しおつの3館が月曜日、がまごおりが火曜日を休館日といたしております。
このほかに、年末年始及び国民の祝日も休館としておりますが、5月5日のこどもの日は全館一斉に開館し、子供たちがこどもの日を楽しく過ごすことができるよう、イベント等を用意いたしまして子供たちをお迎えしております。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 現状については大変よくわかりました。特に、休館日をずらして工夫をされていることもよくわかりましたが、祝日に開けることが難しいという理由はどのあたりにあるのでしょうか。
○伊藤勝美議長 子育て支援監。
◎岡田隆志子育て支援監 児童館の祝日開館につきましては、祝日を開館した場合の翌平日を振替休館することによる影響、それから運営体制をどうするかなどの課題がございます。
祝日の開館に対する要望につきましては、はっきりとした形で届いているものはございませんが、利用されている保護者の方から、子育て支援センターも同じように祝日が休館日になっていることから、どちらかが開いているとありがたいという声があったということは聞いております。
祝日に開館をしている他市の運営状況、それから利用者の状況などを勉強させていただき、その必要性について研究してまいりたいと思います。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 児童館の祝日の開館を検討するため、ぜひ、改めて子育て世代向けのアンケートをとっていただきたいと思います。
祝日に開ける必要があるかどうかということは、親御さんの仕事によっても違うことはもちろんですし、地域によって違う可能性もあると思います。また、お子さんの年齢、お子さんの人数ということによっても変化すると思いますので、まずはニーズを把握することから始める必要があるのではないかと思います。
また、今年度からの「うみのこ教室」によって、今後、児童館を利用する人の幅も広がってくる、さらにいろいろな方が児童館を利用するようになると思います。アンケートの結果次第で、例えば、ある児童館では祝日の開館をふやすけれども、また別の児童館ではこれまでどおりの方がよいという場合も当然あり得ると思います。どれくらい必要があるかまずは調べていただき、祝日も開館すべきかどうか、またそれが可能かどうか、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
祝日に児童館を開けてほしいという市民の皆さん、子育て世代の声は、祝日に何も予定がなくても、特別に出かけるところがなくても、児童館にさえとりあえず行っておけば何とかなるという、市民の皆さんの児童館に対する期待、あるいは信頼のあらわれだと思います。ぜひ、より子育てしやすいまちづくりのために、前向きな取り組みをお願いしたいと思います。
次に、市内に3カ所あります子育て支援センター「さんぽ道」、「すくすく」、「ぴよぴよ」についてお伺いします。
まずは、この3カ所の子育て支援センターの現状についてお聞かせください。
○伊藤勝美議長 子育て支援監。
◎岡田隆志子育て支援監 子育て支援センターは、東部、中央、西部と市内に3カ所ありまして、このうち、東部子育て支援センターは民間のみどり保育園内に委託事業として実施しております。
子育て支援センターでは、主に4つの事業を行っております。
1つ目は、育児相談事業で、3施設合わせての相談実績といたしましては、平成28年度が242件、平成29年度が232件、平成30年度が356件となっています。
2つ目は、子育て親子の交流の場の提供と促進で、地域の子育て中の親子が集まり、みんなで遊びながら子育ての情報交換や友達づくりを行う子育て広場の実施や、親子の自主的なサークルの育成・支援を行っております。
3つ目は、各種講座の開催で、育児講座、ファミリー講座をそれぞれ年2回開催しており、平成30年度は110組284名の方に参加していただきました。また、ミニ講座を毎月開催しており、こちらは427組906名の方に参加をしていただきました。
4つ目は、地域の子育て関連情報の提供で、蒲郡市子育て支援センターだよりを隔月で発行いたしております。
こうした事業を行いながら、子育て支援センターでは利用される方へのアンケートも実施しておりますが、遊具があって子供と楽しく遊べる、雰囲気が暖かくほっとできる、スタッフと気軽に話せ相談もできるといった声をいただいております。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 この3カ所ある子育て支援センターですけれども、3カ所としている理由は何でしょうか。例えば、中学校や保育園の数に合わせてふやしていくといった予定はあるのでしょうか。
○伊藤勝美議長 子育て支援監。
◎岡田隆志子育て支援監 子育て支援センターは、子ども・子育て支援事業計画の中で、地域子育て支援拠点事業として実施している事業であります。
計画では市内3カ所で実施することとしており、施設の利用状況からも現在の施設数で十分な事業実施体制が確保できていると判断いたしております。
当面は、この施設の数を維持したいと考えております。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 当面はふやす予定はないとのことですが、移転する可能性についてはいかがでしょうか。
特に、「さんぽ道」、中央子育て支援センターについては移転する可能性があるという話も聞きましたが、どのような状況になっているのでしょうか。
○伊藤勝美議長 子育て支援監。
◎岡田隆志子育て支援監 中央子育て支援センターにつきましては、公共施設マネジメント実施計画の中で機能移転の検討を行う施設とされております。そうしたことから、そのようなお話が出たのではないかと思います。
現在、公共施設の見直し検討が行われておりますが、保育園の中にある東部、西部の子育て支援センターとは違い、中央子育て支援センターは、旧市民病院の院内保育所施設を利用して単独で設置されております。このため、全市利用型施設に分類されており、保育園や児童館のような地区利用型施設とは別に、そのあり方を検討しているところです。しかし、施設の事業内容から、この施設に関しましては、現在の地区の保育園や児童館の施設のあり方の検討と連動していくことが必要であると考えております。
昨年度、中央子育て支援センターがある蒲郡中学校区で公共施設の再配置を考えるワークショップが行われ、今後、蒲郡中学校区の地区個別計画が策定される予定となっております。
中央子育て支援センターにつきましては、この蒲郡中学校区の地区個別計画の内容を踏まえ、検討してまいりますので、今ここに移転すると決まっているところはございません。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 中央子育て支援センターの移転に当たっては、今の施設が手狭で老朽化が進んでいるということ、また、駐車場が足りていないということを踏まえて検討していただきたいと思います。特に、駐車場は現在5台分しかなく、大変不足しておりますので、十分な駐車場があることも移転先の条件として加えていただくようお願いしたいと思います。
続いて、子育て用品の利活用についてお伺いします。
子育て支援センターには、市民の方から、昔、自分の子育てのために使ったけれども今は使っていないといった子育て用品、例えば、おもちゃやベビーカーといった子育て用品が届けられることがあります。また、子育て支援課にも同様に、市民の方から子育て用品が届けられることがあると伺いました。
市民の方は、善意で、市の子供たちのためを思って子育て用品を寄附しようとしてくださると思うのですが、まず、現状について、このような寄附のお申し出があった場合、子育て支援センターや子育て支援課ではどのように対応をされているのでしょうか。
○伊藤勝美議長 子育て支援監。
◎岡田隆志子育て支援監 子育て用品につきましては、使用する期間も限られておりまして、お知り合いの方へお譲りするとか個人で売り払いを行うなど、再利用先が見つからない場合には、まだ使えるのに処分されているというものが多くあるのではないかと思っております。
こうしたもったいないということへの対応のため、仕組みといたしましては、子育て支援センターでその利活用の手助けに取り組んでおります。
西部子育て支援センターでは、センター内にリサイクルコーナーを設けておりまして、おもちゃなどのほか、衣類などは、夏物、冬物、サイズごとに展示しており、利用される方に活用していただいております。
また、中央子育て支援センターでは、リサイクルコーナーを設けるスペースがないため、こうした申し出があった際には、物を写真に撮って案内掲示をすることで希望者を募り、子育て用品の利活用に取り組んでいます。
現状ではこのような対応をさせていただいておりますが、御提供いただいたものを保管しておく場所や展示スペースの確保の問題など、取り組みを行う中でも課題もございまして、大々的に行うということは難しいのではないかと考えております。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 子育て用品には、乳幼児の本当にごく一時期しか使わないものですとか、子供によって好き嫌いもありまして、せっかく買ってあげても全く使ってもらえないものなどもあり、できるだけ効率よく準備したい、できればお金をあまり使わずに上手にそろえたいというのが親の正直な心情であると思います。
最近では、インターネットを通じて、また、スマートフォンのアプリを通じて、個人同士で子育て用品をやり取りするケースも多くなってきているとは思いますが、市に寄せられる市民の皆さんの善意にもぜひ応えることができないかとも思います。
現状の枠組みの中で、不要になった子育て用品を譲り受け、これから必要となる人達へ渡すことができるような何らかの仕組みづくりができないだろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○伊藤勝美議長 子育て支援監。
◎岡田隆志子育て支援監 現在、中央子育て支援センターの中で行っております写真での案内、こういった形をほかの子育て支援施設へ広げる、こうした取り組みであれば可能かと思いますので、これまでの取り組みをこうした方法で拡充できるかどうかについて研究してまいりたいと思います。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 私も何らか仕組みづくりができないかと考えてまいりたいと思いますので、ぜひ、また意見交換をさせていただければと思います。よろしくお願いします。
続いて、今年の3月より一般向けにも販売されるようになりました乳幼児用液体ミルクについて、特に防災の側面からお伺いしたいと思います。
液体ミルクは、粉ミルクと比べて値段が割高ではありますが、常温で保存できるだけでなく、飲むときも、粉ミルクと違って沸かしたお湯で溶かす必要がなく、哺乳瓶に移しかえるだけで飲ませることができるので、大変使いやすく便利です。値段がどうしても高いので、毎日使うというわけにはいかないのですが、ミルクを準備するという手間そのものがとても楽になるということを私も実感しております。特に便利なのは、外出時、遠出をしたときです。ミルクときれいな哺乳瓶を持っていけばよいので、荷物も手間も減って、本当に便利です。
私の提案は、この液体ミルクを防災備蓄、非常時の備えとして準備しておくことができないかということです。
非常時は水自体も大変貴重ですし、水を沸かすということも場合によっては難しいと思います。液体ミルクであれば、ミルクと哺乳瓶さえ準備しておけばよいわけですから、ミルクを温める必要もないため、いろいろな手間や制限を考えなくてもよくなり、非常に手軽ではないかと思います。
ミルクを備蓄品として加えることについて、御検討いただけないでしょうか。
○伊藤勝美議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 液体ミルクを災害時の備蓄品にということですが、現在、市では粉ミルクを災害時の備蓄品としております。今までの市民病院での流通備蓄に加えて、今年度より開始いたしました赤ちゃんおめでとうギフト事業でプレゼントする粉ミルクを保健医療センターに常時保管し、災害時にはこれを活用することとしております。
液体ミルクにつきましては、藤田議員御案内のように、お湯で溶かす必要がなく、常時保存が可能で、開封したらそのまま哺乳瓶に移すだけで乳児に飲ませることができることから、平成28年の熊本地震の際には、海外の製品が支援物資として被災地に届けられ、非常に重宝したということを聞いております。
そのような中、平成31年3月から、国内におきましても液体ミルクの販売が開始されております。東京都文京区、群馬県渋川市、神奈川県厚木市、大阪府箕面市などで災害備蓄品に加える動きが始まってはいるものの、現在、愛知県を初め県内の自治体から液体ミルクの備蓄を開始したという情報は得ておりませんが、これからも引き続き情報収集に努めてまいります。
また、液体ミルクの保存に当たりましては、高温下に置かないこと、期限が切れていないか、破損がないかを確認すること、開封したらすぐに使用し飲み残しは使用しないことなど注意点があり、また、現在販売されている製品につきましては、賞味期限が半年から1年であるため、毎年入れかえが必要になるなどの問題もございますので、情報収集を進める中で、課題につきましても整理してまいりたいと考えております。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 御案内いただきましたように、さまざま問題があることは理解しました。
特に、液体ミルクの賞味期限は長いものでも1年ですから、普段使うぶんには何の問題もないと思うのですが、防災用品となると確かに短いと思います。また、答弁にもありましたが、愛知県内ではありませんけれども、ほかの府県の自治体では既に防災用に準備しているところも出てきていますので、ぜひ、今後の検討課題としていただきたいと思います。よろしくお願いします。