◆藤田裕喜議員 では、続いて三谷地区における公共施設マネジメント事業についてお伺いします。
私自身、議員に当選をさせていただく前でしたが、一市民として、三谷地区におけるまちづくりと公共施設の将来を考えるワークショップに参加をさせていただきました。三谷地区内のいろいろな地域から、世代、年齢、立場、経験などを越えて、実にさまざまな方たちが集まりました。そして、自分たち自身が暮らす地域のことについて深く関心を持って真剣に意見を出し合うという非常に貴重な時間、また、建設的な議論の場で、私自身も素晴らしい経験をさせていただいたと思っております。率直に申し上げて、いろいろな考え方に触れることができてとてもおもしろかったなと思っています。
私がとりわけすばらしかったなと思ったのは、やはり、各グループのファシリテーターの皆様方でした。参加者の話を妨げることなく、しかし的確に意見をまとめ、さらに発言者が偏らないよう、参加者の皆さんが発言できるように工夫して運営をされていましたし、一定の方向に導くのではなくて、皆さんの発言をきちんと尊重して結果に反映させると、そういう姿勢は私自身も大変見習うところが多かったです。その意味でも、実に学びの多いワークショップであったと感じました。
私たちはただ参加して意見を述べるというだけでしたが、運営に当たられた職員の皆様方も、毎回の準備と振り返り、まとめや次回に向けてのフィードバックなど作業量も大変多く、さぞかし大変だっただろうと推察します。この場をお借りして御礼申し上げたいと思います。
さて、このワークショップの内容についてお伺いしてまいります。
まず、このワークショップはそもそもどのような趣旨で実施し、どのような方が参加され、また、どのような意見が出されたのでしょうか。
○伊藤勝美議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 公共施設マネジメント事業では、地区の住民の方が利用者となる地区利用型施設、これには学校、保育園、公民館、児童館が該当いたしますが、これらにつきましては地区の住民の御意見を伺った上で、施設の再配置計画である地区個別計画を中学校単位で策定をすることとしております。
その御意見を伺う場の一つとして、地域にお住まいの方を対象にワークショップを開催しており、三谷地区につきましては、公募でお集まりいただきました男性29人、女性13人、合計42人の方に御参加いただき、昨年7月から今年の3月にかけて5回開催をいたしました。
ワークショップでは、まず、最初に御参加いただいた方に地区の課題やその解決策についてお話をいただき、それを踏まえて作成した複数の再配置プランについて比較検討をしていただきました。
三谷地区については、三谷小学校の児童数が大きく減少していることから、今後の地域の将来について心配する声が多く聞かれました。そのため、小学校の規模や配置について多くの御意見をいただきました。
議論の過程では、三谷の総代区で竹島小学校区になっている地域があることから、この地域を三谷小学校区に変更することで三谷小学校の児童数を維持できないかといった御意見もございました。
議論の結果、ワークショップでは、三谷小学校の敷地に地域内の2つの小学校を集める案について、多くの期待が集まりました。一方、2つの小学校を維持する案、三谷東小学校に2つの小学校を集める案についても期待する御意見があり、意見の集約までには至らなかったという状況でございます。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 私も実際にワークショップに参加させていただき、いろいろな意見に出会いました。
私の個人的な感覚としても、みんながもろ手を挙げて賛成できる、合意できるといったプランはなく、どれを選んでも一長一短で、メリットとデメリットの双方があるといった感じではなかったかと振り返っております。また、市として意見の集約に至らなかったと考えていらっしゃる点は大変正直なまとめ方で、強引に結論づけようとしないという意味で非常に重要だなと感じております。
そうしたいろいろな意見が出された中で、比較的多くの方の間で一致できたのが、三谷西保育園移転の件ではないかと思います。
私自身も同じ意見ですが、海に近い三谷西保育園をどこかに移転させるべき、少なくとも現在の海沿いの場所から、どこに移転するかは別としても、どこか別の場所に早い段階で移転した方がよいという意見が多かったように思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。現在はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
○伊藤勝美議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 三谷西保育園と、その隣にある三谷公民館につきましては、津波高潮浸水想定域に位置していることから、ワークショップにおいても早期移転についての御意見をいただいており、市といたしましても対応が必要だと考えております。
三谷西保育園につきましては、三谷地区に隣接した場所にみどり保育園が立地しており、移転しても大きな支障は生じないと考えております。
ワークショップでは、三谷東保育園と統合することで規模を拡大し、より充実した保育サービスが提供できる環境づくりができないかという意見もいただいており、こうした意見を参考にしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 もう1点お伺いしたいのですが、ワークショップの中で学校を統合することを考えるのであれば、対象となる校区の住民にアンケートを実施してはどうかという御意見もあったと思うのですが、この点についてはどのように考えてらっしゃるのでしょうか。
○伊藤勝美議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 学校の統合につきましては、ワークショップにおいても三谷小学校と三谷東小学校を統合する案について御意見をいただいたところですので、検討をしていく必要があると感じております。
しかしながら、学校の統合は、教育環境や地域のコミュニティに及ぼす影響も大きいことから、現在の状況だけでなく、将来の姿も見据え慎重に検討する必要があると考えております。
そのため、学校を所管する教育委員会と連携して、今後どのようなプロセスで検討を進めていくのかということも含めて考えてまいりたいと考えております。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 将来の姿も含め慎重に検討するとのことでしたが、今後の予定についてはいかがでしょうか。
市内のほかの地区でも同じワークショップが実施されておりますが、他の地区ですと、ワークショップの後、出された意見を参考として地区個別計画をつくることとなっていると思いますが、三谷地区においてはいかがでしょうか。計画の策定の現状と見通しについてお聞かせください。
○伊藤勝美議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 市では、ワークショップ等で伺った御意見を参考に、地区個別計画を策定することとしています。
一昨年にワークショップを実施いたしました塩津地区と西浦地区につきましては、ワークショップの中でもおおむね意見の集約が図れたこと、また、2地区とも小中学校が1校ずつであったことから、市内部での検討も順調に進めることができ、早期に地区個別計画を策定することができました。
一方、三谷地区と、同じく昨年度ワークショップを開催いたしました蒲郡南地区、これは蒲郡中学校区になりますが、この2地区につきましては対象となる施設の数も多く、ワークショップでは意見の集約に至りませんでした。
両地区とも、学校の再編についての御意見もあったことから、教育委員会との調整も含め、特に慎重な検討が必要であると考えております。
そのため、地区個別計画の策定までにはもう少し時間がかかる見込みであり、今のところ策定の見込みにつきましても明確なお答えをすることはできません。
○伊藤勝美議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 特に慎重な検討が必要で、計画の策定までもう少し時間がかかるということで了解いたしました。
私としては、こうして地域の市民の皆様の声をしっかりと聞いていただいて、また受けとめていただき、政策に反映しようとしていただいているということを大変歓迎したいと思います。
実は、参加者の方の中には、このワークショップは市が自分たちの進めたい方向に持っていくことを目的として、市民の声を聞いたという実績をつくるためにやっているのではないか、出された意見のことは踏まえないか、あるいは都合よく市に有利な意見だけを利用して計画を強引に進めていくのではないかといった不審の声があったということも事実です。
私自身も、あれだけたくさんのさまざまな意見が出されて今後どう進めていくのかと、大丈夫かなと不安に感じていたところでした。しかし、御答弁いただいたように、拙速に進めることなく慎重に検討を進めていくということですので、安心をいたしました。ぜひ、時間をかけて検討を進め、合意形成を図っていただくようお願いしたいと思います。
以上で私の今回の質問は終わります。ありがとうございました。