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市内の小中学校におけるオンラインによる学習支援について(2020年6月・一般質問)

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◆藤田裕喜議員 続いて、市内の小中学校におけるオンラインによる学習支援についてお伺いしてまいります。
 まず(1)臨時休業期間中の対応についてです。今回の新型コロナウイルス感染症の影響による学校の臨時休業期間中の対応についてですが、子供たちの学習支援として、どのような取組をされていたのでしょうか。成果と課題についても併せてお知らせいただければと思います。

○大竹利信議長 教育長。

◎壁谷幹朗教育長 臨時休業中におけるオンライン授業については、まだパソコン、タブレットの普及やインターネットの環境が各家庭で整っていないため、行いませんでした。ただし、教員自作の動画配信でありますとか、学習支援サイトの紹介など、家庭にいても学習できる情報については、配信やメールなどでお知らせをしてまいりました。
 また、パソコンがない家庭のために、教員自作の動画につきましては、自主登校教室のときにパソコン室や図書室で視聴できるようにしたり、DVDでも見られるようにし、貸出しを可能としてまいりました。他の学習支援サイトについては、著作権の関係でDVD化はしておりません。
 今後、1人1台パソコンを持つようになれば、様々な活用方法を模索していきたいと考えております。特に、不登校児童生徒への対応については、これまでとは違った対応が考えられると思います。その1つにネット環境が整えば、教室になかなか入ることができなくても授業の参加が可能になります。また、必ずしも家庭訪問する必要はなく、時間と場所を選ばず教師と面談が可能になっていくと考えております。
 特別支援の必要な児童生徒についても、視覚、聴覚支援が格段とよくなりまして、人との関わりの苦手な児童生徒でもコミュニケーションツールとしても使用でき、これまで以上に手厚く指導できる、そんな場面が増えていくのではないかと考えております。
 以上でございます。

○大竹利信議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 今、御紹介いただきましたように、私もオンラインによる学習支援の活用には、非常に様々な可能性があると考えております。私なりに考えるメリットとしては、子供たちのそれぞれの習熟度合いに合わせて、予習、復習が繰り返しできること、また、御紹介いただきましたように不登校の子供たちも自宅での学校の勉強ができること、また、特別支援教室の児童生徒向けにも活用できることが挙げられると思います。特に不登校の子供たちにとっては、自宅でも学校の勉強についていくことができるようになりますし、また、環境を整えれば双方向のコミュニケーションも可能ですから、先生とインターネットを通じた面談、相談も可能であると思います。特別支援教室の子供たちにとっては、繰り返しの学習も容易ですし、子供たち一人一人に合わせた教材を選びやすくなり、また、指導もしやすくなるのではないかと思います。特別支援教育向けのオンライン動画や教材も多数、現在では作成されています。
 一方、デメリットとしては、やはり費用がかかる点、また子供たちが自宅ではインターネットが使える環境がないという場合もあろうかと思います。また、教室の授業とは異質なものだと思いますので、その違いをどうフォローできるかといった点も課題ではないかと思います。また、ほかにもインターネットのセキュリティの課題があります。特に子供にはあまり見せたくないような画像や動画を見られないようにするフィルタリングという設定ですが、これが学校の外でも有効にできるかどうかというのは、非常に重要な問題です。さらに、長時間端末の画面を見続けることによる健康面への影響も大変気になるところです。とりわけ視力の低下や急性内斜視の発症を招くという指摘もあり、端末の使い方についても適切な指導が欠かせないと思います。
 このようにメリットもありデメリットもあると思いますが、教育委員会では現時点ではどのように考えていらっしゃるでしょうか。

○大竹利信議長 教育長。

◎壁谷幹朗教育長 1人1台のタブレットを導入することで、これまでとは学習の形態が大きく変わってくると捉えております。ただし、児童生徒の発達段階や指導する側、タブレットに関わる環境整備等により、徐々に対応していかなければならないことも出てくることが予想されます。タブレットを導入することで、調べ学習が容易になる、視覚的、聴覚的な情報を得られやすい、場所を離れての活動が容易になるなど、授業にどのように活用していけるのかについて、研究が進めばメリットにつきましても大いに広がっていくと考えております。
 反対に、デメリットとして挙げられることとしては、まずは費用の面であります。端末の寿命、故障、紛失、盗難などによる費用面、家庭でのインターネット環境が整わない場合のサポート、OSやソフトは絶えず進化していくことへの対応、タブレット導入に伴い付随します教室の環境、各教室での動画配信できる設備、電子黒板等など、いろいろなことが挙げられると思います。費用面以外におきましても、今藤田議員に御指摘いただきましたように情報モラルについても非常に大きなことになります。情報機器を扱う上で、これら同時に進めていかなければならない、そのような問題だと捉えております。
 以上でございます。

○大竹利信議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 私も何年も前ですが、インターネットで調べ物をする中で、中学生向けの授業内容を解説した動画にたどり着きました。単元やテーマごとに解説した動画が無数に掲載されていたことに大変驚きました。現役の学校の先生がつくっているものもあれば、大学生や塾の先生がつくっているというものもありました。もちろん内容や質は様々ではありましたが、なるほどこうした勉強の仕方もあるのかと、当時大変感心したことをよく覚えています。当時は無料のものが多かったのですが、最近ではこうしたサービスにおいても、学習内容の解説だけでなく、単元別のテストやプリントできる教材、また、個別の指導に対応している場合もあり、有料のサービスも複数出てきております。自治体でこうしたサービスを導入している事例も年々増えてきておりまして、文部科学省の資料、放課後等の学習支援活動におけるICT活用事例集にもその一部が紹介されています。この資料では、放課後や土曜日などに実施される学習支援の一環として紹介されていましたが、今回のような新型コロナウイルス感染症への対策に伴う臨時休業への対応や、普段からの学習支援の選択肢としても十分活用できるのではないかと思います。この事例集には、良かった点だけでなく、課題となった点、また、困った点なども紹介されておりますので、参考にしていただけると思います。
 また、愛知県においては、県内全ての県立学校において、スタディサプリというサービスを導入することを決定しております。この6月から既に利用が開始されているということです。このオンラインによる学習支援の活用は、今後の学校での学び方を大きく変えていく可能性があると思います。多様な選択肢を子供たちに用意することは、大変重要なことであると思いますので、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

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