◆藤田裕喜議員 議長の許可をいただきましたので、通告の順に従い、一般質問をいたします。
今回はマイクロプラスチックを取り上げます。大きさが5ミリメートル以下の、小さな小さなプラスチックのことをマイクロプラスチックと呼びます。人間の生活、人間の活動を通じて生み出された、この小さな小さなプラスチックが、海や川に流れ出し、自然界で分解されることなく、半永久的にずっと残ってしまうことから、今、世界中で大変大きな問題になっています。
マイクロプラスチックが海や川に流れ出ると、海そのもの、川そのものを汚染します。魚や貝など、海や川の生き物たちが、マイクロプラスチックを餌と間違えて食べる可能性があります。そして、その魚や貝を私たち人間が食べ、マイクロプラスチックが人体に取り込まれる可能性もあります。
プラスチックそのものに毒性はないと考えられていますが、プラスチックには人体に有害な化学物質を吸い付ける、吸着するという性質があり、有害な物質を吸着したプラスチックが人体に取り込まれることで、体の中で細胞をがん化させることにつながるという懸念もあります。これはイギリス政府の科学庁の指摘です。食物連鎖のプロセスを通じて地球の生態系に悪影響を及ぼすという可能性があるだけでなく、人体の健康への悪影響を及ぼす可能性があるということです。マイクロプラスチックを巡る問題は、単に地球環境の問題にとどまらず、私たちの生存と私たちの健康に直結する問題です。
ところで、このマイクロプラスチックの問題、確かに世界では大きな問題になっていますが、蒲郡市の行政、蒲郡市政とは一体どのような関わりがあるのでしょうか。疑問を感じていらっしゃる方もいると思います。先に答えを申し上げておきたいと思いますが、実は蒲郡市でも使用しているプラスチック製品が、マイクロプラスチックの原因となっている可能性があるという点で関わりがあります。具体的には人工芝、ブルーシート、土のう袋がその代表例です。特に人工芝はテニスコートなどスポーツ用として使われている場合だけでなく、玄関マットとして使われている場合も見ます。
蒲郡市の行政で使われているこれらのプラスチック製品が海や川に流れ出ていないか、マイクロプラスチックの原因となっていないか、きちんと把握、管理ができているか、それを今回、確認させていただきたいと思います。
私たちも経験的によく知っていることであると思いますが、プラスチック製品は使用状況によって、また使用年数によって、あるいは温度や天候などの環境の影響を受けて徐々に劣化していきます。例えば比較的新しいペットボトルは踏むと潰れるだけですが、古くなったペットボトルは踏むと音を立てて割れて、粉々になってしまいます。あるいは何年も前のレジ袋を使おうとして物を入れると、途端に破れて物が落ちてしまいます。こうした御経験のある方も多いのではないでしょうか。
ここで着目をしていただきたいのは、人工芝やブルーシート、また土のう袋にも同じことが起きているという事実です。人工芝も年数に応じて当然、劣化していきます。サッカーやテニスのコートなど、スポーツで使われている場合は、人工芝の上で足を踏ん張ったり、滑り込んだり、踏み切ったりと、力のかかる動作も多いので、そのときに靴と芝が摩耗して、人工芝がすり減ってしまいます。その結果、人工芝がちぎれてプラスチックの破片になります。
人工芝の玄関マットの場合は、靴の泥を落とすために、人工芝に靴をこすり付けますが、長く使っていると、人工芝の1本1本がちぎれて破片となってしまいます。ブルーシートや土のう袋についても、年数が経過したり外での使用が長ければ、劣化して破れやすく、またちぎれやすくなってしまいます。
ちぎれて破片になったプラスチックはどうなるのでしょうか。ごみとして回収ができなければ風で飛んでいってしまう、排水溝に流れて行ってしまうといったことも考えられますし、排水溝に流れていった場合、最終的に海や川にそのまま直接に流れ出ていっていることも、容易に想像ができます。
マイクロプラスチックの問題に取り組んでいる一般社団法人ピリカという団体による、マイクロプラスチック等の流出実態調査2020年度版では、日本から流出しているマイクロプラスチックの年間流出量は、推計で157トンにも及ぶとのことです。多くのフレコンバッグ、大きなトン袋にいっぱいの小さな小さなプラスチック片が157袋もあるということです。大変な量であると思います。
プラスチックの使用量が増えるにつれて、マイクロプラスチックとして海や川に流れ出る量も増えているという指摘もあります。特に新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛によるテイクアウトやデリバリーによる食事が増えた結果、プラスチック容器の使用量が急激に増加をしています。こうした昨今の現状を踏まえると、今後、マイクロプラスチックの量もさらに増えていく可能性が、残念ながら非常に高いと言わざるを得ません。
このマイクロプラスチックを巡る問題は、予防原則の考え方に従って対応していくべき問題です。予防原則とは、科学的に十分な因果関係が証明されない状況であっても、地球の自然環境や人体に大きな影響、元に戻すことができない不可逆的な影響を及ぼすおそれがある場合に、規制を可能とするという考え方です。先ほども申し上げたとおり、プラスチックを人体に取り込んだ場合の健康上の影響については、確かにまだ確定的な研究や調査は発表されておりませんが、しかし、人体に悪影響を及ぼすという懸念があり、実際に、悪影響があるとする仮説もありますし、少なくともその可能性がないとは言えない状況です。こうした場合には、被害や影響が大きくなることをあらかじめ予防すべきであって、そのために規制すべきであるという考え方です。
予防原則は、1960年代の西ドイツの政策の中で導入され、1982年には国連でも採択され、国際的に認知が進みました。1992年の国連環境開発会議、いわゆる地球サミットで採択された、環境と開発に関するリオ宣言において正式に表明されたため、世界中に普及していきました。世界貿易機関WTOも、世界経済フォーラム、ダボス会議もこの予防原則を採用しています。
日本においては、2000年に策定された国の第二次環境基本計画において、この予防原則の考え方が初めて取り入れられ、現在の第五次環境基本計画においてもこの予防原則の考え方が取り入れられています。蒲郡市においても同様の考え方で政策に取り組んでいくべきであると考えます。
それでは具体的に蒲郡市の現状についてお伺いしていきたいと思います。まず(1)人工芝とマイクロプラスチックについてお伺いします。
私も人工芝のグラウンドでスポーツをしたことがありますが、実際に人工芝のグラウンドを使っていて、芝がプラスチックでできているということ自体、ほとんど意識したことがありませんでした。皆さんはいかがでしょうか。サッカーのコートに多く見られるのはポリエチレン、テニスコートによく見られるのはポリプロピレンというプラスチックの素材です。ポリエチレンはラップフィルムやポリ袋、レジ袋によく使われていますし、ポリプロピレンは食品用のタッパーやプラスチックのコップなどが代表的な用途です。どちらも私たちの生活に大変身近で、接する機会の多い素材ですが、これらが実は人工芝にも使われているということです。
先ほども御紹介した、マイクロプラスチックの問題に取り組んでいる一般社団法人ピリカの調査によれば、海や川に流れ出ているプラスチック製品のうち、スポーツ用の人工芝は、個数では19.5%、質量、重さでは23.4%を占め、流れ出ているプラスチック製品の中では最も大きな割合を占めています。
それでは現状をお伺いします。蒲郡市において、スポーツ用の人工芝を採用している施設があるかどうか。どのような施設で人工芝を採用しているか、お聞かせいただけますでしょうか。
○青山義明副議長 教育部長。
◎嶋田丈裕教育部長 スポーツ用人工芝を採用している屋外の施設は、浜町テニスコートのみになります。
以上でございます。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 屋外でスポーツ用の人工芝が使われているのは、浜町テニスコートのみであるということで了解しました。
浜町テニスコートの人工芝は砂入りの人工芝で、オムニコートと呼ばれる人工芝です。テニスコートの人工芝としては日本では最もよく採用され、普及している人工芝です。
では、次にこの人工芝の維持管理についてお伺いします。
人工芝の維持管理とは、人工芝の劣化や摩耗、抜け落ちなどについて把握をしているかどうか、また、劣化や摩耗、抜け落ちに対してどのように対処しているかということです。また、人工芝の維持管理が必要であるとの認識をお持ちであるかどうか。それぞれ現状をお聞かせいただけますでしょうか。
○青山義明副議長 教育部長。
◎嶋田丈裕教育部長 競技や練習後に利用者がブラシをかけるなどのコートの管理は行っておりますが、人工芝そのものに対し特別な維持管理はしておりません。人工芝が摩耗や劣化をしていることは把握しており、競技や練習に支障がないように部分的な張り替え修繕等を行っているのが現状でございます。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 では人工芝の張り替えについてですが、どのような頻度で、おおむねどのぐらいの期間で実施をされているでしょうか。
○青山義明副議長 教育部長。
◎嶋田丈裕教育部長 人工芝の耐用年数は10年程度と言われておりますが、耐用年数は利用環境や利用頻度によって大きく変わってくるものと思われます。浜町テニスコートの人工芝の張り替えは使用頻度の高い箇所が特に摩耗するため、毎年劣化状況等を確認し、部分的な張り替え修繕を行っています。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 テニスコートの清掃の状況についても念のためお伺いします。テニスコートの清掃はどのぐらいの頻度で、どのように実施されているでしょうか。また、テニスコート内の側溝の清掃状況はいかがでしょうか。
○青山義明副議長 教育部長。
◎嶋田丈裕教育部長 テニスコートの清掃につきましては、指定管理者が巡回しており、1週間に数回、トイレ清掃やごみ拾いなどを行っております。また、テニスコート内の側溝については、数年に1度、指定管理者により清掃を行っています。
以上でございます。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、人工芝の破片についてお伺いしたいと思います。劣化し摩耗した人工芝の破片が、ごみとして、落ち葉や枯葉などとともに排水溝、そして雨水管にそのまま流れ出ているという理解でよいでしょうか。それとも排水溝に流れ出ないよう清掃、回収をしているでしょうか。人工芝の破片がその後どうなるかについて確認、把握はされているのか。
○青山義明副議長 教育部長。
◎嶋田丈裕教育部長 浜町テニスコートに落ちている比較的大きな破片につきましては、巡回の時にできる限り回収しておりますが、人工芝の摩耗した小さな破片や非常に小さな粒子は、砂とともに雨で流れたり風で飛散しているものと思われます。回収することは非常に困難であると考えております。
以上でございます。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 私も実際、テニスコートにお伺いしまして、隅々を歩き回って、人工芝の様子を見させていただきましたが、コート内の壁際の側溝に人工芝の破片がこびりついているような状況が見受けられました。しかも、人工芝の破片といってもミリ単位の切れ端で、一つ一つも小さくて細かいちりのような感じのものでして、とても拾い集めるなどといったことはできないというように思いました。発生した小さな人工芝の破片を回収するということは非常に困難でありますし、事実上不可能であるという結論にならざるを得ないと私も感じます。
このような状況を生じさせないためにも、人工芝の維持管理について、一定の基準やガイドラインが必要ではないかと思います。摩耗し、劣化したから補修するといった場当たり的な対応ではなくて、何年に1回は全面的に張り替えるとか、劣化した破片や切れ端が排水溝に流れ出ないような施設に工夫するとか、あるいは人工芝の破片の回収や清掃の仕方について、あらかじめ定めておくといった必要があるのではないかと思います。
蒲郡市において、人工芝の維持管理に関するガイドラインや基準、ルールがあるでしょうか。ないのであれば、ガイドラインや基準を定める必要があると思いますが、どうお考えでしょうか。
○青山義明副議長 教育部長。
◎嶋田丈裕教育部長 私どもが調べた範囲では、人工芝がどの程度摩耗したら取り替えなければならないという基準や管理に関するガイドラインは見つかりませんでした。人工芝の維持管理にはメーカー等の専門的な知識を要するため、市としてガイドラインを定めることは今のところ考えておりません。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ほかの自治体の事例など、私も調べてみたのですが、この人工芝の維持管理について基準やガイドラインを定めている例は、恐らくまだありません。人工芝に維持管理が必要ということ自体が、問題としてまだ認識されていないのではないかと感じております。少なくとも何らかのルールは定めておく必要があるのではないかと思いますので、ここはぜひ御検討をお願いできればと思います。
今後についてもお伺いします。現状、スポーツ用の人工芝を採用している施設は浜町テニスコートのみですが、今後、蒲郡市のスポーツ施設において人工芝を導入していく予定などはあるでしょうか。
○青山義明副議長 教育部長。
◎嶋田丈裕教育部長 現時点では、人工芝を導入する予定のスポーツ施設はございません。
以上です。
○青山義明副議長 会議の途中ですが、会議終了の時間が近づいておりますが、本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 現時点では予定はないとのことでしたが、もし今後、導入するようなことがあるならば、人工芝の劣化や摩耗して生じた小さな破片が自然環境に流れ出ることのないような工夫や対策、ルールづくりが欠かせないと思います。この点も含めた御検討をお願いしたいと思います。
それでは続いて(2)その他のプラスチック製品とマイクロプラスチックについて、特に先ほど例示したブルーシートや土のう袋、人工芝の玄関マットについてお伺いしていきたいと思います。
屋外で使われるブルーシートや土のう袋、また人工芝の玄関マットも、劣化したり摩耗したりすることで、プラスチックの破片や切れ端が排水溝などを通じて海や川に流れ出ていく可能性があります。これらの物品の管理の状況についてお伺いします。
まずブルーシートについてです。市役所で使用させるブルーシートについては、現状はどのような状況でしょうか。市役所全体で購入し、管理をされているのか、それとも各部署において購入し、管理をされているのか、また、そもそも市全体では何枚あって、どのように保管、利用されているか、それぞれお知らせいただけますでしょうか。
○青山義明副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 マイクロプラスチックにつきましては、藤田議員から御指摘がありましたとおり、地球環境や私たちの健康にまで影響をもたらす問題であります。市としましても、市民の皆様には、環境ニュースを通しまして、「海洋ごみについて考えよう」や「マイクロカプセルとは」などをテーマにお知らせし、プラスチックごみが適正に処分されないことで海洋汚染や生態系への悪影響を及ぼし、マイクロプラスチックの一種で、私たちの身近にある柔軟剤や食器用洗剤などにも使用されておりますマイクロカプセルを、海の生き物が誤飲するなどの危機感について、広く考えてもらっているところであります。
こうした適正な処分やその影響も考えながら使用していかなければならないプラスチック製品でございますが、市役所各部所で利用されております。
お尋ねのブルーシートの現状につきまして、初めに、「市役所全体で購入し、管理をされているのか、それとも各部署で購入し、管理をされているのか」のお尋ねについては、市役所全体で一括購入・管理はしておりません。ブルーシートを必要とする各部署において、それぞれ購入し、適正に管理しながら使用しているものと考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 マイクロプラスチックに対する考え方、市民向けの啓発についてもお知らせいただきありがとうございました。各部署においてブルーシートが管理されているということでしたが、具体的にはどのように管理されているでしょうか。特に使用年数の期限や使用状況による管理方法や劣化・破損した際の対処について、どうされているでしょうか。各部署によって基準が異なるのか、市として統一的な基準があるのか、併せてお知らせいただければと思います。
○青山義明副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 ブルーシートにつきましては、工事現場で使われているのをよく目にしますが、市の中でも、イベント時の利用や災害時の応急処置などで使用するため、各部署で管理をしております。
その管理方法も、各部署で分かれるものと考えますが、工事現場で使用されるように、常時かつ長期に継続して使用するケースは少なく、利用するまで倉庫等で保管するといった管理方法が一般的ではないかと考えます。
次に、お尋ねの使用年数の期限や、使用状況による管理方法や劣化・破損した際の対処方法についての統一的な基準でございますが、ブルーシートの耐用年数につきましては、一般的に1年から5年程度、10年を超すものもあると承知しております。耐久性につきましても、使用状況や天候等によって変わりますが、市の中では、常態的に使われているものは少ないと感じております。従いまして、耐用年数や使用状況、経年劣化等による対処方法についての統一的な基準や各部署での基準を設けておりません。それぞれが保管するブルーシートの劣化や破損状態を見ながら、適正に利用・運用されているものと考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 では、ブルーシートについては、劣化したり破損したりしたものは使っていないという理解でよいでしょうか。少なくとも市役所が使うブルーシートに由来するマイクロプラスチックは発生していない可能性が高いという理解でよいでしょうか。
○青山義明副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 ブルーシートにつきましては、劣化や破損が著しいものが使用されていることは確認をしておりません。マイクロプラスチックにつながるような使用方法につきましても、その防止を図らなければならないものと考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。では、続いては土のう袋についてお伺いします。水害時や災害時に使われる土のう袋ですが、これは危機管理課において配布及び管理をしていただいていると思います。どのようなときに使われているか、また、毎年どのぐらい使われているかなど、現状についてお知らせいただけますでしょうか。
○青山義明副議長 危機管理監。
◎大森康弘危機管理監 危機管理課で保有しております土のう袋につきましては、台風等の風水害の対策としまして、市民の方に屋内への浸水を予防、軽減していただくことを目的としております。昨年度から市役所北側の立体駐車場西側に土のうステーションを設置し、24時間、誰でも御自由に持ち出していただける体制としております。
年間の使用個数につきましては、台風や降雨の状況にもよりますが、平均して300袋から500袋程度でございます。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 配布後の管理についてですが、土のうを必要とされている市民の方にはどのように説明をされているでしょうか。また、危機管理課においては、市民の方への配布後の管理について、どのようにされているでしょうか。
○青山義明副議長 危機管理監。
◎大森康弘危機管理監 土のうにつきましては、水にぬれると中に入っている土が固まり、水の侵入を防ぎます。そのため、雨が降り出す前に設置することをお勧めしております。このような特性から、一度屋外で使用しますと、再使用が難しいこともあり、使用済みの土のうにつきましては、中の土を庭や畑にまいていただき、袋は燃やすごみとして出していただく、またはクリーンセンターへ持ち込んでいただくことをお願いしております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 現在使っている土のう袋の素材についてですが、これはどのような素材を用いているか、もしお分かりでしたらお知らせいただけますでしょうか。
○青山義明副議長 危機管理監。
◎大森康弘危機管理監 現在使用しているものは、ポリエチレン製の素材となっております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 最近の土のう袋については、生分解性といいまして、一定の条件の下で自然に分解される、自然に返るような素材を使っているものもあります。こうした素材の土のう袋を利用することについても検討すべきだと思いますが。いかがでしょうか。
○青山義明副議長 危機管理監。
◎大森康弘危機管理監 現在、危機管理課で保有しております土のう袋については、近年は新たに購入をしてきておりませんが、在庫としまして約8万5,000枚程度ございます。直射日光の当たらない場所で保管しておりまして、劣化等もない状態でございますので、すぐに切り替えていくということは、現実的に難しいのではないかと考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 在庫が8万5,000枚あるという中で、すぐに切り替えていくのは確かに難しいとは思いますけれども、今後についてはぜひ御検討をお願いしたいと思います。
次に、それでは玄関マットについてお伺いしていきたいと思います。緑色の人工芝でできている玄関マットです。大変安価で大きさも調整しやすく、入手もしやすいということから、市内の色々な施設においてたくさん利用されていることと思いますが、現状、どの施設において、全体で何枚使われているか、把握されているでしょうか。
○青山義明副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 人工芝につきましても、プラスチック製品としまして、マイクロプラスチック問題に大きな影響を及ぼすものでございます。各御家庭においても、天然芝に比べ手間がかからないことから、庭に敷きつめられ、その普及が進んでおります。また、玄関マットにも人工芝が使われていることは承知をしております。
ただ今お尋ねのありました、公共施設で使用されております玄関マットにつきましては、各施設で必要に応じて玄関マットを使用し、その材質につきましても、ステンレス製や天然素材、塩化ビニール製など、様々な製品の中から選択されているのではと考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 人工芝の玄関マットの管理状況についてお伺いします。使用期限の年数や使用状況による管理方法について、また劣化した場合や破損した場合の対処ついてどうされているでしょうか。各部署によって基準が異なるのか、市として統一的な基準があるのか、併せてお知らせをいただければと思います。
○青山義明副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 先ほど御答弁させていただきましたブルーシート同様、市では玄関マットの統一的な基準はございません。各施設が使用、管理している人工芝の劣化や破損状態を見ながら、適正に使用されているものと考えております。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 人工芝の玄関マットは安価で利用しやすいかもしれませんが、公共施設でどのように使われているかについて具体的に把握されていないようですし、劣化したり摩耗したりした場合には、破片や切れ端がマイクロプラスチックの原因ともなります。事実上管理ができていないという状況を踏まえて、もう利用をやめていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。人工芝の玄関マットは人工芝でないものに切り替えていくことを検討するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○青山義明副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 公共施設における人工芝の玄関マットについては、まず利用状況を整理させていただき、その利用状況を踏まえまして検討をさせていただきます。
プラスチック製品の利用につきましては、環境への配慮が必要なものでございます。必要最小限の利用にとどめる必要があり、令和4年度の予算編成要領におきましても、消耗品費でプラスチック製品の使用や、食糧費でのペットボトルの購入を抑制・禁止しているところであります。市におきましても、プラスチック製品の使用量を減らしていく必要がございます。引き続き、そういった観点を持ち、検討してまいりたいと考えております。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 御答弁をいただきましたとおり、必要のないプラスチックは極力使用すべきではない。使用する総量、全体の量を減らしていくべきだと思いますので、どうか前向きな御検討をいただくようお願いしたいと思います。
では続いて、(3)下水道浄化センターとマイクロプラスチックについて、お伺いしていきたいと思います。マイクロプラスチックへの対策として非常に重要な役割を果たし得るのが、市の下水道浄化センターです。少し詳しく御説明をしたいと思います。
蒲郡市の下水道は、雨水管と汚水管を分けた分流式であるため、雨水は雨水管を通じてそのまま海や川に、生活排水などの汚水は汚水管を通じて下水道浄化センターに流れ込み、沈殿や空気にさらす曝気などのプロセスを経て海に放流されます。この生活排水にも実はマイクロプラスチックが含まれており、例えば洗顔料や歯磨き粉に含まれるようなスクラブという粒や化粧品などに入っているマイクロビーズなどは、家庭からの排水、生活排水を通じて下水道浄化センターに流れ込んできているという可能性があります。
実際に横浜市の下水道事業においては、下水道におけるマイクロプラスチックの基礎的調査を実施しており、汚水処理のプロセスを経て川や海に流れ出るマイクロプラスチックの現状を把握されています。具体的には、下水処理施設への流入水と放流水のそれぞれについて、0.3ミリのメッシュのネットを通すことで、0.3ミリ以上のマイクロプラスチックを採取するという方法です。この調査の結果、流入水と放流水のそれぞれにおいてマイクロプラスチックが検出されたという結果が出ています。
この調査自体はあくまで試行的なものなので、全体像と示すものではありませんが、下水処理施設にマイクロプラスチックが流れて入ってきていること、また下水処理のプロセスにおいて、一部のマイクロプラスチックは除去できていること、しかし完全に除去することができないまま放流されているということも分かりました。
蒲郡市においてはこのような調査は行っていないと思いますし、恐らく全国でもこのような調査の事例はほとんどないように思いますが、現状をどう把握されているかお伺いしていきたいと思います。
まず、蒲郡市の下水道において、その経路にマイクロプラスチックが入り込んでいる可能性はあるでしょうか。汚水管に汚水管にマイクロプラスチックが流れている可能性はあるでしょうか。
○青山義明副議長 上下水道部長。
◎贄年宏上下水道部長 汚水管にマイクロプラスチックが流れている可能性についてでございますが、一般家庭排水の例で申し上げますと、化粧品や洗顔料に含まれるマイクロビーズなどの樹脂系化合物や、ラップやトレイ、ビニール袋等が細かな砕片、いわゆるマイクロプラスチック状になったものは、汚水とともに汚水管に流れていることが考えられます。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。
次に、下水道浄化センターにおける処理のプロセスについてお伺いします。まず、汚水を受け入れ、処理し、放流に至るまでのプロセスにおいて、マイクロプラスチックの存在を把握することは可能でしょうか。
○青山義明副議長 上下水道部長。
◎贄年宏上下水道部長 下水道浄化センターでは、水処理工程の中で、存在する微生物を顕微鏡で観察している際、偶然にマイクロプラスチックが観察できる場合があると聞いております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、放流水の検査についてもお伺いします。放流水に対して、現状はどのような内容の検査を行っているでしょうか。また、検査を通じて、マイクロプラスチックの存在を把握することは可能でしょうか。
○青山義明副議長 上下水道部長。
◎贄年宏上下水道部長 下水道浄化センターにおいては、水質検査として有機物や浮遊物質などの検査を行っていますが、マイクロプラスチックに特化した検査は実施しておりません。下水試料中のマイクロプラスチックについては、現状では統一した検査方法が確立されておらず、各研究者や下水処理場が独自の方法で検査しているという状況でございます。
下水道浄化センターでは、放流水中の浮遊物質検査や透視度等の外観検査については常時実施していますので、それらの濃度測定や目視によって、放流水中に混入しているマイクロプラスチックの存在を、ある程度は把握することができると考えられます。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、ごみの除去などについてお伺いいたします。汚水の流入から放流に至るまでのプロセスにおいて、具体的にどのようにごみなどを除去しているか。また、このプロセスの中でマイクロプラスチックを除去することは可能でしょうか。
○青山義明副議長 上下水道部長。
◎贄年宏上下水道部長 ごみなどの除去のプロセスでは、まず、下水道浄化センターに流れてきた下水が最初に通過する沈砂池にあるスクリーンかす設備において、マイクロプラスチックより大きなプラスチック類は、下水に混入している髪の毛や水に溶けにくい紙類などとともに、しさ、いわゆるごみとして除去されていると考えられます。
また、スクリーンかす設備を通過したマイクロプラスチックのような比較的細かいものは、水処理工程の最初沈殿池、微生物を活用して処理を行っている反応槽、最終沈殿池などを通過する過程で、汚泥に取り込まれて沈殿除去されていると考えております。
下水道浄化センターの流入下水に含まれる浮遊物質の濃度は、放流水の段階では、その99%以上が除去された濃度となっていますので、浮遊物として流入するマイクロプラスチックについても、同様に除去されていると推定することができます。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ごみの除去のためにフィルターを設置しているかどうかお知らせいただけますでしょうか。
○青山義明副議長 上下水道部長。
◎贄年宏上下水道部長 下水道浄化センターでは、ごみの除去のためのフィルターのような設備は設置しておりません。しかし、先ほど説明させていただきました、スクリーンかす設備の一部である、スクリーンというフォークのような形状をした機器が、広い意味ではフィルターの役割となっております。
また、水処理工程で反応槽の中を浮遊している微生物の塊である活性汚泥が、結果的にフィルターのような役目を果たして、マイクロプラスチックを取り込んで除去しているのではないかと考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 下水道浄化センターに流入したマイクロプラスチックが、放流水として、川や海に流れ出ているという可能性はあるでしょうか。
○青山義明副議長 上下水道部長。
◎贄年宏上下水道部長 現在の下水道浄化センターでは、先ほども申し上げましたとおり、マイクロプラスチックを除去するための設備は備えられていませんので、流入したマイクロプラスチックの全てを除去することは難しいのではないかと考えられます。除去しきれなかったものは、放流水として、僅かに海に流れ出ている可能性はあると考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 丁寧に御説明をいただきありがとうございました。現状は大変よく分かりました。
今回、この質問に先立って、およそ30年ぶりに市の下水道浄化センターを見学させていただきました。私が小学校4年生のときに、確か社会科の授業だったと思いますけれども、見学をさせていただいて以来でした。小学生の頃は、微生物や沈殿の仕組みで下水をいかにきれいな状態にして海に放流するかというプロセスに興味を持って見学をいたしましたが、今回は、そのプロセスの中でいかにマイクロプラスチックを除去できるかという視点で見学をさせていただきました。小学生の頃とはまた違った景色を見させていただけたと感じておりまして、感謝をしているところであります。
マイクロプラスチックを100%完全に除去することは困難としても、かなりの程度でマイクロプラスチックを除去できているのではないかというのは、御答弁もいただきましたように、私も強く感じているところでございます。下水道浄化センターは生活排水に流されるマイクロプラスチックを把握できる重要な最後のとりでであると同時に、三河湾の現状を調査して把握し、より適切な対策を検討する材料とできる、極めて貴重な現場であると思います。ぜひ有効に活用をしていただきたいと思います。
では最後に、(4)市の政策とマイクロプラスチックについて、今後の蒲郡市の取組についてお伺いしていきたいと思います。
まず、1、課題に対する認識についてです。今回、スポーツ用の人工芝や人工芝の玄関マット、またブルーシートや土のう袋など、蒲郡市の行政において使用されているプラスチック製品について、これらがマイクロプラスチックの原因となっている可能性があることを指摘してきました。また、管理や使用について特に基準が定められていないことも明らかになりました。
私としては、蒲郡市としても、このマイクロプラスチックを巡る課題についてきちんと問題意識を持って取り組んでいるべきであると考えていますが、どのようにお考えでしょうか。市として、対策、対応、対処が必要な課題として、認識されているかどうかお伺いします。
○青山義明副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 市では、蒲郡市役所における環境保全のための行動指針を策定し、全ての職場が共通の認識の下、自ら環境に優しい製品の購入や廃棄物の削減などの環境の保全に配慮した行動に向け、率先して取り組んでおります。そうした中で、このマイクロプラスチックの環境問題につきましても、対応していかなければならない課題と認識しているところであり、行動指針にあります、ごみの分別やリサイクルの推進によりまして、プラスチック製品のリサイクルや適正な処分が進み、また、ペットボトルやプラスチック製品の使用を抑制することで、マイクロプラスチックの発生防止を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 対応していかなければならないと認識されているということで、了解いたしました。
では次に、2、具体的な対策についてお伺いしていきたいと思います。
まず、浜町テニスコートの人工芝に対する対策についてです。先ほどの浜町テニスコートの人工芝を巡る議論の中で、人工芝の破片や切れ端がそのまま排水溝に流れていっている可能性があるとのお話がありました。この排水溝や雨水管につながり、雨水管を通じて、人工芝の破片や切れ端が直接、三河湾にマイクロプラスチックとして流れ出ていると考えられます。
市の施設では唯一、屋外でスポーツ用の人工芝が使われている施設ですし、既に人工芝はかなり劣化が進んでいます。影響も非常に大きいと思います。ここは早急な対策が必要であると考えています。
そこで御提案ですが、浜町テニスコートの排水溝については、汚水管に接続するということができないでしょうか。汚水管に接続することで、テニスコートに由来する人工芝の破片や切れ端は、下水道浄化センターのプロセスを通じて海や川に流出する量を一定程度減らすことができる、一部を除去することができると考えられます。これだけでも大きくマイクロプラスチックの流出量を減らすことができると考えられます。少なくとも、雨水管を通じて直接海や川にマイクロプラスチックを流出させるよりもずっとよいと思いますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
○青山義明副議長 上下水道部長。
◎贄年宏上下水道部長 蒲郡市の下水道では、先ほど藤田議員からも御紹介のありましたとおり、汚水と雨水を分けて処理する分流式を採用していますので、雨水が汚水管に常時流れるような配管については、蒲郡市下水道条例で認められておりません。これは、分流式下水道の場合、下水整備地区毎に発生する汚水量を見込んで汚水管の大きさを決めながら整備計画を立てて、汚水管を布設しているためでございます。合流式下水道とは異なり、雨水の流入を前提としていない汚水管に雨水が流れますと、最悪の場合、流下能力が不足し、マンホールから汚水が吹き上がるような事態も考えられ、市民の皆様に御迷惑をおかけする可能性もございます。また、雨水が不明水として下水道浄化センターに流入すると、短時間で汚水の汚濁濃度が極端に変動する場合があるため、汚水を浄化する微生物の働きが弱まり、水処理が不安定化する原因になります。
このように汚水を良好に処理できなくなると施設本来の役割を果たすことができなくなってしまいます。本市といたしましては、市民の皆さんの生活を支える下水道浄化センターの安定的な運転管理に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 御説明は大変よく分かりました。私も見学をさせていただいて、下水処理のプロセスがしっかりと管理され、また調整された仕組みの中にあるということは理解しておりますので、簡単な話ではないということで、これは了解いたしました。
しかし、劣化し流出が続くテニスコートの人工芝をそのままにしておくわけにもいかないと思いますので、ここは流出しないような対策が必要であると思います。御検討をお願いしたいと思います。
もう1点、今後の対策についてお伺いします。
国においては、環境省の第五次環境基本計画の中で、マイクロプラスチック対策に取り組んでいくことが明記されています。また、2019年12月定例会でも取り上げました海岸漂着物処理推進法においても、マイクロプラスチックに取り組むことが規定されていますし、第四次循環型社会形成推進基本計画やプラスチック資源循環戦略においても、マイクロプラスチックに取り組むことが明記されています。
また、都道府県レベルでも、海岸漂着物処理推進計画や、都道府県の環境基本計画において、マイクロプラスチックに関する取組がございます。さらに、基礎自治体の環境計画においても、マイクロプラスチック対策が明記されており、愛知県内では、例えば大府市や小牧市などでは既に取組が始められています。国だけでなく、都道府県でも市町村レベルでも取組が進んでいるという現状があります。
一方で、蒲郡市においては環境基本計画のような計画もありませんし、マイクロプラスチックに限らず、自然環境の保全や保護に関する全体的な指針や方針も定められていないというのが現状です。国や都道府県、他の地方自治体の動向も踏まえて、蒲郡市においても何らかの具体的な取組を始めていくべきではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○青山義明副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 国においては、環境基本法に基づき環境基本計画が策定され、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的に、その取組が進められております。また、環境基本計画では、地方公共団体の施策としまして、国の施策に準じた施策や環境の保全のために必要な施策の推進を図りつつ実施し、都道府県では、広域にわたる施策の実施や総合調整を行うものとされております。
そうした中、国の第五次環境基本計画では、重点的な環境政策としまして、気候変動対策をはじめ環境リスクの管理などが挙げられ、その中で、マイクロプラスチックを含む海洋ごみの対策を推進することが示されております。
市としましても、こうした重点政策に従いまして、本市の環境の保全に努めているところであり、愛知県が指定する重点区域の海岸漂着物回収事業を行い、海洋ごみ対策にも取り組んでおります。
現在、市域で環境の保全など総合的に取りまとめている計画等はございませんが、引き続き、国の環境基本計画等の施策に沿って本市の環境保全に取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、ウ、調査についてお伺いします。具体的な取組を始めるための第一歩として、マイクロプラスチックに関する調査に取りかかることを提案したいと思います。少なくとも現時点では、市の施設からマイクロプラスチックが海に流れ出ている可能性があるということは明らかであるわけですから、実際に具体的に調査をすることで現状を把握することができるのではないかと考えます。また私は、現状を把握する必要があると考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
○青山義明副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 お尋ねのマイクロプラスチックに関する調査でございますが、環境省では、定期的に海洋ごみ調査を行い、日本周辺海域等における海洋ごみの分布状況を調査しております。その中で、マイクロプラスチック調査も行われおり、各海域でマイクロプラスチックの海中密度を測定し、それぞれ一定の密度を確認しております。また、そのほかにも、県や大学等の研究機関において、河川や沿岸区域のマイクロプラスチック調査を行う事例があるのも承知しております。
そうした中、愛知県におかれましても、マイクロプラスチック調査の項目はありませんが、伊勢湾、三河湾、遠州灘を対象としました漂着ごみ組成調査が行われております。その中で、昨年度に行われました春日浦海岸での調査結果では、自然物の重量が99.5%とそのほとんどを占め、人工物は0.5%となっております。この人工物の組成では、プラスチックが90.8%となり、人間が作り出す海洋ごみには、プラスチック製品が大きな影響を与えるものとなっております。
本市のマイクロプラスチックにおきましても、こうした国や県の調査結果から、例外なく、マイクロプラスチックやプラスチックごみが一定量存在することが推察され、その対策が求められるものと捉えることができます。
お尋ねの、市が独自でマイクロプラスチック調査を行うことにつきましては、国や県等が行う調査結果から、マイクロプラスチックに関する対策の必要性を計ることはできますが、市が直接、調査を実施することで、市民のマイクロプラスチックへの意識を高める取組の一つとなるものか、マイクロプラスチックにかかる啓発対策とともに研究してまいりたいと考えております。
以上です。
○青山義明副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 私が調査をすべきであると御提案をしたのは、何らかの政策、施策を検討するためには、まず現状と実態を把握する必要があるのではないか、そして、現状と実態を踏まえた上で政策、施策、あるいは対策を検討すべきではないかと考えたからですが、現時点で既に、調査をせずともマイクロプラスチックが蒲郡の海にも一定量は存在していることは確実だという御認識ということなので、この点は了解をいたしました。
了解はしましたが、裏を返せば、それは、具体的な対策を取らないから、あるいは具体的な施策が実施できないから調査もしない、ということのようにも感じられます。いま一つ、どう考えているのかよく分からず、私は非常に残念だと感じております。
質問の最後に、まとめに変えまして、1冊の絵本を紹介したいと思います。議長の許可をいただきまして実物を持ってまいりました。「プラスチックの海」という絵本です。(本を示す)
2020年に小学館から発行された絵本で、ミシェル・ロードさんの作、絵はジュリア・ブラットマンさん。日本語訳は川上拓土さんです。訳者の川上さんが、小学校5年生のときに日本語に訳したというこの絵本ですが、英語の原題は、「The Mess That We Made」です。訳すとすれば、私たちが作ったmess、このmessというのは、散らかった状態、取り散らかった状態、あるいは面倒なことという意味です。私の感覚からすると、一番いい例えば、自分の部屋が例えばmessであると言えば、それは、とにかくひどく散らかっていて、片づけようにもどこから手をつけていいか分からない、何から始めたらいいか分からないといったような状況を想像します。部屋がmessというのはよく使われる表現だと思います。
この絵本の表紙の絵は、海の渦の中心に浮かぶ4人の子供たちが乗った小さなボートが、たくさんのプラスチックごみに囲まれている様子を描いています。プラスチックごみには、ビニール袋だけでなく、ペットボトルや漁網、プラスチックの容器や籠、さらにそれが細かくなった無数のちりが渦巻く中に、よく見ると、アザラシ、カメ、イルカや、エイなどの多くの魚たちが泳いでいるという絵です。まさにmessというべき状況で、とにかくひどく散らかっていて、どこから手をつけていいか分からない。そういった現実。そういった大量のマイクロプラスチックに埋め尽くされた海の現実を描き出しているというように感じます。
このmessという単語を、面倒なこと、めちゃくちゃなこと、という意味に解釈すれば、この本のタイトルは、私たちがつくり出したこの面倒でめちゃくちゃなこと、というタイトルになりますし、それはまさにマイクロプラスチックと海を取り巻く現状を、むしろ端的に表しているのではないかと感じます。
この絵本のストーリーは、4人の子供たちが舟に乗って、マイクロプラスチックでひどく汚染された海の現状を観察していくというところから始まります。自分たちが捨てたプラスチックのごみを魚が食べて、その魚をアザラシが食べて、という食物連鎖を説明しながら、単に悲観的な現状を描くだけではなく、後半では、実際に、具体的にどう行動すればよいか、読み手に教えてくれています。
この絵本から、子供たちが現状を学び、具体的な行動の仕方を知ること、あるいは具体的に行動していくということは物すごく大事なことではあるのですが、しかし、そもそもこの状況をつくり出したのは一体誰なのか、なぜこんな状況になってしまったのかということに注目しなければなりません。
1950年代から世界中からプラスチックの利用が始まり、現在に至るまでたくさんのプラスチック製品が使われ続け、そして捨てられてきました。捨ててきたのは子供たちではなく大人たちです。大人たちが捨ててきたプラスチックの負の遺産の処理を、これからを生きる子供たちに押しつけている。それが現状ではないでしょうか。
今日の御答弁を振り返っても、マイクロプラスチックに対する問題意識は持っている。市民向けの啓発もしている。調査はしていないが、海や川に流れ出ていることはほぼ確実であると考えられていて、その対策が求められるものと捉えることができる、としながらも、例えば計画を策定するとか、実際に調査をするとか、プラスチック製品の使用をやめるとか、人工芝が流出しないようにするとか、そういった具体的な行動、具体的な対策は何もありませんでした。
問題であると考えていて、実際に蒲郡の海に流れ出ていることも分かっているのに、なぜ、何も具体的なアクションがないのでしょうか。見て見ぬふりをしているようにも感じられます。玄関マットの人工芝も、ブルーシートも、劣化した場合の対策について基準もルールも何もなくて、適正に運用管理できているって本当でしょうか。何年使うかも決まっていない。1年なのか、3年なのか、5年なのか、10年なのか、20年なのかも決まっていないのに、それでどうやって適正に管理できるのでしょうか。疑問です。
この問題は、冒頭に申し上げたとおり、予防原則で対処すべき問題です。世界でも日本でも、予防原則です。人体に悪影響を及ぼす危険性がある。そういう可能性がないと言い切れない場合は、あらかじめ規制して、対策を取って、被害や悪影響を最小限に抑えるべきですが、御理解いただけないということでしょうか。現状だと、ただただ被害と悪影響が拡大していくのを見ているだけと言わざるを得ません。蒲郡市では予防原則で対応しないということでしょうか。
この絵本「プラスチックの海」の中で、最も重要なメッセージの一つであると私が思います、このページ、「あと回しにしないで、今すぐ始めよう」というメッセージが出てきます。現状は、原因をつくってきた大人たちが率先して後回しにするという、全く子供たちに説明のつかない状況ではないかと思います。
マイクロプラスチックの原因となるプラスチック製品の使用をやめていく。利用するプラスチックの総量を減らしていくということしか方策はありません。具体的な行動に取りかかっていただくということをお願いしたいと思います。
以上で終わります。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。