◆藤田裕喜議員 次に、2、ハラスメントについてお伺いします。
まず、(1)ハラスメントに対する取組についてお伺いします。
これまでの蒲郡市おけるハラスメントに対する取組の経緯について、また、現状どのような取組に至っているかお知らせいただけますでしょうか。
○稲吉郭哲議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 ハラスメントにつきましては、個人の尊厳を傷つけ、その勤務意欲を減退させるなど、人権侵害にも関わる行為であり、組織におけるリスクとしても職員のメンタル不調、モチベーション低下、最終的には退職等につながるおそれのある大きな問題であります。
ハラスメントに関わる経緯と取組につきましては、平成11年6月に蒲郡市職員のセクシュアル・ハラスメントの防止及び排除に関する要綱を制定しておりますが、平成24年1月にはパワハラ等を追加した「蒲郡市職員のハラスメントの防止及び排除に関する要綱」として見直しを図っております。
その後、相談体制を強化するため、平成29年7月からこれまでの職員相談員に加えまして、弁護士資格を有する外部相談員、ヘルプラインを設置しております。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、ハラスメント事案の実態についてお伺いします。
これまでに把握された件数、このうち相談員に相談された件数、また本庁の件数と本庁外の件数について、それぞれお知らせいただけますでしょうか。
○稲吉郭哲議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 最近の相談件数につきましては、令和3年度は5件、令和2年度は2件、令和元年度は5件となっております。また、このうちヘルプラインへの相談件数は、令和3年度は実績はなく、令和2年度は1件、令和元年度は2件となっております。また、庁内、庁外別の内訳といたしましては、3年間の合計12件のうち、庁内が1件、庁外が11件となっております。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、ハラスメントに関する研修についてお伺いします。どのような頻度で実施されているのか。対象者は誰か、参加人数はどの程度か。また、参加者からはどのような感想や意見があったかお知らせいただけますでしょうか。
○稲吉郭哲議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 ハラスメントに関する研修の実施状況につきましては、令和3年度は、3種類のハラスメント研修を行い、合計508名が受講しております。その内訳といたしましては、新任課長に対するパワハラ研修で17名、全職員向けのハラスメント防止研修で382名、消防職員に対するパワハラ研修で109名となっております。研修後、職員からは、「自覚なく使ってしまいそうなハラスメントにつながる発言を再認識できた。ハラスメントかどうかは人によって受け止め方が異なるため、受け止める側に立って判断することは重要であることを再認識できた」などの意見がありました。
以上でございます。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 2019年に改正された労働施策総合推進法についてですが、地方公務員も適用の対象であるという理解でよいでしょうか。蒲郡市においては、この法改正を受けてどのような対応が求められていて、また、どのようなことに新たに対応されたでしょうか。
○稲吉郭哲議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 労働施策総合推進法の改正に伴いまして、令和2年6月から事業主におけるハラスメントの防止対策の実施が義務化され、地方公務員にも適用があるため、本市におきましても、さきの要綱にハラスメント防止対策義務化に係る規定の追加をしております。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ハラスメントの実態把握のため、アンケート調査を実施すべきであると思いますが、現状は過去に消防を対象としてアンケートが実施されただけで、他の場所には拡大されていないと思います。今後、他の部署でもアンケート調査を実施していく予定はありますでしょうか。
○稲吉郭哲議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 アンケート調査につきましては、消防において毎年実施しているほか、保育園、ボートレース事業部におきましても過去に実施したケースがございます。本庁や他の所属での実施につきましては、ハラスメント事案の相談状況を踏まえながら、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 続きまして、(2)教育現場におけるハラスメントに対する取組についてお伺いします。
学校の現場におけるハラスメントの防止に向けた取組、また、教員から児童生徒に対するハラスメントへの対策について、それぞれお聞かせいただけますでしょうか。
○稲吉郭哲議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 愛知県教育委員会教職員課より、平成23年4月に「職場におけるパワー・ハラスメントの防止及び対応について」の通知が出され、職場におけるパワー・ハラスメントの防止及び対応について、全ての教職員に周知・徹底がされました。また、問題解決を迅速かつ適切に行える体制づくりとして、相談窓口の設置でありますとか、相談者のプライバシー保護、厳しい処分についても明記されました。さらに、注意すべき言動の具体例も示され、全職員がパワー・ハラスメントを許さない、見逃さない職場づくりも進められてきました。
その後は、不祥事防止の観点として、セクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメントが位置づけられ、注意喚起が図られています。毎年、年度初めの校長会資料として、県教育委員会のホームページにあります「信頼される愛知の教職員であり続けるために」のリーフレット、「不祥事防止チェックシート」を配付しております。その中にあります「ハラスメントについて問題意識を持ち、正しく理解した言動をしている」という項目に対して、自己評価をし、管理職に提出することで防止に努めております。
もし、ハラスメント事案が起きた場合、相談窓口に相談することもできますが、多くの場合は職場の信頼できる上司や同僚に相談し、発覚しております。日頃から何でも相談し合える風通しのよい職場の人間関係づくりに努めることで、万一のときの早期発見、早期対応ができればと考えています。そして、正しい状況把握に努めまして、厳粛に指導、対応していきたいと思っております。
児童生徒に対するハラスメントについても、養護教諭でありますとかスクールカウンセラーとの相談活動を通じて子供に寄り添うとともに、県教育委員会のホームページにある、子供向けの「人の気持ちを大切にし、あなたを守るために~セクシャル・ハラスメントをなくそう~」というリーフレットも上手に活用しております。また、カウンセリングルームや校長室の前に相談ボックスを置いて、児童生徒の声に対応している学校もあります。
今後も、ハラスメントの撲滅に向け、許さない、見逃さない職場づくりに努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 続いて、(3)ハラスメント事案発生時の対応についてお伺いします。
ハラスメント事案が発生した場合、具体的にどのような順序で対応することになるか。また、ハラスメント苦情処理委員会が設置される場合もあると思いますが、それはどのような場合か。また、これにまでに設置されたことはあるか。それぞれお知らせいただけますでしょうか。
○稲吉郭哲議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 ハラスメント事案発生時の対応につきましては、各相談員を通じて人事課長へ報告がされますので、これを受けまして人事課において事実関係の調査を実施しますが、事案によっては、弁護士である外部相談員がヒアリング等を実施する場合もございます。そして調査の結果を踏まえ、所属長と協議の上、該当職員への指導や防止対策を行っております。
また、事案の内容を踏まえ、必要に応じまして、副市長を委員長とするハラスメント苦情処理委員会を開催することとしておりますが、本市では平成28年度における消防職員の不祥事事案につきましては、別に再発防止委員会を立ち上げていたこともあり、これまで苦情処理委員会を開催した実績は平成25年度の1件のみとなっております。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 二次被害の防止策についてもお伺いします。相談者の秘密は確実に守られるのでしょうか。
○稲吉郭哲議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 相談者の秘密保持と二次被害の防止策につきましては、苦情相談に関わる人事課職員や職員相談員において、プライバシーの保護と秘密保持の徹底を図っており、相談した職員が不利益を受けることがないよう、十分に配慮した対応を行っております。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 さて、一昨日、蒲郡市立ソフィア看護専門学校の学生さんから、蒲郡市長宛てに要望書及び嘆願書が出されたと聞いております。学生さんと保護者の方々の署名が添えられた要望書、嘆願書です。その趣旨は、学校内で教員から学生に対するアカデミックハラスメントが起きているというもので、一部の教員から指導や教育とは全く思えないような言動が横行しており、学生が学習に集中できないような環境になっている。教員に対する監督が不適切であるというものです。この要望書、嘆願書には署名が添えられています。この署名は2年生と3年生を中心に集められ、その8割に当たる55名の学生と95名の学生の保護者の方々、計150名もの方から賛同をいただいているそうです。非常に多くの学生さんが現在の学習環境に問題があると考え、実際に行動を起こしている。保護者の方々も問題意識を共有し、学生さんたちの行動を指示されているという状況です。
ソフィア看護専門学校は看護師を養成する学校であり、学生の本分は言うまでもなく勉強であり、専門の知識と技術を身につけることです。署名活動に取り組むことではありません。しかし、それは学生さん御自身が一番よく分かっていることです。にもかかわらず、このような活動に取り組まざるを得ない状況が発生しているということです。まず、お伺いします。今回出された要望書にあるような事案が発生していることについて、把握されていたでしょうか。
○稲吉郭哲議長 健康福祉部長。
◎宮瀬光博健康福祉部長 要望書、嘆願書でございますが、6月13日の月曜日の午後5時に学生たちからの署名という形で提出されておりまして、内容については一読し承知しております。
看護師は命を預かる職業であることから、看護専門学校においては臨地実習において学生の示す行動や態度などに問題がある場合には、ときには厳しいと学生が感じるような指導を教員が行うことはあります。
また、看護師国家試験に合格すること、そして臨地実習では学生に患者さんを受け持たせて実施を行うことから、確実な知識・技術と誠実で真摯な態度が必要である。また、倫理観は必須となります。
今回の事案と同じ内容なのかどうかは分かりませんが、指導としては行き過ぎではないのかといった指摘の声が最近ございました。それを受けまして、幹部教員に対して注意喚起を行ったことはございます。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 学校内でのハラスメント対策についてお伺いします。どのような取組があるかお知らせいただけますでしょうか。
また、先ほど市の職員を対象として、ハラスメントに関する研修が実施されているというお話がありました。研修を受ければ即座にハラスメントが防止できるとは思いませんが、看護専門学校の教職員の皆さんは研修の対象でしょうか。看護専門学校の教職員の皆さんがハラスメントに関する研修を受ける機会はあったのでしょうか。お伺いします。
○稲吉郭哲議長 健康福祉部長。
◎宮瀬光博健康福祉部長 看護専門学校の教員は、教員として必要な知識を得るため、様々な研修を受けておりますが、ハラスメントに特化した研修はございません。今後は教員向けのハラスメント研修を実施していきたと思っております。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 学生の皆さんには、ハラスメントなどがあった場合などの相談先について、どのように説明されているでしょうか。学校内、あるいは教職員に対して、もしくは蒲郡市において学生さんが相談をできるような機会はあるのでしょうか。
○稲吉郭哲議長 健康福祉部長。
◎宮瀬光博健康福祉部長 4月の入学時のオリエンテーションでは、学生の皆様にお伝えをしているのですが、ハラスメントや学生生活に関する悩み事を相談できる窓口を設置しておりまして、事務長と教務主任が専門の相談員として随時受付をしております。また、月2回でございますが、外部の人材であるスクールカウンセラーへの相談ができるようになっております。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 学生の皆さんは地域の役に立ちたいという高い志、真面目に勉強したいという熱い思いを持って、数ある看護専門学校の中から蒲郡を選んでくださったわけです。しかし、学校の現在の状況を踏まえ、看護師への憧れや希望を失っている学生さんもいる。夢を諦めようかと悩んでいる学生さんもいる。今そんな状況にあると聞いています。このような状況をつくり出しているのは学校であり、蒲郡市であると思います。このままでいいのでしょうか。このような状況になっていることについて、どのようにお考えでしょうか。お伺いします。
○稲吉郭哲議長 健康福祉部長。
◎宮瀬光博健康福祉部長 先ほどの答弁の繰り返しとなりますが、看護師は命を預る職業であることから、看護専門学校におきましては、臨地実習において学生の示す行動・態度などに問題がある場合には、ときには厳しいと学生が感じるような指導を教員が行うことはあります。
しかしながら、ハラスメントがあったとすれば、それは容認されるものではありませんので、要望書につきましては、そうした事情も考慮した上で事実確認を行い、適切な対応を考えてまいります。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 私が聞いている事例を御紹介します。「授業中に教員から、ほかの多くの学生が聞いている前で罵倒された」、「実習指導中に水をかけられた」、「患者さんの前で暴言を言われた」といった事例です。これらはたくさんの事例の中でも、ごく一部であるというようにも聞いております。学生さんの側に手順の間違いや誤解があったとしても、一方的に責め立てられるようで学生の側が納得し、理解できるように理論づけて説明されることもなかったということです。残念ながら、およそ指導と言える内容とは言えませんし、指導の名のもとに人格否定に及んでいるような大変許し難い行為であると思います。これが教育・指導の一環と言えるでしょうか。厳しいと感じるような指導もあり得るとのお話でしたが、そう言える範疇を超えているのではないか。度が過ぎているのではないかと考えざるを得ません。これらの事例については、私はいずれもひどいハラスメントであると思います。
そこで、ハラスメントをした教員への対応についてお伺いします。
私はハラスメントをするような教員は、教員として全く不適格であると思いますし、学校にとどまること自体許されないと思います。このような指導が許されている状況は、もはや特定の教員だけの問題ではなく、管理職の責任も免れない事態であって、学校全体の問題であると思います。
先ほど、蒲郡市にはハラスメントの防止及び排除に関する要綱があるとのことでしたが、看護専門学校の教員も、この要綱の対象者であるという理解でよいでしょうか。そうであれば、この教員の言動はハラスメントの防止及び排除に関する要綱に違反する行為であると考えられると思いますが、いかがでしょうか。また、教員にハラスメントに関する要綱を遵守させる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
学生さんから提出された嘆願書では、教員の管理が不適切であり、教員を変更するよう求めています。学生さんにそこまで考えさせる状況になっているということです。お考えをお聞かせいただければと思います。
○稲吉郭哲議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 先ほどのハラスメントの防止及び排除に関する要綱につきましては、職員間のハラスメントを対象とするものでございますので、職員以外の方に対する非違行為等につきましては、法令等に基づき別に判断をしてまいります。教員の言動がハラスメント行為に該当するかどうかにつきましては、今後の調査を踏まえて判断してまいりたいと考えております。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 先ほど、ハラスメント事案が発生した場合には、相談員から人事課長に報告があり、人事課において調査されるという流れであると御説明がありました。また、事案によっては副市長を委員長として、ハラスメント苦情処理委員会が開催されるというお話もありましたが、今回の看護学校での問題には、どのように対処されるでしょうか。私としては、外部の第三者から調査をし、また、対応策を決定すべきであると考えています。内部の調査では様々な利害関係や人間関係に絡めとられて実態を把握することは困難であり、限界があると思います。内部の調査で事実が明らかになるでしょうか。内部の調査ではなく第三者委員会を立ち上げて、学生だけでなく教員も事務職員も対象として、聞き取り調査を実施して実態を把握する必要があるのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
○稲吉郭哲議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 今回は、学校の教員と生徒との間での事案でございますので、ハラスメント苦情処理委員会は職員間のハラスメントを対象とするものでありますので、まずは速やかに健康福祉部におきまして、事実確認の調査を行いたいと思います。
なお、その結果を受けまして、必要に応じまして内部調査委員会、第三者委員会等も含めて開催等を検討し、適切に対応してまいりたいというように考えております。
以上です。
○稲吉郭哲議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 今回、学生さんたちが勇気を持って一歩を踏み出して行動を起こしています。報道によれば、ほかの地域の看護学校では、教員によるハラスメントを理由として、たくさんの学生が自主的に退学したというケースもあるようです。蒲郡においては、そのような大きな事態に至る前に問題が明るみに出たと言えると思いますし、今回の学生さんたちの行動をきっかけとして、今後二度とこのような事案が発生することがないよう前向きに捉えて、再発防止に取り組んでいただくということが重要であると考えます。今後の取組としては、例えば、学校独自に教員と学生の間のハラスメントを防止するための規則を定めることや、スクールカウンセラーの学生向けの相談回数を増やしていただくことなど、よりよい学習環境づくり、学生さんたちが学習に集中できるような環境づくり、安心して学べる環境づくりを実現するような取組を進めていただきたいと思います。
これからも蒲郡市にとって看護専門学校は大変貴重で重要な存在であります。今後も学生さんたちの思いや志に十分に応えられる存在であってほしいと思いますし、学生さんたちの切実な訴えを裏切ることがないよう、今回の学生さんたちの行動を前向きに捉え、看護専門学校が新たに生まれ変わる契機としていただくことをお願いしたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。