◆藤田裕喜議員 議長の許可をいただきましたので、通告の中に従い一般質問をいたします。
今回は、ベビーファースト運動についてお伺いします。
ベビーファースト運動は、2021年から公益社団法人日本青年会議所が主導している運動で、子育て世代が子供を産み育てたくなる社会を実現するための運動です。
子育て世代が暮らしやすいということは、子供にも気遣いがあふれた社会であることだと思いますし、そんな社会は、誰もが暮らしやすい社会であると思います。結婚をしない、子供を産まない、持たない選択や、シングル、里親、養子、同性パートナーなどによる子育てを否定するものでも、これらと矛盾するものでもありません。
しかし、多様な選択肢がある中で、子供を産み育てたいという人たちが抱える経済的な心配、心理的な不安を少なくしていくこと、これは大事なことであると思います。
今、各地の青年会議所が中心となって、各地域の企業だけでなく、地方自治体、また個人を巻き込んで運動が展開されており、既に多くの企業や地方自治体、個人が賛同し、運動に参画をしています。
愛知県内では、8月30日に愛知県知事自ら活動に参画することを表明されました。県内の市町村ではまだ宣言されたところはありませんが、今後、運動が広がっていくことが期待されています。
今回の質問は、蒲郡市においてもこのベビーファースト運動に参画することを宣言し、子育てに関する具体的な取組を推進するための一つのきっかけにしてはどうかという御提案です。
まず、ベビーファースト運動に参画するためには、運動に参画することを市長自ら宣言していただく必要があります。
そこでお伺いします。
このベビーファースト運動に参画すること、ベビーファースト運動会の参画を宣言することについて、私は、ぜひ蒲郡市にもこの運動に参画していただきたいと考えていますが、どうお考えでしょうか。
○柴田安彦副議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 議員御紹介のとおり、ベビーファースト運動は、令和3年度から公益社団法人日本青年会議所が推進している、子育て世代が子供を産み育てたくなる社会を実現するための運動で、令和4年9月8日時点の日本青年会議所のベビーファースト運動のホームページによりますと、全国54自治体、100企業が参加をされております。
愛知県も8月30日にこの運動に参加し、大村知事が活動宣言をされており、県が策定をしております「はぐみんプラン」をさらに推進していく方向であるという記者発表がございました。
本市におきましては、ベビーファースト運動については既に蒲郡青年会議所と協議をしており、年内の宣言を目指して、現在、準備を進めております。
今後、市長による活動宣言及び活動宣言に基づく具体的な行動、アクションプランを示してまいりたいと考えております。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 では、ベビーファースト運動への活動宣言の内容についてお伺いします。
実際に既に運動に参画している自治体における活動宣言を見ますと、具体的な取組施策を明示しているという場合もあれば、単にスローガンやステートメントを発表するにとどまっているという場合もあります。
さらに、施策についても、既存の施策に改めて取り組むことを表明しているという場合もあれば、新規の施策に取り組むことを表明している場合もあります。
青年会議所としても、まずは運動に参画することについて表明をしていただくというところまでを求めており、具体的な取組については参画されている側に任されているという状況です。
先ほど活動宣言にとどまらず、活動宣言に基づく具体的なアクションプランを示していくとの御答弁がございましたが、蒲郡市においては具体的な施策の取扱いについてはどのようにされるのか、お考えをお聞かせください。
○柴田安彦副議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 子どもファーストの推進は、鈴木市長の政策の重要な柱でもあり、これまでも、妊娠期から子育て期にわたる全ての方への切れ目のない支援を推進し、現状においても様々な子育て支援施策に取り組んでおります。
今回のベビーファースト運動における活動宣言につきましても、スローガンのような宣言にとどまらず、宣言に基づくアクションプランも示していきたいと考えており、現在取り組んでいる既存事業の推進と新たな施策が必要かどうかも併せて検討してまいります。
また、市役所だけでなく、市全体でベビーファースト運動の理念が広がり、家庭や地域、団体、企業などにも運動が広がっていくよう、蒲郡青年会議所の皆様とも情報交換しながら進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 もう少し具体的にお伺いしたいと思います。
具体的にどのような行動につなげていくのか、具体的にどのような施策につなげていくのかをお聞かせいただけますでしょうか。
既存の施策をさらに推進するのであれば、どの施策を、どのように推進するのか、新規の施策に取り組むのであればどのような内容か、検討している内容でも構いませんのでお知らせいただけますでしょうか。
○柴田安彦副議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 本市の子育て支援施策につきましては、子育て支援課、教育委員会、健康推進課など、関係各課で様々な取組をしており、今年度につきましても、新生児聴覚スクリーニング検査の費用助成、3歳児健診の視覚検査へのスポットビジョンスクリーナーの導入、また、3歳児から5歳児までの給食費の主食費の無償化など新たな事業も進めております。
今回のベビーファースト運動に基づく具体的な施策や行動につきましては、「子どもを産み、育てやすい蒲郡」の実現に向け、蒲郡子ども子育て支援事業計画や母子保健の推進に基づき、今後、検討してまいります。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。
私の経験から一つ提案をさせていただくとすれば、父親を対象とした子育てに関する教室や講座をぜひ開催していただきたいなと思います。私も、子供が小さい頃から、家族で市の主催する子育てに関する行事やイベント、講座や教室に、できる限り全て参加してまいりました。また、市内の全ての児童館にも子供と遊びに行きましたし、三つの子育て支援センターにも通いました。土日も祝日も平日も行っております。児童館で父親の姿を見かけることは、最近、とても増えてきたと思います。お父さんだけで子供の面倒を見ているという姿で、私は、非常にいい流れだなと思っております。
一方、講座や教室については、パパママ教室を除けば市の主催する講座や教室で父親の姿を見かけることは本当に稀なことであったと言わざるを得ないと記憶しています。父親の参加が私だけだったということも、よくあったと思います。
パパママ教室に父親の参加があるのは、教室の名前に「パパも来てください」ということが明らかになっているからです。他の育児の講座にはそう明示されていないので、父親自身が自分は対象外だと判断して参加していないというように考えることができます。実際には、どの講座のチラシにも「パパの参加もオーケーです」と書いてあるとは思いますが、恐らくそこまで読まれていないか、そこまでの内容が伝わっていないのだと思います。
育児の講座や教室の内容は、母親だけが勉強すればよい内容ではないですし、父親も聞くべき内容であると思います。私としては、ぜひ「初めてのパパ講座」とか、「パパの育児教室」とか、内容やタイトルについてはお任せしたいと思いますが、父親が参加する教室であること、父親も育児するのは当たり前であるということを、講座の名前から示していただくことが重要で、必要ではないかと思っています。そうすることで父親が教室や講座に参加しなくてはならないということが伝わりますし、講座や教室に参加することで父親の意識も変えていけるのではないかと思います。
「育メン」という言葉もはやっているようですが、まだまだ実体を伴っていない。言葉だけが先行して独り歩きをしているような状況ではないかと感じます。ベビーファースト運動を機に、こうした状況も少しでも改善できるように取組をお願いしたいと思います。
先ほど御答弁をいただきましたように、蒲郡市の子育て施策については、子育て支援課だけでなく、健康推進課、さらには教育委員会においても取組がございます。また、子育てを間接的に支援する施策として広く捉えれば、様々な部署で様々な取組が展開されているものと思います。
このベビーファースト運動についても、直接に担当する部署だけでなく、市の子育てに関わる様々な部署が取組を進めていくべきであると考えますが、どのような体制で取り組んでいくお考えでしょうか。
○柴田安彦副議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 本年7月末に、蒲郡青年会議所から市の企画政策課にベビーファースト運動についての意見交換の申し出があり、8月8日に企画政策課、子育て支援課、健康推進課と蒲郡青年会議所での話し合いの場を持ちました。
運動の趣旨や全国の実施状況、また、既に市内の10社ほどがベビーファースト運動に参加する旨もお聞きし、市においても宣言も進めていこうということになりました。
話し合いの中で、宣言するだけではなく、宣言後にどう進めるかが重要であり、体制をどうするのかといった議論をし、所管課につきましては、現在、実際に妊産婦や乳幼児の子育て支援の取組を主に所管している健康推進課が担当することとなりましたが、子育てに係る取組につきましては健康推進課だけで進めることではございませんので、子育て支援課のほか、今後、取組を進める上で関係する部署や地域の団体とも連携し進めてまいります。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 今、御答弁いただきました地域の団体、市内の団体、市内企業、市民の皆様との連携について、もう少し詳しくお伺いします。
このベビーファースト運動については、もともと青年会議所の働きかけで始まった運動ですが、蒲郡市が運動に参画するに当たって、市内のほかの団体や企業に対しても市から運動に参画することを呼びかけてはどうでしょうか。
また、蒲郡市と団体、企業、さらに市民の皆さんを巻き込んだ協働の取組として、イベントの開催なども検討してはどうでしょうか。市として賛同して参画するだけでなく、市全体に運動が広がっていくように、ぜひサポートをしていただければと思いますが、お考えをお聞かせください。
○柴田安彦副議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 子育て支援は、市の取組だけではなく、地域や働く場でも子育てしやすい環境づくりについて理解し、取り組んでいただくことが重要であると考えております。
現在、具体的なイベントなどについては予定をしておりませんが、市全体でベビーファースト運動の理念が広がるよう、地域の企業や団体とともに課題解決のための必要な取組について蒲郡市青年会議所の皆様と情報交換して検討してまいりたいと考えております。
以上です
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ぜひそのように進めていただくようお願いしたいと思います。
続いて、職員向け施策の推進についてもお伺いします。
蒲郡市として、ベビーファーストを宣言するのであれば、市民に対してベビーファーストであるだけでなく、市の職員に対してもベビーファーストである必要があるのではないかと思います。
そこで、職員が子育てしやすい環境を整えるために、現状、どのような取組を実施しているか、また、どのくらいの割合の職員が制度を利用しているかお聞かせいただけますでしょうか。
また、このベビーファースト運動への参画を機に、新たな職員向けの施策を実施したり、既存の施策を見直したりしてもよいのではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
○柴田安彦副議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 職員の子育てに関する制度といたしましては、子が原則3歳になるまで取得できる育児休業をはじめとし、部分休業、育児短時間勤務の制度があり、その取得状況は、育児休業につきましては、令和3年度の正規職員の状況で、女性は対象者37名のうち37名が取得し、100%、男性は対象者16名のうち6名が取得し、37.5%となっております。部分休業や育児短時間勤務につきましては、育児休業終了後の職員の家庭事情等により必要に応じて取得しているという状況でございます。
職員向けの施策としましては、職員が、子が生まれる、養育するなどの相談があった場合に、仕事と子育ての両立のため、これらの新制度の紹介や説明をしておりますが、今年度から育児休業に関わる法改正を踏まえまして、新たに育児休業に関する相談体制の整備をし、育児休業を取得した経験のある職員を相談員として、男女1名ずつ配置をしております。
さらに、今年度からもう一つ新たな措置としまして、管理職員をはじめとする職員に対しまして育児制度に関する研修を実施することにより、子育て世代の職員が子育てがしやすい職場であると感じるような環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 大変よく分かりました。今、制度や仕組みのお話をいただきましたが、普段の業務についてもベビーファーストの視点からぜひ見直しを検討していただけたらなと思います。
例えば、現状、市役所では水曜日だけが早帰りの日になっていると思いますが、例えば、これを他の曜日にまで拡大するとか、一月当たりの早帰りできる日を増やすことなども検討してもよいのではないかと思います。もちろん残業を減らすことや有給休暇を取りやすくすることなども必要です。そうやって子供や家族と過ごす時間を増やすこともベビーファーストの視点からは非常に大事なことだと思います。市として、ベビーファーストを宣言するのであれば、市の職員の皆さんにもベビーファーストであると感じてもらえるような取組をお願いしたいと思います。
2021年から始められた、このベビーファースト運動ですが、青年会議所の組織は毎年変化をしていきますので、今後、一定の成果が得られれば青年会議所としては恐らく区切りをつけていくことになるだろうとは思いますが、市としてはどのようにお考えでしょうか。
蒲郡市のベビーファースト運動は、単年度のみの取組なのか、あるいは今後とも継続していく方向で進めていくのか、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○柴田安彦副議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 本市といたしましては、一定の成果が得られたら区切りをつけるものであるとは考えておりませんので、単年度の取組ではなく、活動宣言の推進に向けてベビーファースト運動の取組は継続していくことになると考えております。
先ほども申し上げましたとおり、このベビーファースト運動は、子どもを産み、育てたくなる社会を実現するための運動で、あらゆる企業や行政を巻き込み、社会全体の空気感を変えて制度をも変えるということを目指しているものであると認識しております。
行政も一宣言者として進めるものでもあり、蒲郡市全体でベビーファースト運動を実現するためには、行政だけではかなえられるものではございません。
この度、この運動の働きかけをしていただきました青年会議所の皆様も可能な限り継続していただき、今後も協働でベビーファースト運動を進めていけたらと考えております。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 私も、御指摘のとおりだと思います。みんなで継続をしていけるようにしていきたいと思います。
ベビーファースト運動からは、参画する団体はホームページにベビーファースト運動のロゴを掲載することや、チラシやポスターを配布、掲示すること、また、SNSにて発信することも求められております。具体的な施策への取組も大事ですが、こうした広報、PRの側面からベビーファースト運動に取り組んでいただくということも非常に大事だと思います。
広報については、先ほどお話のあった、まさに市全体でベビーファースト運動の理念を広げていくための取組ですし、運動を広げていくことで社会全体の空気感を変えて制度をも変えていくということを目指しているわけですから、多くの人に運動を知っていただくことも重要であると思います。児童館や保育園、保健センターなど、市役所の施設にチラシやポスターを掲示することはもちろん、市内の企業や商業施設、店舗においても、チラシやポスターが掲示されるようになるということは欠かせないと思います。
また、市の公式SNSで発信をすること、ホームページに掲載することはもちろん、市内の企業や個人のSNSからもベビーファースト運動に関する発信が広がっていくべきだと思います。市内のあらゆるところでベビーファーストのポスターが見られるようにすることが必要であると思います。
先ほどの御答弁では具体的な取組も進めていくとありましたが、ベビーファースト運動への参画を機に、蒲郡市版のベビーファースト運動として独自の施策に取り組んでいくことも検討してよいのではないかと考えます。例えば、企業や団体などをベビーファースト企業として認定することや、さらなるベビーファーストが実現できるような独自の制度を創設するなどを検討してもよいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○柴田安彦副議長 健康推進監。
◎石黒美佳子健康推進監 現状におきまして、ベビーファースト運動を契機として蒲郡市独自の制度を創設するような具体的な予定は今のところございませんが、ベビーファースト運動は、子育て世代が子供を産み、育てたくなる社会を実現するための運動であります。これは、鈴木市長の政策の重要な柱であります「子どもファースト」が目指すところでもありますので、市民の皆様が、「子どもを産み、育てやすい蒲郡市」の推進に向け、市民へのアンケート等によりニーズを把握し、引き続き力を入れてまいります。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ぜひお願いしたいと思います。
私が感じている「子どもを産み、育てやすい蒲郡市」というのは、やはり地域全体で子育てをする、地域で見守ってもらいながら子育てをするという点にあると感じています。子供が小さい頃から家族でいろいろな子育てのイベントや講座に参加していたおかげで、保健センターの職員さんや児童館や子育て支援センターの職員さんも子供や私のことを覚えてくださっていて、よく声をかけていただけます。とてもありがたいことだなといつも感じております。
最近は、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、すっかり御無沙汰してしまっているのですが、それでも何かの機会にお会いすれば、子供と接したことを覚えていてくださって、共に成長を感じて、喜んでいただけています。保健センターや児童館、子育て支援センターに行く機会を通じて関係性がつくられていき、繰り返し会う機会がつくられることで関係性が深められ、またそれが継続していくということです。このような継続した関係性があるので、今でも子育ての相談をしたり、アドバイスをいただいたりということがあります。
子育ての悩みについては、どうしても家族だけで抱え込んでしまいがちですし、あるいは親だけで抱え込んでしまいがちですが、この抱え込んでしまう状況を解きほぐしていくのが地域の、あるいは行政の一つの役割かなと思います。子育ての悩みは常にあるものですし、悩みの内容も変化していくものです。また、いろいろな問題解決のアイデアがある中で、子供によって合う合わないということもありますし、相談をしながら、あるいは試行錯誤を繰り返しながら、子供も親も成長をしていく。子育てというのは、そういうプロセスなんじゃないかなと、私なりに感じています。いろいろな機会にいろいろな人に相談ができるということは子育てには大変重要なことであると、身をもって感じています。
そして、蒲郡市だからこそこういう状況ができているのではないかと感じています。子供の多い都市部ではなかなかこのような近い距離で見守ってもらうということは難しいのではないか。これは、まさに蒲郡だから地域の中で子育てをする、地域で見守ってもらいながら子育てをするということができているということだと思いますし、それが、まさにこの蒲郡で子育てをすることの大きなメリットであると感じています。
今回のベビーファースト運動への参画を機に、さらに子育てのしやすいベビーファーストな蒲郡が実現するよう取組をお願いしたいと思いますし、私もぜひその一助になれればというふうに考えております。
以上で終わります。ありがとうございました。