◆藤田裕喜議員 続いて2、友好都市についてお伺いします。
市として、様々な政策を企画立案し、実行していく中で、ほかの自治体と協力・連携することがあります。現状も様々な国と都市と町村と、また団体と協力関係にありますが、蒲郡市と友好都市の提携を結んでいるのは沖縄県浦添市だけです。それだけ特別な関係にあるということだと思いますが、今回、この友好都市の提携にはどのような意義があり、どのような可能性を持つものなのか。また、今後新たな展開があり得るのかお伺いしていきたいと思います。
まず(1)沖縄県浦添市との友好都市提携についてです。沖縄県浦添市との友好都市提携は昭和56年であったと思いますが、これ以前より同市との交流や協力があったと聞いています。どのような経緯で関係が始まり、友好都市の提携に至ったのか。まずは、その経緯についてお伺いします。
○柴田安彦副議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 浦添市との関係につきましては、愛知県が昭和37年に愛知県出身の将兵の霊を祭る「愛国知祖の塔」を浦添市に建立したことがきっかけでございます。昭和41年に愛知県において、蒲郡市が行政事務合理化実施市として紹介され、本土復帰以前の米軍統治下における厳しい渡航制約の中、事務研修として浦添市職員が蒲郡市に来られたことが交流の始まりとなります。
昭和47年5月の沖縄本土復帰以後も、市長や議員に限らず、児童を含む多くの浦添市の皆様が蒲郡市を来訪され、スポーツ交歓会を開催するなど、産業や教育面においても幅広く継続的に交流が行われてきました。それらの歴史的背景を踏まえ、昭和56年11月4日に友好都市提携の調印式が行われ、行政だけでなく市民団体等による相互交流が現在まで行われています。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 昭和57年生まれの私からすると、浦添市との交流は小さい頃から既に当たり前にあったものでしたが、実際には友好都市提携の調印に至るまで20年近くの多分野にわたる交流があり、その1つの到達点として友好都市提携があったということが分かりました。
次に、交流の実績について具体的にお伺いします。友好都市提携の締結後、どのように交流を積み重ねてきたのかお知らせください。
○柴田安彦副議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 行政間の交流といたしましては、友好都市締結後、10周年ごとの節目の年には行政団や市民団体等からなる交流団が相互に行き来し、文化交流等を図ってきまいりました。
そのほかにも、直近では30周年のときに「災害時の情報発信に関する応援協定」を締結し、職員間においては夏のクールビズの一環としまして「かりゆしウェア」を毎週火曜日に着用したり、令和2年には、火災により甚大な被害を受けた首里城の再建を支援するための募金活動なども行っております。
また、市民団体間におきましても、市内のスポーツ団体や文化団体をはじめ様々な団体が互いに自主的に行き来をし、交流を通じて友好関係を深めてきております。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 続いて、友好都市提携がもたらした影響についてもお伺いします。友好関係を続けてきたことで、お互いにどのような影響があったのか。双方の市民にとってどのような機会がもたらされ、それがどういう効果を生んでいるか。お考えをお聞かせいただけますでしょうか。また、併せて、浦添市の方からの蒲郡市との友好に対する評価や期待の声と、浦添市との友好に対する蒲郡市民の声などございましたら御紹介をいただければと思います。
○柴田安彦副議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 必ずしも友好都市提携が契機ではございませんが、市民団体間での相互交流については、異文化・多文化を知り、多様性を育む機会であり、10周年ごとに実施する交流事業につきましては、互いの市の代表するお祭りの場で伝統的な演舞・演奏等を披露していただくなど、より多くの皆様に両市の文化に触れていただける機会にもなっております。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期し、今年度実施しました40周年記念交流におきましては、浦添市行政団・交流団の方々に蒲郡まつりにお越しいただいた際に、浦添市の方々からは、「心温まる歓迎に感動しました」、「すばらしい花火が最高のお土産です」などの感想をいただいております。
また、受入れをしました蒲郡市の交流団からも、エイサー等の伝統芸能を現地に行かずとも、子供から御高齢の方までが間近で演舞を見たり、演奏した太鼓を介して交流したり、大変よい経験になったと伺っております。
一方で、浦添市との交流の元となった「愛国知祖の塔」は、日本の歴史的背景を学んでもらうきっかけにもなるもので、平和教育の観点においても貴重で後世に引き継いでいくべきものであると感じております。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 私も本年の交流行事で浦添市の方々の棒術や空手の演舞、また、エイサーを拝見しましたが、いずれも沖縄の現地に行かないと見られないようなものばかりで、大変感激をいたしました。今後も私としても浦添市との関係をぜひ大事にしていきたいと思います。
続いて、友好都市に関連して、(2)蒲郡市における国際交流についてお伺いします。
今回は蒲郡市内における国際交流ではなく、対外的な関係性、対外的な国際交流に絞ってお伺いしたいと思います。蒲郡市においても、これまで様々な国との交流関係を持ってまいりました。特に2005年平成17年に開催された愛・地球博を機にポーランド共和国とバヌアツ共和国との交流が生まれ、特にポーランドとの交流については現在まで続いてきております。また、民間のレベルでも、様々な国や地域との交流が続けられてきております。まずは、蒲郡市における国際交流事業の実績についてお伺いします。
○柴田安彦副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 本市の国際交流事業としましては、蒲郡国際交流協会事業として、愛知万博「一市町村一国フレンドシップ事業」の相手国であるポーランド共和国との交流事業を毎年続けてきております。近年では、平成28年度はポーランド少年少女合唱団の公演会、平成29年度、30年度には、ポーランドのピアニストであるマレック・ブラハ氏のピアノコンサート、令和元年度はポーランド少年少女舞踊団の公演会を開催しております。その後、令和2年度、3年度は新型コロナウイルス感染症の蔓延により交流事業を実施できておりません。
また、蒲郡国際交流協会事業ではございませんが、ニュージーランドギズボーン市とは、1996年7月27日に蒲郡港とギズボーン港の姉妹港提携に関する協定を結び、ギズボーンフォトコンテストなどにより交流を図っております。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 今御紹介いただきましたポーランドとの交流についてですが、今後予定されている事業やイベントなどがございましたら御紹介いただければと思います。
○柴田安彦副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 国際交流事業の今後の予定につきましては、令和4年度は、令和5年1月9日にマレック・ブラハ氏のピアノコンサートを蒲郡市民会館大ホールにて開催いたします。また来年度には、4月16日から19日の予定でポーランド少年少女舞踊団にお越しいただき、受け入れてくださるホストファミリーとの交流や、舞踊公演など、交流事業を行う予定となっております。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 これまでのポーランドとの国際交流についてどのような意義があるか、また、どのような影響を蒲郡市にもたらしているかお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○柴田安彦副議長 市民生活部長。
◎飯島伸幸市民生活部長 国際交流事業では、主に音楽や舞踊を通した交流を図ってまいりました。その際には、音楽祭の開催や、学校での演奏会や文化交流、また、来日した子供たちのホームステイなど、本市での活動を通して、生徒児童をはじめとする多くの市民の皆様にポーランドの伝統や文化に触れていただくよい機会になっていると感じております。
ホストファミリーとして受け入れをしてくださった御家庭の方々のアンケートでは、食事面など苦労もあったようですが、子供同士の交流や異文化体験を楽しんでいただけた様子を感じ取ることができ、ポーランドの子どもたちにとっても同様に、異文化を体験できる経験として財産になっているのではないかと思っております。
交流事業を通して本場の演奏や演舞を見ること、触れることは、子供たちの視野が広がることにもつながると考えております。今後も、フレンドシップ事業の御縁を大切に、交流事業を継続してまいりたいと考えております。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 ぜひ、この御縁を大切にして、今後も交流を続けていただきたいと思います。
最後に(3)今後に向けてお伺いします。
友好都市について、私なりにその重要性、必要性について改めて述べるのであれば、それは友人を増やすようなものではないか。頼れる相手を増やすこと、あるいはつながりを増やすことに尽きるのではないかと考えております。それは何かのときに力を貸してくれるような相手であり、こちらも何かがあれば協力するという相手であることです。友人となるためには、自分から友人になることも必要ですし、積極的に働きかけていくことで関係を維持していくということも時には必要です。そしてそのための機会や努力は惜しみなく続けていく必要があるのではないかと思います。そうして積み重ねてつくられる関係性は大変得難いものであると思います。その意味では、単にお互いに行き来するだけではなく、多様な関係の深め方も模索していくべきであると考えます。もっと踏み込んだ友好関係、協力関係の在り方も考えられるのではないかと思います。
具体的には単に人的なつながりや文化的な交流の機会を持つだけでなく、ビジネスの機会をつくり出したり、あるいはそれを拡大したり、学びの機会を新たにつくり出してもよいと思います。知識やノウハウ、アイデアや実践例を共有したり、あるいは交流をして楽しむ機会でもよいでしょうし、助け合うような関係でもよいと思います。子供たち、学生がお互いに留学するような関係として、ホームステイなども含めてお互いの学校で交流を図ることもできますし、企業であれば支店や工場、事務所を現地で展開するということも考えられます。お互いの都市で移住する可能性もあるでしょうし、災害などが発生した場合には義援金を送ることやボランティアとして現地に向かうことも考えられます。
共同の事業を実施することや、友好都市だからこそ優遇するといった施策まで広げていくことも視野に入れて考えてよいのではないかと思います。そのくらい特別な関係として発展させていくことも考えてもよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。今後の友好都市に対しての考え方をお伺いします。
○柴田安彦副議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 友好都市提携などの取組は、行政や市民団体等の間で時間をかけて継続的に関係性を築いた結果として結ばれるものと認識しております。今後におきまして、そのような関係に発展し、つながるものが出てきた際には、新たな友好都市提携なども視野に入れ、検討していきたいと考えております。
以上です。
○柴田安彦副議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 現状の関係を維持し、また深めていくことを期待しながら、しかし新たな関係も模索し、つくっていただく、つくり続けていただくことについても期待したいと思います。
以上で終わります。どうもありがとうございました。