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蒲郡市で開催されている日本語教室について(2024年3月・一般質問)

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 続いて、3、市で開催されている日本語教室について、お伺いします。
 まず、(1)現状についてです。
 蒲郡市において開催されている日本語教室は、蒲郡国際交流協会が主催している教室と蒲郡市が主催している教室の2種類があろうかと思います。まずはそれぞれの教室の概要と特徴について、お知らせいただけますでしょうか。

○青山義明議長 市民生活部長。

◎飯島伸幸市民生活部長 市内には、蒲郡国際交流協会が開催している日本語教室が3教室及び市が開催している日本語教室が2クラスございます。
 まず、蒲郡国際交流協会の教室につきまして、勤労福祉会館の教室では日本語能力試験受験を考えている人を対象にした試験対策を、大塚公民館の教室では子どもから大人までを対象に宿題のサポートや日常会話を、塩津公民館の教室でも子どもから大人までを対象に、ひらがなや漢字の学習、日常会話、受験勉強のサポートを中心に開催を続けられております。市主催の日本語教室につきましては、多文化共生施策の推進を図るため、蒲郡国際交流協会の教室と連携し、教室の内容等を関係者で検討しなから令和2年度から開催しているものでございまして、主に初級レベルのクラスを2クラスに分けて実施をしております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 大変よく分かりました。
 では、次に、(2)日本語教室の意義や役割について、お伺いします。
 蒲郡国際交流協会が主催する日本語教室は大変歴史が古く、30年近い歴史があると聞いております。当初は一つの教室だけでしたが、平成20年、2008年には大塚教室が始まり、平成21年、2009年には塩津教室が始まりました。蒲郡市に暮らす外国籍住民の数も増加傾向が続いております。今現在、市のホームページで確認できる一番古い統計は平成18年、2006年1月1日現在の数ですが、当時1,809人でした。これが令和6年、2024年1月1日には3,482人まで増えております。約2倍の数になっています。海外から多くの方が蒲郡にいらっしゃり、中には蒲郡に定住された方もいらっしゃいますし、母国にお帰りになった方もあると思います。また、今後の見通しとして、この傾向がずっと続いていくかどうかは分かりませんが、しかし、現状として、既に3,000人を超える外国籍の住民の方がこの蒲郡市で暮らしているという事実は踏まえておかないといけないと思います。
 令和4年、2022年3月には、蒲郡市では多文化共生推進プランを策定されました。その中にも日本語教室に関わる内容があると思いますが、市として日本語教室をどのように捉えているか。特にその意義や蒲郡市における役割について、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

○青山義明議長 市民生活部長。

◎飯島伸幸市民生活部長 本市では、外国人市民の増加の状況等を踏まえ、令和4年3月に蒲郡市多文化共生推進プランを策定し、基本理念である「お互いを認め合いともに生きるまちがまごおり」を目指し、多文化共生施策を推進しております。日本語教室は外国人市民のコミュニケーション支援の面で非常に重要な施策だと考えており、また、日本語学習だけでなく、日本文化への理解や体験のほか、日本人とのコミュニケーションの場でもあり、地域社会への多文化共生の意識づくりへもつながっているものと考えております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 私自身も、かつて日本語教室でボランティアをしていた経験がございます。私がボランティアをする中で出合った方は20歳前後でフィリピンの御出身でしたが、3年間、日本で働きながらお金を貯めて、語学も覚えて、そして、フィリンピンに戻ったら日本語でビジネスをしたいとおっしゃっていました。そのとき既に日本語能力試験のN3を目指すというレベルで、大変向上心にあふれており、私の話す日本語からも積極的に、また、貪欲に学び取ろうとしている姿勢で、その姿は本当に感服をいたしました。その後見事N3には合格をされました。
 また、その方が大変すばらしいなと思ったのは、自分より後に日本にいらした方に、自分が習った日本語を教えていらっしゃるということでした。職場の後輩に教え、また、日本語教室に連れてくるということはもちろんですが、同じ日本語教室に通うほかの生徒さんとも教え合い、学び合うような光景を私も何度も目にし、大変頼もしく感じました。お仕事についてはもちろんしっかりされていらっしゃいましたし、国際交流協会が主催するイベントにも積極的に参加されており、単に日本語教室で自分自身のスキルアップを目指すということにとどまらず、自ら進んで市民の皆さんとのコミュニケーションもされ、お互いの理解も深め、友好関係も築いていらっしゃるようでした。まさに模範的なまでに蒲郡市における多文化共生に大きく貢献してくださっていたと思います。この方が本当に御自身の夢を実現されたら、将来、日本や蒲郡とフィリピンの友好のかけ橋となってくださるような存在であると思います。
 日本語教室というのは、こうした方との御縁を大切にできる場、深められる場であると思いますし、こうした経験をできるだけ多くの蒲郡に縁あって海外からいらっしゃる方々の一人一人に持っていただきたい、感じていただきたいと思います。そのためにも日本語教室という場が今後も継続できること、海外から来られる方々に十分な対応ができることが必要ではないかと思います。
 そこで、(3)日本語教室の今後について考えていきたいと思います。私から大きく4点ほど御提案をさせていただきます。
 1点目に、ボランティアの皆様への報酬の支給についてです。
 現在、国際交流協会が主催している日本語教室はボランティアの皆様によって運営されており、学習者の皆様の参加費用はもちろん無料ですが、ボランティアの皆様も無償で日本語を教えていらっしゃいます。ボランティアの皆様は御高齢の方も多く、今後の教室の運営に不安を感じていらっしゃるという声も聞いております。今後も日本語教室を継続していくためには、若い世代の方々にもボランティアとして参画してもらう必要がありますが、そのためにはボランティアにも報酬を支給するということも考えなくてはならないのではないか。これまでのような報酬なしという状況では、ボランティアも今後さらに集めにくくなってしまうのではないかと感じます。
 そこでお伺いします。
 まず、蒲郡国際交流協会の主催する日本語教室に対して、蒲郡市からの財政的な支援は現状何かあるのでしょうか。

○青山義明議長 市民生活部長。

◎飯島伸幸市民生活部長 蒲郡国際交流協会は、多文化共生部会、友好親善部会、広報・渉外部会、観光・経済交流部会が設置されており、日本語教室を含めた多文化共生の地域づくり推進事業のほか、多文化の理解、国際的な市民意識の高揚事業など主に八つの事業を行い、本市の国際化推進を図っていただいている団体でございます。市からは協会への負担金として年額50万円をお支払いしております。日本語教室の活動費につきましては、協会予算の中で材料費等教室開催に必要な費用等を出していただいております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 日本語教室を持続可能なものにしていくための一つの方策として、日本語を教えるボランティアの方々に対して報酬を支給するということも検討していく必要があるのではないかと思いますが、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

○青山義明議長 市民生活部長。

◎飯島伸幸市民生活部長 本市の日本語教室は、蒲郡国際交流協会及び市が連携し、充実した学習機会を確保できているものと考えております。しかしながら、教室運営におきましては、ボランティアの方々の御協力なくしては成り立たない現状もございます。今後も協会と連携し、報酬等を含め、各教室の課題を共有しながら、よりよい日本語教室の運営に向けて検討してまいりたいと考えております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 分かりました。
 次に、ボランティアの募集についてです。
 日本語教室での日本語指導に携わるボランティアの募集についても、それぞれの日本語教室で大変苦労をされていらっしゃいます。長く継続的に携わってくださる方はもちろんいらっしゃいますが、様々な事情があって短期間しか関われないという人や、定期的には参加しにくいという人などいろいろな方がいらっしゃいます。それはそれで致し方ないことだとは思うのですが、毎回の教室に集まるボランティアの数も変動があることは事実です。また、新規でボランティアをしたいという方が実際にはかなり限られているという状況もございます。これは今後の日本語教室の運営に関わる大きな問題であると思います。ボランティアの募集についても市からの支援を検討していただけないかと思いますが、お考えをお聞かせください。

○青山義明議長 市民生活部長。

◎飯島伸幸市民生活部長 蒲郡国際交流協会が主催する日本語教室のボランティア募集につきましては、協会においてチラシやFacebook等による募集を行っていてくれております。また、本市の多文化共生施策におきましても、市の広報紙等への掲載のほか、市主催の日本語教室で募集し、参加いただいたサポーターの方々へ協会の日本語教室を案内するなど周知に努めております。引き続き関係者の方々と連携しながらボランティアの募集に努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 分かりました。
 3点目に日本語教室の学習レベルを上げることについてです。
 現状、市が主催している日本語教室については、いずれも初期もしくは初級レベルが設定されておりますが、国際交流協会の主催する教室においては特にレベルの設定はなく、教室にいらっしゃった方々のレベルに合わせて日本語を教えるという形になっております。私がボランティアをする中で感じていたのは、日本語を学びたいという方々のニーズには確かに初級レベルに対するニーズがあることはもちろんですが、それよりも中級レベルや上級レベルを求めるニーズも大きいのではないかということでした。特に語学の場合は学習内容が難しくなればなるほど独学が困難になる傾向にあります。これは恐らく日本語学習に限らず語学一般に言えることではないかと、私自身もこれまで語学の学習に苦しんできた経験からも感じることですが、自分の語学のレベルを上げていくためには、ネイティブスピーカーが話すのを聞いたり、ネイティブスピーカーと実際に話してみて初めて単語や熟語の使い方が分かる、体得できるということが実際にあり、私自身もそれを何度も経験してまいりました。
 私が日本語教室でボランティアをしていた際にも、教室に来ていた生徒さんから質問を受けました。あちら側と向こう側はどう違うのかという質問でした。私は答えに窮しまして、説明にも大変苦戦をいたしました。確かにあちら側と言って、それが向こう側を指していることもありますし、向こう側のことをあちら側と言うこともありますし、そもそもこの両者を明確な距離などで区別しているわけでもないので、どう説明したら分かってもらえるのだろうかと大変悩みました。答えとしては、これは使い方の問題であって、あるいは文脈によって変わるということだと思うのですが、私はそのとき教室の中でしたので、図を描いたり、部屋の中の遠くを指さしたりして説明を試みましたが、いま一つ理解してもらえなかったように記憶しております。あちら側と向こう側の違いについて、皆さんだったらどのように説明されるでしょうか。
 このような言葉の使い分けというのは独学で理解するのは難しくことが多いです。辞書を引いたり、問題集を解いたり、教科書を読んだりしただけできちんと使い分けができるようになるかどうか、これはなかなか疑問が大きく残ります。そして、これはやはり教室の中で説明することも困難で、実際に日本で暮らしてみてネイティブスピーカーと生活や行動を共にする中で徐々に体得していくしかない感覚ではないかと思います。
 そして、こういうところにボランティアの存在がその真価を発揮すると言ってもいいのではないかと私は感じています。現実に日本語教室ではこうした質問も出るくらい日本語に習熟されている方もいらっしゃいますし、このようなニーズを大事にしていくという視点も必要なのではないかと感じます。実際に日本語能力試験の問題の中には、例えば、N2のレベルで言えば同音異義語の使い分けもありますし、類義語も出るし、ある程度長い文章を読んで内容を理解するという問題や、意味が通るように空欄に適切な文を入れるといった問題も出ます。リスニングもあります。こういう段階こそ日本語教室でのサポートが必要ではないかと感じます。具体的な提案としては、日本語能力試験のN3やN2と言った中級や上級のレベルについても、市の主催する日本語教室でサポートしていくことを考えてもよいのではないかと思います。
 中級レベルに達することができれば、例えば、できる仕事の範囲が広がるという可能性もあります。人によっては日本語レベルが在留資格に関わるという場合もございます。そしてもちろん、地域の中で、ふだんの生活の中で、市民の皆さんとのコミュニケーションをさらに深めることもできます。地域の行事に参加していくこと、地域の役割を引き受けていくこともできるようになるでしょう。
 初級より上のレベルについては個人のスキルアップであるという向きもありますが、結果として日本語のスキルが向上していくことは、日本語を学ぶ皆さんも、共に暮らす私たちもコミュニケーションが取りやすくなるので暮らしやすくなる、働きやすくなるということにつながります。つまり双方にメリットがあるウィン・ウィンの関係であると言うことができると思います。日本語教室における学習のニーズを細かく区分けして、役割分担を明確にして、受講者の振り分けを意識してもよいのではないかと思います。そうすることでボランティアも参加しやすくなると思います。初級より上のレベルの日本語教室を市主催で開催することについて、お考えをお聞かせください。

○青山義明議長 市民生活部長。

◎飯島伸幸市民生活部長 愛知県が令和4年3月に策定した「愛知県地域日本語教育の推進に関する基本的な方針」では、生活者として必要な日本語学習機会を保障し、基礎段階の日本語レベルを目指すとしており、県内市町村の役割として初期日本語教室の実施が求められております。本市におきましても、これまで初級レベルの日本語教室を中心に開催しており、引き続き必要なクラスだと考えておりますが、参加者ニーズのほか、各教室の現状や課題を関係者と話し合いながら、レベルも意識した日本語教室の体制づくりに努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 ぜひお願いしたいと思います。
 4点目に、教室の偏在という課題です。
 現在の日本語教室は、国際交流協会の教室が塩津、大塚、勤労福祉会館で、また、市主催の教室は市民会館と生きがいセンターで開催されておりますが、形原や西浦、三谷などの地域からはいずれも参加しにくく感じられます。もう少し開催地域を分散するということも検討できるのではないでしょうか。
 今後の日本語教室の開催にあたっては、開催場所についても選択肢を増やすような形でいろいろな地域で開催していただくなど御配慮をいただけないかと思います。お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

○青山義明議長 市民生活部長。

◎飯島伸幸市民生活部長 本市の日本語教室は、蒲郡国際交流協会の日本語教室を担ってくださっている先生方に御協力をいただきながら運営をしております。今後もお互いに連携し協力しながら日本語教室の体制づくりを図っていく必要があると考えております。開催地域につきましても協会の方々と連携し、今後、検討していかなければならない課題として捉えております。
 以上です。

○青山義明議長 藤田裕喜議員。

◆藤田裕喜議員 ぜひとも日本語教室のボランティアをされている方々とも改めて話合いの機会などを持っていただき、今後も日本語教室が持続可能で、海外から蒲郡にいらっしゃる方々のみならず、蒲郡の地域のためにもなるようお力添えをお願いしたいと思います。そうすることで蒲郡市が多文化共生できるまち、お互いを認め合いともに生きるまちが真に実現していくと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

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