◆藤田裕喜議員 次に、2、公益通報者保護制度について、お伺いします。
公益通報者保護制度とは、企業や国、自治体における様々な不祥事が、内部の従業員や職員による告発を契機として明らかにされてきたという背景を踏まえて、組織の不祥事の早期発見や自浄作用の機能向上、内部監査機能の強化、法令遵守の体制づくりを進めるとともに、公益通報をした人が不利益を被ることがないような環境を整備することを定めた制度です。
平成16年、2004年に公益通報者保護法が制定され、平成18年、2006年4月に施行されましたが、蒲郡市においても同年の7月に蒲郡市公益通報取扱規則が定められております。同年6月の蒲郡市議会においても取り上げられている課題です。
市役所における公益通報者保護法への対応としては、職員などから内部通報を受け付ける窓口というだけでなく、民間業者からの通報を受ける窓口にもなり得ます。また、全ての職員の皆様が市役所内部における不祥事を通報する通報者ともなる可能性があります。それぞれの場合において対応できるようにしておくため、市としての体制整備、環境の整備が必要であると考えます。
今回は、取扱規則が定められて以降、どのように制度をつくってきたか、また、実際にどのように運用されてきたかといったことについて、順次お伺いしていきたいと思います。
まず、(1)蒲郡市における公益通報者保護制度の現状について、お伺いします。
まず、これまでに蒲郡市において公益通報に該当する事案があったかどうか、お知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 公益通報に該当する事案はありません。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 では、公益通報の要件は満たさなかった事案について、すなわち通報は受けたものの法令違反ではなかったという場合や、通報を受けて調査をしたものの事実が認められなかった場合など、これまでに通報があった件数について、お知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 通報もございません。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。
次に、(2)取扱いの流れについて、お伺いします。
公益通報について担当する部署はどこで、どのようなプロセスで対応することとなっているでしょうか。これは、内部からの通報と外部からの通報の場合と異なっていると思いますが、それぞれの場合について、お示しいただければと思います。
○青山義明議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 公益通報は総務部行政課が所管をしております。
取扱いの流れにつきましては、蒲郡市公益通報取扱規則で定めているとおり、総務部行政課長において受け付け、処分や勧告の権限を有する所管課長に開示するとともに、その内容を市長に報告をいたします。その後、主管課において必要な調査を行い、公益通報に係る内容が真実であると認めたときは法令に基づく措置等を講ずることとしております。
また、内部の職員からの通報の場合につきましては、行政課長のほか外部相談員に通報することも可能としており、外部相談員が公益通報を受け付けたときは企画部人事課長に報告し、人事課長がその内容を市長に報告します。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 公益通報者が保護される体制について、また、通報内容に関する秘密の保持、さらには通報内容に関連する個人情報の保護について、それぞれどのような措置を取っているか、具体的にお知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 公益通報者の保護につきましては、通報者の個人情報や通報の内容を漏らさないようにするなど秘密の保持を十分に認識しながら事務処理を進めるとともに、通報者を特定することないよう規則でも規定しているところでございます。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、公益通報に関する相談窓口について、お伺いします。
公益通報に該当する可能性があると考えられる事案について、相談ができるような窓口が設置されているでしょうか。また、窓口が設置されている場合、相談を受け付けているのはどのような立場の方なのか、また、その実績についてもお知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 公益通報に関する相談窓口は、外部の指定管理者や委託先事業者の労働者の場合は、通報の受付を含め、総務部行政課において相談を受け付けております。相談の実績はございません。
○青山義明議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 市職員の相談窓口につきましては、蒲郡市職員による相談窓口と別にヘルプラインを設けております。このヘルプラインは、法令等に違反、または違反するおそれがある事実や職場におけるハラスメントについての相談などを対象とし、外部相談員である顧問弁護士に通報や相談することができる仕組みとなっております。
なお、外部相談員、ヘルプラインへの直近5年間の相談係数としましては、令和2年に1件、令和元年に2件という結果になっております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 職員相談窓口、ヘルプラインに連絡があった場合においても通報者が保護される体制があるのか、また、通報内容に関する秘密の保持や個人情報の保護についても対応できているのか、お知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 通報者が職員である場合も、正当な通報をしたことによって不利益な取扱いを受けることがあってはならないものでございます。ヘルプラインへの相談等は、原則実名で行うよう周知しておりますが、通報者の個人情報を守るため、職員自身の労働環境に影響がある場合は匿名での相談等も可能としております。公益通報に関わる通報者の氏名や文書等については、非公開の取扱いとして秘密の保持を図っております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、(3)公益通報者保護制度の周知について、職員向けの周知と対外的な周知のそれぞれについて、お伺いします。
蒲郡市において、これまでに公益通報がないということは、不正な事案がないということでもあると思いますが、一方で、制度について十分に周知されていない、あるいは制度を知っていても利用方法が分からないといった状況にある可能性も考えられます。市役所の職員の皆様は、例えば、電話を取ったときに、あるいは所属部署の受付で公益通報に該当する通報を直接受ける可能性があります。予期せず急に対応を迫られる場面もあり得るとは思いますが、その場合において、果たして適切に対応ができるかどうか。例えば、担当部署が違った場合、正しい部署につなげることができるかどうかといったことも十分に懸念されることです。
そこで、公益通報者保護制度に関する職員向けの研修や周知について、どのように実施されているか、お知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 企画部長。
◎大森康弘企画部長 制度についての職員への周知でございますが、毎年、年度初めに職員向け掲示板のグループウェアにおきまして、公益通報含め、ヘルプラインに通報や相談することができる旨を周知をさせていただいております。
また、グループウェアでの周知と併せまして、各所属にカラーのチラシを配付し、所属職員の目につくところに掲示するとともに、研修においても制度の周知徹底を図っているところでございます。今後も定期的にこの制度を周知徹底することにより、公益通報による適切な対応を含め、全ての職員が働きやすい職場環境づくりに努めてまいります。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、対外的な周知についてもお伺いします。
現状、市のホームページにおいては、公益通報者保護制度の制度の内容や連絡先の窓口についてなど、全く情報が掲載されておりません。また、今のところ、そもそも蒲郡市においては公益通報そのものがないという状況ですが、ないならないという状況自体を公表しておくということも重要ではないかと思います。通報がないという事実自体が、蒲郡市においては不祥事がない、不正がないということ証明しているからです。これを対外的にも明らかにしておくことは、市政に対する市民の信頼性の向上にも寄与するものであると考えられます。
消費者庁の「公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関するガイドライン」においても、本制度の透明性を高め、客観的な評価を可能とするため、運用状況に関する情報を定期的に公開することとされております。蒲郡市においても、公益通報者保護制度について、ホームページにおいて紹介し、その運用状況についても情報公開をしておくことは必要ではないかと考えますが、お考えをお聞かせください。
○青山義明議長 総務部長。
◎平野敦義総務部長 藤田裕喜議員の御指摘のとおり、対外的な周知も重要なことというように考えております。
本市では、公益通報の取扱いについて、「要綱」ではなく「規則」として定めることにより、インターネットで広く公表しております。
また、規則制定時には、広報がまごおりにおいて、制度の概要や通報することによる不利益取扱いを受けないことなど、お知らせをしております。また、消費者庁が作成した公益通報ポスターを市の関係課だけでなく、指定管理者にも配付することで周知を図っているところでございます。
公益通報者保護制度を適切に利用していただくためには、さらなる周知が必要と考えております。御提案のありました制度及び運用状況等のホームページへの掲載のほか、広報がまごおりに定期的なお知らせを掲載するなど、効果的な周知を検討してまいります。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。蒲郡市における公益通報者保護制度の現状については、大変よく分かりました。この制度が使われないことがやはり望ましいとは思いますが、使われなければならないときにはちゅうちょなく使えるようにしておいていただくこと、その準備をしておくことは重要であると思います。また、いま一度、消費者庁のガイドラインも御確認をいただき、ガイドラインに沿った適切な運用、また、周知、研修の徹底を今後もお願いしたいと思います。
この件について以上です。ありがとうございました。