◆藤田裕喜議員 次に、2、市内の小中学校におけるスクールソーシャルワーカーについてお伺いします。
まず、(1)これまでの実績と現在の状況についてです。令和5年度、2023年度から学校教育課において1名、スクールソーシャルワーカーを配置していただいていると思います。まず、実績についてお伺いします。昨年度は何件の相談があったのかお知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 昨年度は16件の相談をいただいております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 では、今年度の状況についてもお伺いします。今年度はこれまでにどのぐらいの相談があったでしょうか。また、昨年度から引き続いて対応をされているという案件も含めて、現在進行中の案件数はどのぐらいあるでしょうか、お伺いします。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 今年度は、8月末までに継続が13件、新規で5件の18件に対応しております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 学校の先生方や地域の方々、保護者の方々にスクールソーシャルワーカーの存在や役割というものが徐々に認知されてきているのかどうか。これは実感ベースで構いませんので、お感じのところをお聞かせいただけますか。また、子供たちにはどのように認識されているか、併せてお知らせをいただければと思います。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 今年度、4月の校長会で研修の機会を設け、スクールソーシャルワーカーの存在や役割について周知をしております。また、実際に学校へ出向いて、スクールソーシャルワーカーの活用方法でありますとか、具体的な事例についての職員研修も実施しています。
現在は、関係各課との連携や仕組みづくりに取り組んでいる状況であり、広く地域や保護者に相談窓口としての周知はこれからと考えております。児童生徒には、スクールカウンセラーへの相談を勧めている状況で、相談内容によって、学校からスクールソーシャルワーカーにつないでいる状況でございます。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 費用についてですが、過去の議会答弁では、半額を県が負担するという見込みであったと思いますが、実際に費用の負担についてはどのようになっているか、お知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 スクールソーシャルワーカーの採用に当たりましては、県が3分の1を負担している状況であります。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 半額ではなく3分の1になったということですね。了解をいたしました。
次に、(2)果たしている役割についてお伺いします。スクールソーシャルワーカーの方に期待されている役割として、過去の議会答弁では教育分野に関する知識に加えて、社会福祉等の専門的な知識・技術を用いて児童生徒の置かれた様々な環境に働きかけ、総合的に支援を行うとされています。
そこでお伺いします。現在配置されているスクールソーシャルワーカーの方は、どのような専門的知識・専門分野をお持ちで、どのような資格を有している方かお知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 大学のほうでは「臨床福祉学科」を専攻し、社会福祉士の資格を有しております。また、市の適応指導教室「あすなろ教室」で家庭教育相談員を経験した後、スクールソーシャルワーカーをお願いしております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、スクールソーシャルワーカーの方が仕事をする流れ、相談を受け付ける流れについて、お知らせいただけますでしょうか。スクールソーシャルワーカーの方が、どのように仕事を進められているのか、何が端緒となって、どのように相談を受け付け、解決につなげているのかという点について、一般的なケース、大まかな流れで構いませんので、お知らせいただければと思います。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 スクールソーシャルワーカーの活用につきましては、学校からの相談を受け、学校教育課の担当課長補佐とともに対応しております。まずは学校から状況を伺った上で、スクールソーシャルワーカーの介入が必要な場合は、保護者の同意を得た上で関係機関から情報を収集して適切な対応をしています。虐待案件のように早急な対応が必要な場合は、保護者の同意を得る前に対応することもあります。その後は、必要に応じてケース会議を持つこともありますが、学校長をはじめ校務主任や担任、養護教諭等の学校関係者とオンライン上で支援チームを作成し、情報共有できる体制をつくって対応をしております。
スクールソーシャルワーカーの対応案件は、各学校が児童生徒の変化や厳しい家庭状況を認識した上で、学校での対応が難しいと判断した場合に相談を受けることがほとんどであります。その後、状況を把握して適切な対応をコーディネートしています。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 スクールソーシャルワーカーの方には、様々な御相談に乗っていただいていると思いますが、市においては、これまでもこども家庭センターや、子ども・若者相談窓口があり、それぞれ家庭や保護者からの相談、子供・若者向けの御相談を受けていただいていたと思います。これらの相談窓口とスクールソーシャルワーカーの方との役割はどのように違うのか、どのように役割分担をしているかお知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 市の相談窓口は、保護者がお子様の不登校やひきこもりなど、子供の育ちに関する相談が多く、その中で必要に応じて教育委員会や学校へ連絡をいただき、スクールソーシャルワーカーが支援に至ることもあります。現時点でスクールソーシャルワーカーが直接、当事者から相談を受けるケースはなく、学校と家庭、関係機関をつなぐコーディネーターであるという理解をお願いいたします。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 スクールソーシャルワーカーは相談を受ける役割というよりは、コーディネーターの役割を担っているということで、この点は理解いたしました。
スクールソーシャルワーカーの方にも、要保護児童対策地域協議会に御参加いただいているといった場合もあるのでしょうか。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 要保護児童対策地域協議会実務者会議には、毎回、スクールソーシャルワーカーが参加をしております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 次に、対象者についてもお伺いします。支援を継続している中で、小中学校を卒業してしまった場合、高校に進学したり、就職したりした場合において、対象者の年齢によって支援が終了してしまう、支援ができなくなってしまうということがあるでしょうか。年齢にかかわらず、支援は継続していくことができるのでしょうか。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 基本的には、中学校卒業後には次の進学先、就職先等と情報共有し、それぞれの学校や地域の支援機関に支援の継続を依頼して行く方向で対応します。また、今後、困ったことがあればどこに相談すればよいかについても確実に保護者に伝えています。中には、兄や姉が中学を卒業しても、弟や妹がいる関係で継続支援の場合もあります。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 効果の検証についてもお伺いします。スクールソーシャルワーカーの方に、学校や子供たち、保護者の方に関わっていただくことによって、どのような変化が生じているでしょうか。また、御相談いただいた案件が、スクールソーシャルワーカーの方が関わることによって実際に解決につながったような事例があるかどうか、お知らせいただけますでしょうか。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 様々な案件に対して、スクールソーシャルワーカーを含めたチームを組んで対応していますので、児童生徒や家庭の変化については学校からの情報をみんなで共有し、見守りつつ、支援を継続している状況であります。
直接、スクールソーシャルワーカーが支援して解決できた案件としましては、療育手帳の取得や遺族年金の申請、児童手当や扶養手当の支給申請など、手続支援が挙げられます。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 続いて、(3)今後についてお伺いします。市内の小中学校が合わせて20校ある中で、スクールソーシャルワーカーは1名しかいらっしゃいません。各学校から様々な相談を日々受けていらっしゃり、大変お忙しくされていることと思います。20校で1名という状況は、とても看過できる状況ではなく、スクールソーシャルワーカーの方が担う役割、業務負担の多さが心配になります。無理が大きすぎるのではないかと感じます。時間的にも体力的にも精神的にも、スクールソーシャルワーカーの方の余裕がないのではないか、一つ一つの案件を管理していくということも、1人では担いきれなくなってしまうのではないかといった懸念は拭えません。
そこでやはり、増員を考えていかなくてはならないのではないかと思います。例えば、2名に増員して市の東西で担当を分けること、また、地区ごとや中学校区単位に担当を分けること、そして将来的には、やはり全ての小中学校に1名ずつという対応が望ましいと思いますが、現時点でのお考えをお聞かせください。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 議員御指摘のとおり、スクールソーシャルワーカーの増員は必要と考えております。今後、継続的にきめ細やかな支援を続けていくために、まずは教育委員会に増員を考えていますが、市の関係機関への配置も含め、より効果的な配置を検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 費用負担についてですが、先ほど、費用の3分の1は県が負担しているということで御答弁をいただきましたが、スクールソーシャルワーカーが複数名になっても費用の3分の1は県において負担していただけるのでしょうか。
○青山義明議長 教育長。
◎壁谷幹朗教育長 費用負担につきましては、スクールソーシャルワーカーの人数が増えても、県は3分の1を負担してくださるとのことです。
以上です。
○青山義明議長 藤田裕喜議員。
◆藤田裕喜議員 分かりました。よかったと思います。今回は昨年度から設置されたスクールソーシャルワーカーについて細かくお伺いし、丁寧に御説明をいただきましたので、業務の内容を含めて実態が大変よく分かりました。今後も活用を進めていただくとともに、やはり増員に向けての検討を進めていただくようお願いしたいと思います。
この件については以上です。ありがとうございました。